吟遊詩人は客のリクエストに答え、手にした楽器で旋律を奏で始めた。
ある地方の童揺で、五百年以上も前から語り継がれている。 現代において作曲家の意図する所を伝えるものはいない。
ペーター・ペーター 踊った向うに穴三つ
ヘンリー・ヘンリー 右に左に左右
ハリソン・ハリソン 黄色い所は踏んじゃ駄目
ジョンソン・ジョンソン 五つの鍵穴全部嘘
パンテル・パンテル 一つはご褒美釣り天井
アンディー・アンディー かわいい小犬に餌あげて
ハインツ・ハインツ 大玉転がし楽しいな
ハイドン・ハイドン 煙がもくもくさあ大変
ヘンリー・ブラウン 一人に一つと決まってる
レイフラ・レイフラ この街来たなら御自由に
吟遊詩人の演奏が終わり、ほどなくしてささやかな拍手が巻き起こった。
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