訓練の中で
(2003/06/07)
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作者
うゆま
登場キャラクター
ホッパー・ビー&アイシャ&コアン&アレン&エルスリード
ある晴れた日の午後。
ひゅん!
きーん!
かーん!
武器のぶつかりあう音が空を突きぬける。
ここはマイリーの神殿内の鍛錬場。
その隅に私はいる。
一本の木に吊るされた木の棒。
それを相手に。
小剣を、突く、払う、斬るの動きで振るう。
「違うッ!突くときはまっすぐ!
手元をぐにゃぐにゃさせない!」
私に厳しい叱咤が飛ぶ。
小剣を持つ右手が疲れに震える。
「切っ先が鈍い!
まだ振ってから五十回もいってない!
それでは冒険どころでは無いぞ!」
必死に、振る。
木の棒に当てようとする。
捕らえた!
思った。
す、こーん!
木の棒に小剣は当たった。
しかし。
その衝撃に右腕が耐えられなかった。
「あ…」
からん。
小剣を落としてしまった。
思わず、苦笑い。
「…休憩に入るか、ホッパー殿」
苦笑いする私を見て言う。
訓練の相手をして下さっているのは
マイリーの神官戦士のアイシャさん。
最近知り合いになって、
怪物退治に一緒に行くことになった人だ。
「よぉ、調子はどうだ?」
後ろから声をかけてきたのはアレンさん。
手に持っているのはやや大振りな幅広刃。
それから分かる様にアレンさんは戦士の方だ。
「まだまだ基本がなっておらぬよ。
もう少し、時間がかかりそ…」
「アイシャお姉さ〜ん!」
元気な声。
身軽な格好、手には薙刀を持ち、やってくる。
コアンさんだ。
「コアン、アレン殿と手合いは終わったか」
「うん。あ、そうだ。エルスリードさんが…」
楽しそうに話を始める。
「…なぁ、いつから二人は姉弟なのか?」
二人を見てアレンさんが私に聞いてくる。
ええ…と。
どう答えていいものか。
「…なんだ、ホッパーも知らないのか…っと!」
アレンさんは無言の私を見て知らないと判断したようだ。
釈然としない様子ながら、素振りを始める。
その中で。
座りこんだ私は思った。
ロック・ウォーム退治までに
小剣の基礎を身につけておかないと…。
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