衛視の日常に落 ちる何気ない話し(1)(2004/07/03)
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作者
うゆま
登場キャラクター
ワーレン



「なんでぇ・・・今日はえらく暇じゃねぇかよ?事件のカケラすら感じられねぇ。
 あー、暇だ・・・なぁ、暇だから、てめぇにちょいと謎かけしてやるよ。
 なに、すぐに終わるってよ、な、付き合えや?どうせ、夕刻になりゃ、帰るんだろ?」

【二人でも分けられない金貨】

「去年の・・・ああ、神様のいない月だっけか?あん?十一月だ、よ。
 理由?こんな時にいいだろ、問題出している時だから無視しろ、無視。
 気になる?・・・分かった、後で説明してやるから、俺の謎かけを聞け!」

 一人の強盗をとッ捕まえた時の事。とある商家に押し入って、店主を脅して金庫から金を根こそぎ奪った奴がいた。
 大量の金貨を抱えてオランから逃げようとしていた奴を、不審に思った門番が声をかけたら突然暴れ出した。
 商家の強盗事件の後だ、それなりの警戒網を敷いていた訳だが・・・たまたま、俺がその旨を門番に伝えて現場にいて、協力して見事とっ捕まえた。
 まぁ、痩せぽっちで非力な野郎だったから、な・・・苦労はしなかった。

 で、だ・・・

 強盗犯を色々と問い詰めていたんだが、どうやら仲間がいたらしい・・・そいつ含めて七人だったらしい。
 で、そいつらの事を聞いたら・・・驚いた、全員、薬盛って隠れ家で眠らせている・・・んで、自分だけで逃げ様とは良い根性だ。
 なんで自分だけ逃げたか理由を聞けば、ただ単に奪った金を一人占めしたい訳じゃなかったらしい。
 何でも、全員ケチで馬鹿、其の上きっかり分けられないと仲間を殺す事なんて何とも思わない野郎ばかり・・・それが単なる計算間違いでも、な。
 まぁ、頭だけは良いそいつが入ってから今までは上手い具合に分けられていたんだが・・・今回ばかりは奪った金では真っ先にきっかり分けられない事が分 かった。

 七人で山分けするにゃ、金貨が二枚不足する。
 六人で山分けするにゃ、金貨が五枚不足する。
 五人で山分けするにゃ、金貨が二枚不足する。
 四人で山分けするにゃ、金貨が一枚不足する。
 三人で山分けするにゃ、金貨が二枚不足する。
 二人で山分けするにゃ、金貨が一枚不足する。

 ・・・このままでは真っ先に、自分が殺される!
 そこでそいつは用心の為に持っておいた強力な睡眠薬を使った訳だ。

「さて・・・よーやく、長かったが、盗まれた金貨は最低でも何枚か分かるか?
 言っとくが・・・俺は直ぐに分かったぜ?あ・・・なんだ、その疑いの顔は!?
 ちっ・・・分からなかったら、酒飲みに行く時、てめぇの奢りだからな!」

 おっと、一つ言い忘れていた。そいつが言うには、盗んだ金貨を銀貨に換えれば、五人できっかり分けられるって話しだ。
 ヒントになるかは分からねぇが、ま、頭の隅にでも留めておいてくれ、な?

「おっと、答えは次に、な?」







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そして回答



「さーて、金貨の枚数、分かったか?何?教えろ?
 じゃ、答え・・・最低でも”百三”だ。今日はお前の奢り、な」

 ちなみにこの問題の解き方は簡単な方法で分かる。
 共通している七人、五人、三人で山分けして不足する枚数に注目してみな。
 二枚、だろ?

 他の山分け数字は無視して計算してみるぜ?
 七に五をかけて、それに三をかけてみろ。答えは?

 そう、”百五”だ。
 で、そこに共通する”二枚不足”ってのを考えて、二を引くと・・・”百三”になるだろ?

 ちなみに・・・
 これが七人山分けで二枚不足という条件だけだと、答えが十九枚になる。
 ま、参考までに、な。

 あん?ヒントの意味が良く分からない?
 ・・・ああ、銀貨に直すと五人で分けられるってやつだろ?
 金貨は銀貨五十枚分だろ?つまり・・・五人で分けられて当然、だ。

 言ったろ、ヒントになるかどうかは分からねぇってな。
 おぃおぃ、嘘はついてないだろ?な?

 そうそう、犯人に言ってやった一言がある。

「お前さんが金貨二枚、盗んだ金に紛れ込ませれば済んだ話じゃねぇのか?」

 其れを聞いた奴の顔といったら・・・思い出すだけで笑っちまう、ぜ?
 じゃ、夜にいつもの所で、な?おっと、逃げたら明日の見回り番は承知しねぇぞ?

 今夜は上手い酒が飲めそうだ、ぜ。



  


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