問われしもの〜クラウディオ〜( 2004/05/11)
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作者
あいん
登場キャラクター
某冒険者



永遠の一瞬。
そんな緊迫した長い沈黙を破ったたのは──低い笑声だった。


「御見事。正解じゃよ、流石にマックスの亭に通う者よな。良い資質を備えておる」


賢者リドの発した名が黒目通りにある冒険者の店の主人である事は瞭然だった。
刹那、暗闇の中で縺れていた糸が繋がりかけた直感の思索を阻害するかのようにリドが語を継いできたのが作為的なものであったかは判然としない。だが、リド がマックスを知っているという事実だけは確実なものとなった。


「一応、解説するが背伸びとは、すなわち、爪先立ちの状態じゃな。つまりは爪先立ち、妻先立ち、妻に先立たれた夫、寡男、後妻を娶れるのは寡男だけ、よっ てクラウディオが正解…………ヒャッヒャッヒャッヒャッ、我ながらナイスジョークじゃろ?」


刹那、空気が凍りついたのはリドが空間を支配しているから──でない事は断言できる。


「さて、では本題に参ろうぞ。資格を有する者よ、聞きたい事があれば何でも一つだけ答えて進ぜよう。我が名は賢者リド・ラー、世が世であれば“知らぬ事な き”と並び称されたであろう偉大な賢者にして情報屋である」












































「──知らん。そんな事言われても、誰にでも分からん事の一つや二つはあるものじゃよ」


直後、空間がリドの制御を離れて大きく歪み、荒んだ事は殊更に語るまでもないだろう。


情報屋にして賢者の異称をもつリド・ラー。
彼から情報を聞き出せた者は一様に語る。


「情報の質だけは素晴らしいが聞き出すまでが面倒な上に、その幅が途轍もなく狭い。あれに頼らなければならなくなった状況をこそ呪うべきだ」


と。



教訓、溺れる者が藁を掴んでも沈むだけ。






  


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