知 者と愚者(2)〜失われた婚期を求めて〜(2004/07/16)
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作者
U-1
登場キャラクター
ワーレン、アル



「平和だよなぁ」
 とワーレン。
「そうですねぇ」
 とアル。
 例の不毛な遣り取りのあとにワーレンが口にする打開策は決まっていた。
「アル。謎かけに挑んでみないか?」
「ええ。やってみましょう」
 ……という訳で二人は先日の雪辱をかけて謎かけを始めた。

・・・

さてっと。今日の問題の舞台はオランだ。
この前、話した調査から戻って来て一月も経った頃だったか……。
とある酒場で小耳に挿んだ二人の会話からの問題だ。二人は、どうやら施療師らしかった。しかも結構、年嵩のいった独身のな。その二人が人目を避けるように カウンターに座ってボソボソと話してる。つい気になって聞き入っちまったんだ。
俺は最後まで聞いた時、うっかり口に含んでいた酒を噴出しちまったよ。もちろん可笑しくてな。お前さんにその理由が推理できるかな?

・・・

A「なあ。君は患者に恋をした事があるか?」
B「ああ。施療師だって人間だ。恋くらいするさ。たまたま相手が患者だったってことだってある」
A「……そうか。そうだよな。患者に恋したって良いんだよな」
B「なんだよ。……もしかして、お前」
A「うん……。立場上、許されない恋かと悩んでたけど、君の話を聞いて安心したよ。患者に恋することは、いけない事じゃない! そうだよな!」

・・・

問題:この後、Bの発した一言が俺の爆笑を誘う。その一言とは?



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回答


残念ながら、どれもこれもハズレだな。
アル、賢者を志すなら固定概念って奴に縛られてちゃ駄目だぞ。
さて、解答だ。

正解:B「でも、お前の患者って家畜だろ?」

・・・

「えっと……それって、つまり……」
 とアル。
「ああ。獣医っていうのかな。そういう家畜専門の施療師らしいんだよ。Aはな」
 とワーレン。
 柔らかな午後の日差しと川面を撫でる優しい風が、アルの思考を凍らせる。
 ワーレンは二の句も告げないアルを見て一人ほくそ笑むのだった。

オランは今日も平和である。



  


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