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妹と呼ばれて
カーナ [ 2002/01/02 11:57:36 ]
  年明けの雑踏。まだ薄暗い街並みを、人が埋めている。
 行き先は神殿。祭る神はチャ・ザ。皆、幸運の神様には嫌われたくないみたい。
 そりゃあそうだ、誰だって幸せになりたいから。

 あたしの前を行くのは二つの人影。小さい影を、大きな影が追う形。
 大きい方がイオ、小さい方がファントー。それに、あたし。
 酒場で会ってから、神殿を見に行くと言う彼等に無理を言って着いて来たんだ。
 ワイン一杯で少し危うい感じになりかけつつ。

 酒場を出る前に、あたしのことを「妹」とイオは言った。
 あたしには兄妹がいない。だから、兄妹ってのがどんな感じか、よく分からなかった。
 今まで、ずっと。

 酔っているせいなのか、身体があったかい。でも、身体だけじゃない、
 心も、ぽかぽかする。何だか、嬉しい。

 相変わらず足の早い二人を追い掛けて、あたしも早足になる。
 一度、神殿を振り返り、こっそりと祈ってみる。誰にも気付かれない、小さな祈り。

 この「縁」を、ありがとう。

 もう少しだけ、妹でいよう。
 きっと、当分味わえない感じだろうから。
 
(無題)
イオ [ 2002/01/05 1:23:30 ]
 カーナの方が、実は”姉”だったって事を知らされたのは、別れてから余りにも時間を置いた後だった。
・・・・・・・。



アイツには、「俺は20だ」と言い張ろうか。



くそ、女の年なんて、そう容易く判ってたまるか。



たまるかってんだ。(恥)