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不安
ライニッツ [ 2002/01/04 1:26:39 ]
 年が明けて二日目。久しぶりに足を向けた酒場で一人の半妖精と出会った。
三白眼を始めとした、お世辞にも愛想が良いとはいえない顔つき。砂塵の国の民風の布を頭に巻き、三弦琴を抱えていた。
……そう言えば名前を聞き忘れた(汗)何をしてるんだか。

ふとした何気無い話をしていたと思ったら、何時の間にか婚約者の話になっていた。
会話に、言葉に気を使っていなかった訳ではない。しかし何処かに油断があったのだろう。
……気がつかなかったと言う事自体からして、……失策だった。

此処の所、彼女に満足に会っていない自分の事を指して、忠告をしてくれた。もしかしたら違うのかもしれないが、そう「とも」解釈できる言葉だった。
しかし、言葉に何処か温かみのようなものが感じられたから、忠告なのだろうと思う事にする。

『放ったらかしにして、相手が寂しさに耐えきれずに別の相手を見つけて、結果捨てられる……』

小さい頃から一緒に居り、色々な事を知り合っているはずなのに、「それは無い」と完全に言い切れなかったのが無性に腹立たしく、そして不安でもあった。