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母の手紙
アルファーンズ [ 2002/04/16 1:48:35 ]
 仕事を終え、久々に立ち寄った酒場でロマールまで行ってた知人から、母からの手紙を受け取った。
そーいや2年近くあってなかったけど、どーしてっかな。
兄貴宛てのを横に退かし、紐を解いて色褪せた羊皮紙の束を広げる。
「えーっとなになに・・・・」

『愛するアルへ。長いことあえなくて淋しい日々を送り、苦労を重ねるうちに病気になってしまいました。早く戻ってきて、死ぬ前に愛するあなた姿を一度でいいから見たいです・・・(中略)アリスより(キスマークつき)』

・・・そーか、病気か。・・・死ぬ前って・・・・。
「なんですとーっ!?ただ事じゃねーじゃんか!」
動揺してベッドの上を転げ回る。
「もう、うるさいなぁ、どしたのアルファ。何よんでんの?」
部屋でごろごろしていたミトゥが横から手にした手紙を奪い取る。
読み始めること数秒。
「・・・ねぇ、アリスって誰?」
気のせいか声に怒気が含まれてる。
「俺の母さんだっ、やべー、どーしよっ」
「嘘つけーっ、何で母親がこんな可愛い文字使って、しかも最後にキスマークつけるのっ!?」
うわ・・・やっぱ怒ってる。つーか母親が可愛い文字使ったら駄目なのか?
「マジで母さんだっつーの!それになんでそんな怒るんだよっ、こっちは大変なんだ、それどころじゃない!」
とにかく、まずは癪だけど兄貴のところへ知らせに行かなきゃな。
俺は手紙を手に、部屋を飛び出す。ミトゥが何か叫んでるけどとりあえず無視。

☆☆☆ラーダ神殿☆☆☆

「おらーっ、ゼクシールズ=ロゥはどこだー、出せっ!」
あとあと気付けば、こんなこと神殿前で言えば絶対捕まるな・・・。
都合よく兄貴が神殿前に居なきゃ。
「なんだ・・・珍しく顔を見せたと思えば騒々しい」
至極冷静に眼鏡をくいっと持ち上げ、偉そうに腕を組む兄貴。
「うるせーっ、いいからコレを読めっ、母さんが大変なんだよっ」
突きつけた手紙を受け取り、読み進める兄貴。そして・・・
「・・・お前はやはり愚かだな。2枚目をよく読め」
返された手紙に目を通すと・・・。
『なーんちゃって、ちょっと淋しいからからかってみただけよ。うふふ。元気で暮らすのよ アリス』
・・・。
・・・・・・。
「・・・馬鹿が。母さんの性格を考え、もっと冷静な判断力を身につけろ」
俺の脳天にバカ力チョップを炸裂させて、兄貴はスタスタ神殿へ帰っていく。
殴られた患部をさすりながら、とぼとぼと宿に帰る姿・・・傍目情けないだろーな。
 
女からの手紙
ミトゥ [ 2002/04/19 17:37:52 ]
 何よ、あのアルファ当ての手紙、なぁにが「俺の母さんだっ」だ。
嘘つくならもっとましな嘘つけっていうの、全く!
間違いない、僕のオンナの感が言っている、あれは母親からの手紙なんかじゃない、んでもって、あれがモテルとは思えないから、彼女、なんて事もない。
だとしたら、思いつくのは一つ、花街の女だ!

人に、いくら纏まった収入があったからって無駄使いしてるんじゃねーとか、いくら報酬がはいったからってノンびしりないで俺は真面目に仕事探してるんだとか、しまいには学院移籍したいから金かかるとか言ってた癖して、何?花街!?
そりゃのんびりと宿にいるはずないよね、通うのに忙しいもの!

遊びすぎてお金なくなって、「貸して」なんて言ってきても、絶対に貸してやらないんだから。

身から出た錆っていうんだよね、こういうの。
 
お茶目の代償
アルファーンズ [ 2002/04/20 2:18:43 ]
 「ただいまー・・・がふっ!」
宿に戻ってきて、部屋のドアを空けた途端に枕が飛んできた。
見事に顔面を直撃した思わぬ不意打ちだった。
「なにすんだてめーっ!」
・・・花街?・・・わけわかんねぇ・・・。
まだ何か勘違いしてるなこいつ。
「アホか、んなとこ行く金あったら貯めてるっつーの。それに花街は好きじゃねーし」
しかしミトゥの攻撃(口撃?)はやむことなく、うるさいことこの上なし。
「えーい、うっせーな!もしそーだとしても金に困るのは俺だけだろ、いちいちやかましーんだよっ、それに仕事も見つけてきたしっ!」
俺は部屋に置いてあった長槍と短槍、2本を肩に担ぎいくつかの荷物を纏める。
あ?どこ行くって・・・仕事までどっか別のトコに泊まる、お前うるせーし。
ミトゥに反論させる暇なく部屋を出て行く。

☆☆☆

あーあ、最近女運わりーな・・・。
母さんのお茶目で兄貴に殴られるわミトゥがうるさいわ・・・オマケにカーナの付き添いで明日は女装させられるし・・・。
どっかで女運悪くなるよーなモン伝染されたか?
とりあえず、どっか安い宿探すかな。