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星の導き
ラザラス [ 2002/12/31 21:07:43 ]
  きままに亭の店主と知り合ったのは十二年前。あれこれと質問してくることから、その顔と名前を覚えた。“冒険者の店”という奇異な店を開いていると聞き、「どんなものか?」と訪ねてみると、これが実に都合のいい何でも屋であると知る。

 二、三度訪れ、そこに集まる者を見たが、世辞にも真っ当な人間たちの集まりではないと思えた。だが、世間は彼らの力を必要とする。働きの悪い衛視、妖魔を退治せぬ騎士、権力闘争に明け暮れる貴族の元では、彼らのような力を持つ者こそ、役に立つのだ。残念だが、神官の働きでは、到底手の回せぬことを彼らはやってのける。

 “くだらぬ連中”と目を背けることは容易い。一時は、冒険者の力は不要と思え、神殿が彼らの代わりとして働けぬかと模索してみたことがあったが、失敗に終わった。確かに組織的な行動を取る場合は有効に効果を現すことができたが、こと細部の問題、突出した能力者などを求められると神殿という枠は弱かった。

 それからだ。私が冒険者を使うようになったのは。それとマックスという男と、交流を深めることになったのは。

 年の瀬となり、例年通り私は星に見立てた石を“きままに亭”へと持ってきた。“星の導き”と言われるその石は、ラーダのご神体の代わりとされている。自宅にいながらもこれを前にして祈れば、ラーダ神が身近に感じられるものだが、石にこれといった力はない。形式的なものの一つだ。信仰は心の在り方一つ。ご神体や、偶像物といったものは、信仰に直接関係があるわけではない。だが、石にしろ、聖印にしろ、それを神に見立てて祈ることで、御声が聞けた例も少なくはない。

 生憎店主は留守ということで、店員にそれを渡し言伝を伝える。年が明ければ、彼の方から家族揃って神殿に来るであろう。そのとき挨拶すればよい。

 店主には会えなかったものの、学者に会うことができた。ダウリガンガである。彼は灌漑などに携わっておられる方で、何度か話をしたことがある。水を導くことでは、オランでは右に出るものはいないと私は思う。
 彼の蓄えた知識、経験は敬意を表するものであり、助言なども受けられ、大変助かっている。

 これは“星の導き”によって再会できたことと思い、ラーダへと祈りを捧げる。

 以前会ったのは、春先でありましたか。私の農村調査のことを覚えていたようで、早速ウィストーク領の話となる。

 本来、私の領分ではない農土改良なる仕事でありましたが、神殿内のやっかみか、こういった敬遠されがちなものが回ってくる。それ以外にも毎年収穫が落ちるウィストークには気になっていたこともあり、引き受けたのですが、一筋縄ではいきませんでした。

 領主の要請で動いたわけですが、神官たちの文献知識のみで片づけようとする態度に、頭を悩ませる。知識を得たからといって、それが真理をついている保証はい。民の声に耳を傾け、経験に基づくアドバイスを受け、その上で対処しなければ結果は望めぬ。
 マーファ神官達の民一体型で進めるその行いの一部でも見習ってもらいたいと思うが、口にすることはできない。

 西のランドラ森の河川のことについても意見をもらう。
 この河川はどうも、百年に一度くらいの割合で氾濫を繰り返しているようで、来年当たりにそれがくるのではないかと言われている。一部の学者の意見ではランドラ森から流れ出した土砂が、農土を潤すため、氾濫させないことには、いずれ土が痩せるとも。

 領主は、古来に習って氾濫させ、その間、民の生活を保障する政策を取ろうとしている。その反対に、民は家が流されたりするのを由とせず、河岸工事を希望する。私も、ダウリガンガ殿も後者の意見であるが、なにか心に引っかかるものがある。

 歴史の積み重ねか、今ある民の気持ちを汲み取るか・・・難しい問題だ。これもラーダの与えた試練の一つ。正しく見極め、民のために働こう。

 やはり、ダウリガンガ殿と話をすると、散漫になっていた思考がまとまりにかかる。よい人に知り合えたと思う。

 店を後にして、空を見上げれば、冷えた空気に瞬く星が見えた。

 ラーダは私を導いていてくださる。
 
森妖精と出会いて
ラザラス [ 2003/04/08 0:19:10 ]
  夜半遅くにだが、久しぶりに“きままに”亭に足を運んでみる。宿舎からは遠いが、店の主人の様子を見ておきたいということもあってだ。
 週一の礼拝に彼ら家族の姿が見えなかったため、どうしたものかと理由を尋ねておきたいと思ったからである。
 店に赴けば彼(マックス)がカウンターにおり、二三挨拶を交わした後、訪ねてみた。すると娘の一人が腹痛を起こし、それどころではなかったという。既にそれは治まり、大事にはなっていないと聞き安心した。

 独り身であるため、子を持つ親の気持ちは判らぬが子煩悩の彼を見る限り、可愛いものなのだなと想像はできる。妻を持つ気もないため、子を持つこともないだろうが、あのような親に育てられれば子も幸せであると思う。

 彼は仕事に忙しく、それ以上の会話をすることはできなかったが、後から来た森妖精(ルーファス)と対話することができ、外に出る重要性を改めて認識した。

 これでも私は外には出ている。地方にもよく足を伸ばす。だが考えてみれば、出会う人は貴族か農民が主だ。たまに岩妖精とも話をする機会に恵まれるが、大抵仕事絡みとなる。落ち着いて雑談を酌み交わすことなどない。

 私は司祭であり、国から要請を受けて動くこともある。どうしても皆は自分との間に一線を引いて話しをする。事務的なことが多いため、その方が手際よく事を進められるためよいのだが、いささか血の通いのない。
 それだけにこの店で対話するのは心地よい。

 神の啓示を思い出す。啓示は抽象的で受け取り方が幾通りもある。私が受け止めた解釈からすれば、この森妖精との対話こそ叶っているように思えた。

 決断すべきかどうか……迷いがある。ただ信仰に生きるならば啓示は絶対である。今日の森妖精の対話で私の気持ちは固まった。最高司祭に話してみよう。

(P:以下そのときのやりとり)

<>

[ラザラス] (515/3/31 <> 0:20)
<> (からら〜ん♪ と退店)
<> (容姿:身長170程度、体格は普通で、金髪碧眼。顎に髭、肌は焼けておらず、健康的には見えなばの人間の男。)

<>

[ルーファス] (515/3/31 <> 0:19)
<> (からら〜ん♪ と退店)
<> (容姿:男性の森妖精。淡い金髪は背の半ばで束ねられ、その合間から尖った耳が飛び出ている。草木染めの衣を纏い、短剣を皮製の鞘に収めている。)

<>

[ルーファス](515/3/31 <> 0:18)
<> (見送りながら)縁があったら、また…>ラザラス
<> (店主に茶の礼を二、三言述べて、)本当に聡明なのか、年を重ねただけあやふやな物言いが巧くなっただけなのか…
<> あの司祭さまが私と同じ年まで生きられたなら、答えが出るのだろうけれど、無理な話だな。
<> (席を立つ)

<>

[ラザラス](515/3/31 <> 0:10)
<> (店主に二三言葉をかけ、ルーファスに再び目を向け満足そうな顔を見せる)
<> 聡明の方ですね。>全て文字で記しえるものでない
<> 神との対話、その温もりや安心感など文字でも言葉にでも置き換えられぬものです。
<> それではわたくしはこれにて失礼します。>ルーファス
<> (軽く会釈をしてゆっくりと扉へ向かう)

<>

[ルーファス](515/3/31 <> 0:06)
<> 精霊たちとの語らいは、羊皮紙の上に留め置くことができないものだから、それも仕方がないことなのだよ。
<> その神への祈りも、すべてを文字で記し得るものではないだろう?
<> 私も、そろそろ宿に帰るとしようか。サンドマンの誘いが少し強くなってきたようだ。

<>

[ラザラス](515/3/31 <> 0:00)
<> (ルーファスの説明を満足そうに聞き入っている)
<> 私の認識が間違っていたようですね。一つ学ぶことができました。どうにも精霊とは縁が薄いため、文字から得られる知識を鵜呑みにしてしまいます。こうして直に森妖精の方から話が聞けたことは大変喜ばしいことです。ラーダよ、今夜の出会いを導いてくださり感謝します。(再び祈りを短く捧げる) <>
<> 知識は他の人のために役立ててこそ、自らの知識を深めることができます。他者を助ければ、巡り巡って自分を助けることにも繋がりますから。ましてそれで糧を得られるのでしたら尚のことです。(おどけた調子を静かに頷いて受ける) <>
<> そろそろ戻らねばなりません。もう少しこうして話を続けたいところですが、帰ってせねばならぬことがあります故、お暇いたします。(静かに席を立つ)

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 23:52)
<> 我々はエントが宿る木を慕うのではなく、エントが宿り得るほど在った木を慕うのだよ。
<> 我々と語らう精霊が、在るがままに在るものであるから、それに近しい在りようのものが、親しく感ぜられるのだろう。
<> 危険の見返りは大きいと聞いたが…私は危険が怖ろしくて足を踏み入れたことがないのでね、その風聞が正しいかどうかは、保証できないよ。
<> 長老がたに比べれば、私の知識は誇れるものではないが、そのわずかなものでも誰かの助けになるならば、使わぬわけにもゆくまい?
<> なによりも、使わなければ、これすら口にできないのだし(おどけた調子で言い、茶の入った杯を示す)

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 23:37)
<> そう受け取っていただければ問題ありません。森妖精の方なら、エントの宿る木を大切にする。それに似ているかもしれませんね。 <>
<> (一息ついて、ワインを飲んで口を湿らす)
<> 遺跡ですか。それは危険がつきまといそうですね。あまり野蛮な行為は認めたくありませんが、それ故掘り出される知識の数々は軽視できる物ではありませんので、教義に従ってばかりはいられないところですが。(心苦しく笑ってみせる) <>
<> 薬師ですか。なるほど森妖精の知識を持てば、それで生活することは可能と思えますね。確かに先のような仕事であれば怪我や病気にかかることも多い、それを補佐、助力する役目といったところなんですね。>ルーファス

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 23:31)
<> 象徴、なのだろうか。<聖印
<> もっとも祈るということが、私にはどうにも理解しきれないのだけれど。
<>
<> 大抵は魔法王国時代の遺跡へ行っては、その品々を売って生計を立てているようだね。
<> ここの店主に仕事を紹介してもらう約を結びはしたが、諍い事は避けて欲しいと頼んだほど、私は荒事は苦手なのだよ。
<> 頼まれた薬草を採りに行ったり、調合したり…薬師の真似事をしているよ。

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 23:23)
<> そうです。知識神ラーダの聖印です。
<> (聖印を手に取り見せる)
<> これを手にしているからどうというものではありませんが、祈るときこうした対象があると“祈りやすい”ということがありますので、信者の方は皆手にしています。 <>
<> 家に置く物として“星の導き”という石もございます。(軽く微笑んで)
<> 職が定まらないと言っては、反発を招きそうな気もしますが、存外そういうものかもしれません。“何でも屋”とも耳にしたことがありますし。
<> どういったことで収入とされているのですか? 私はこれといって冒険者として働いたことがないので、詳しく知らないのです。>ルーファス

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 23:17)
<> (祈りの一部始終を物珍しそうに見て、聖印に目を留める)それは…同じ物を賢者が持っていたよ。知識の神の印だったかな? <>
<> 職が定まらない者たちを冒険者と呼ぶのならば、おそらく私もそうなのだろうね。>ラザラス

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 23:13)
<> (謝辞を受け入れたことに対して会釈で礼をする)
<> 職業柄のせいかもしれませんね。
<> 相手に誤解のないように、理詰めで解説してしまいます。それが耳障りと受け取られるのであれば、まだまだ私も未熟ですね。直すべき目標ができました。(ラーダの聖印を胸で結び祈りを捧げる。祈り終え顔を上げてから) <>
<> 貴方もここに訪れるということは冒険者として働かれているということですか?>ルーファス

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 23:08)
<> ひとまず謝辞を受け入れよう。(店員から受け取った杯をかるく上げる)
<> 言い方は少々耳障りかもしれないが、随分理詰めの意見のように感ぜられるよ。
<> 目の前にいる人物からではなく、まるで説教段の上から聞こえてくる言葉のようだ。>ラザラス

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 23:00)
<> (内心:そう神殿ではこうした出会いは得られません。やはり外に踏み出してみる必要がありそうです)
<> (ゴブレットに視線を落とし何か考え込んでいる。ルーファスの声に顔を上げ)
<> 私はそうは思いませぬ。この世界、エルフ、ドワーフなど人間でない種族は多く住んでおります。それは知識で知っていることです。この街には田舎よりエルフも多い。その中でことさら取り立てて異種族を取り上げて呼称を口にすることは「あ、肌が黒い」と人間に大して言うのと差違はありません。ですから非礼と感じ詫びたのです。(優しく微笑みを見せる)>ルーファス
<>

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 22:54)
<> いや、私が人の子ではないのは、厳然たる事実。そのことを言うのは、無礼には当たらないのだよ。
<> そうだろう?(微笑)
<> もとより人の子の郷に赴く我々は少ないが、その上神の社に赴くものはそうはいないだろうから、驚かれるのは無理もない。>ラザラス

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 22:51)
<> (メニューを見ながら)カモミールティーを頂けるかな。>店員
<> 先日の鱒の香草焼きはなかなかのものだったことだし

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:51)
<> これはこちらの方が失礼な物言いでした。許されよ。
<> (丁寧にお辞儀をして非礼を詫びる)
<> 神殿に籠もりきっていると貴方のような異種族と触れあう機会もございませんので、つい珍しく口にだしてしまいました。>ルーファス

<>

[ルーファス](515/3/30 <> 22:49)
<> (店内を見渡し、足を進め、カウンター席につく)
<> (言葉を耳に留め、そちらを見る)おや、気に障ったのならば失礼。>ラザラス

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:48)
<> (鐘の音に反応し、扉の方を振りかえり来店者を確認する)
<> エルフか。

<>

[ルーファス] (515/3/30 <> 22:46)
<> (からら〜ん♪ と来店)
<> (容姿:男性の森妖精。淡い金髪は背の半ばで束ねられ、その合間から尖った耳が飛び出ている。草木染めの衣を纏い、短剣を皮製の鞘に収めている。)

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:46)
<> (ワインを静かに飲んでいる)

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:44)
<> (店主が他の客と仕事の内容を話しているのを見ている。聞く客は目を輝かせ、食い入るように話に耳を傾けている) <>
<> 冒険者か・・・。

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:41)
<> いや、私に構われることはない。仕事を続けられたし。>店主
<> (ワインを受け取り、一口含む)

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:37)
<> それは大変でしたな。>娘が腹痛
<> 落ち着いたと聞いて安心した。
<> (ゆっくりメニューに手を取り、目を通す。一巡してから希望の項目に再び目をやり値を確認する)
<> アノスの白をいただこう。
<> (メニューをもとある場所へ置く)

<>

[ラザラス](515/3/30 <> 22:32)
<> 今日は礼拝で見かけなかったが、どうかしたのかね?>店主
<> (コツコツコツとゆっくりカウンター席まで歩む。視線は店内をざっと見回し店主の顔色を見る。空いている席へ進み、音を立てぬように椅子を引き座る)
<>

<>

[ラザラス] (515/3/30 <> 22:28)
<> (からら〜ん♪ と来店)
<> (容姿:身長170程度、体格は普通で、金髪碧眼。顎に髭、肌は焼けておらず、健康的には見えなばの人間の男。)

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