Sword for Hire |
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スカイアー [ 2003/01/15 21:45:51 ] |
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| 西方語にて綴られた記録。 羊皮紙に書き連ねたものを巻き、紐で綴じている。 中原南部、主にロマール近辺の語彙、慣用句、成句が多用され、西方人であれど同郷の人間以外には容易に読み解けぬ部分あり。 筆跡は流暢であり、適切な文法が用いられている。 |
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(無題) |
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スカイアー [ 2003/01/15 22:37:11 ] |
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| 初めてこの地を訪れたのが、五一一年の五月。 早い者で、今年で五年目になる。新年を迎えるのはこれで四度目である。 今年は、年初から幾つかの出来事が続き、慌しい。
北部レペテ伯爵領、伯爵邸においての御前試合。之は、当初は私とロビンの立ち回りを披露するのみの予定だったのだが、卿の実弟ギメルシュの仕掛けにより、彼が招いた戦士と仕合う派目になったものだ。 この件で、我がことに関しては取り立てて書くこともないが、ロビンとジャスティアの成長を目の当たりに出来たのは幸いであった。 教師の如き振る舞いは柄でもないと決めつけていたが、次世代が我が技を受け継ぎ、これを活かす有り様を目にしたことの喜びは言葉に書き尽くせぬものがある。 資質の豊かなこの二人が、創意工夫を重ねて更なる高みに達することを願わずにはいられない。 |
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(無題) |
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スカイアー [ 2003/02/12 22:08:14 ] |
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| 宿の庭にて、レツと一手の勝負を行った。 彼の膂力は衆に抜きん出ており、これを活かした剣法には相変わらず瞠目すべきものがある。また、細かな技を仕掛ける器用さも身に付きつつあるようで、大兵盛風力と言った荒荒しさは以前ほど観ぜられぬ。この後、心術を学びて内観の法を知れば、拍子を取られぬようになり、容易には撃ち込ませぬ難剣となろう。それはアイントホーフェンの系譜が再び世に現れることであり、一人の剣士としては実に喜ばしいことである。 レツと杯を酌み交わし、部屋に戻った後、レツとロビンが手合わせをしたならば、いかなる結果になるかを考えて見た。十本勝負ならば八対二、三本勝負ならば三対零でレツが勝つものと思われる。ロビンの戦士としての道も亦、長い。 |
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