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賭場と酒場をいったりきたり
ウィント [ 2003/10/03 5:24:44 ]
 オランに着いてそろそろ一月。
本当ならチャ・ザ大祭までには戻るつもりだったが、どうも上手くいかず。
まぁ、次のカゾフの仮面祭ん時はしっかり計画立ててカゾフに着いとくとして。
稼がねーと餓える。
と、老舗の店は顔が知れてるので場末の賭場に。
老舗の店で素人に混じって打ってたら恐いお兄さん方がどれだけ出てくるかわからねぇし。
というわけで行った先で喧嘩に巻き込まれた。
喧嘩してたのが両方俺の知り合い。喧嘩の理由が、サマをやったのやらないの。
ふっかけたのは地元の恐いコレモンのお兄さん。
ギルドに属しちゃいるが、言ってみればチンピラである。
顔見知りじゃあるがそんなに仲いいわけでもなし。
で、ふっかけられたのはこっち来る途中にブラードで知り合ったランバート。
ブラードでは一緒に遊んでは飯代飲み代持ってくれた恩人、つーか遊び仲間だったりする。
……散乱してるカードを見る限り、ランバートは実際にサマやってバレたんだろうなぁ……
ランバートのカードの腕前を思い出しながらそう思う。
カードを片づけながら仲裁。
はぁ、オトシマエがどうのと言われてもねー?
のらりくらりとかわしながら穏便に終わらせ……られずに話は後日へ。
さて、数日後夕方。馴染みの顔への挨拶回りの途中。
「古代王国への扉亭」でラスとカールとスカイアー発見。
チェス?まぁ、賭けチェスじゃそれなりに稼いだけど……つってるうちに対戦開始。
で、惨敗。
相手はラス@チェス名人の幽霊つき。というかラスは指示に従ってただけだからチェス名人の爺。
まぁ、爺さんが負ける姿が見たくなったので爺さんに勝てる人材を探す手伝いを。
ランバート辺境伯ならあるいは……とはカールの弁。
だが、伯爵とはそんな……って、ランバートか。
カードもダーツはからっきしだがチェスなら負けない、と豪語してたよなぁ、と思い出す。
当たってみるか、今日会うし。
名前もチェスに強い伯爵と同じなら縁起もいいやなー、と思いながら後にする。
で、夜には巻き込まれた賭場へ。
ランバート現れず。連絡とったのになぁ。
……チェスの話を持ちかけるまでもなく、っすか。
強面のおにーさん、仲間連れてきてるわけですが。
ちゃんと連れてきてないわけで下げたくない頭下げつつ、探しに出ると……あ、その前に
「マスター、ここって張り紙OKだったけ?」
紙に『チェスの挑戦者待つ!』と大きく書いて張り出す。連絡先は一応俺んトコ。
行きそうな場所を探して歩き回りつつ、挑戦者待つ、の張り紙をしてまわる。
が、結局ランバート見つからず。
次の日。
張った次の日にも関わらず、チェスについて尋ねてくる人間がちらほら。
自信があるだけあって、皆俺よりは強い。ので全部ラスん家に送ってみた。
その相手の後はランバート探し。
行くまでもなく、家を出る直前にランバートがうちに来る。張り紙見たか。
開口一番。
「その幽霊に会わせてくれ」
勝負するん?と尋ねても要領を得ないし、やたら真剣な顔だ。
爺が親族か何か?でもないか。爺の話してないし。幽霊っちゃ言ったが。
とりあえず先に用事済ませような、と後ろに控えていた恐いお兄さん方呼んでみた。
こっちの解決まであと2日はかかるかな。
終わったらランバートの事情も聞いてやるか。
 
二つの駒
ウィント [ 2003/10/05 11:26:48 ]
 アヒョーだのプププーンだのと言うチンピラ&その仲間とランバートとの喧嘩は結局幾ばくかの金で片が付いた。済ませた。
というわけでラスの家に向かう前のランバートに話を聞く。
チェス、幽霊と聞いてこいつはシノアという兎を連想していたらしい。
で、そっちに用があったのだと。
そう言いながら懐から出してきたのは……白と黒のチェスの駒。
黒瑪瑙の女王と翡翠の女王。ラスが持ってたヤツの女王とはデザイン違うが、材質は同じ。石の年代見れる程詳しくないのでこれがどれほどのモンかはわからんけども……
で、どうもこいつをシノアに渡して欲しいと頼まれてオランまで来たらしい。
全額前払いの報酬と共にこれを預けてきた相手はナターリヤという女性だと言う。恩があるのでちゃんとこなしたかったらしいが……
オランに着いてシノアが死んだことを知って意気消沈してた所へ幽霊がチェスを打ちたがってると聞いてシノアだと思った、と。
ふーん。
でもラスに憑いてるのはランドルフ、っつー金貸しの爺さんだぜ?
言った所でがっくりされた。
が、まぁとりあえずラスの家まで連れていこうか、こいつ。チェスが上手いのは確かだし。その女性に鍛えられたらしいが。
事件解決に関係なかったらこの駒二つは立て替え分で俺が貰うぞ。
 
精霊使いにろくなヤツはいねぇ。
ウィント [ 2004/11/14 0:27:58 ]
 精霊使いってのはろくでなしばっかだ。
とにかく紳士淑女じゃ出来ねぇモンなんだろう。
だってよ。感情も精霊って聞いたんだが、俺の知ってる限り、精霊使いってのはそれを野放しにしてるヤツしかいねぇんだもんよ。
今回、クレフェって女の精霊使いと出会って改めて思い知った。

――――――――――――

数日前の夕刻。
仕事も順調、人間関係も良好、邪魔するヤツも煽るヤツもおらず、順風満帆ってのはこのことだろう。
何てことを考えながら、明るい人生設計なんてものを思い浮かべようとしてたんだよな。
ま、気分良かったんでその辺を口にしてた。
「まだまだ23だ」とか何とか。
頭の後ろで手を組んで。調子こきながら。
そしたら、何の前触れもなく、突然目の前を銀髪の女が遮った。

年齢。
この歳頃の女性には胸に響き、腹が煮えくり返る話題だ、ってーのをその時の俺は失念していた。
で、まぁさっきの発言に加えて「俺には先がある」だの「20、30、40と節目節目は色々考えるよね」だの「人生50年」だのみたいな発言を繰り返してしまっていたわけだ。
その発言自体に彼女を煽る意図はまったくなかったんだが、言葉ってのは発する方よりも受け取る方の感覚が重要なわけで。

<FONT COLOR=palevioletred>……ねえ、そこで何故そんなに的確な表現で女性の心を傷つけるような真似をするのかしら、そんなに……死にたい?</FONT>

この発言と酷く冷めた目と、怒りのオーラに揺らめきそうな銀髪が全てを物語ってた。
その姿、まさに銀髪鬼。
姿と共に俺の脳裏に刻まれた名はクレフェ。

通りがかった衛視公認の脅迫を受け、俺は泣きながら奢りの誓約書にサインさせられた。

――――――――――――

そして奢りの日。
事前にかけずり回って集めた情報と、なけなしの金の力で、何とか食事とワインには満足して頂けたようだ。
だが。
最後の最後でケチがついた。
ってか

<FONT SIZE=5>食後のケーキに蝋燭立てたヤツ一歩前に出ろ</FONT>

マジありえんて。