| MENU | HOME |

春に
フォルティナート [ 2004/01/07 11:24:07 ]
  呪文を唱えるべく集中する。杖の先に明りが灯る。
 呪文を唱えるのはもう問題無いようだ。
 杖を眺める。今回の仕事で自分の力の無さを実感した。自分の魔術、知識がどれほど役に立ったのか。自分では切り札として隠していた盗賊の技は切り札足り得なかった。
 オランに辿り着いた時は生還できただけで良かった。だが日が経つにつれ自分の不甲斐無さに憤りを感じるようになった。

 あの魔術師。彼女の魔法は賞賛に値する物があった。敵として出会った事が悔やまれる。
 全員ボロボロで遺跡を調べる事が出来なかったがあの魚を造り出したのも異形の物の事を調べたのも彼女だろう。知識の豊富さも伺える。

“越えたい”そう思う。今は無理でも何時か必ず。
 その為にもっと勉強しなければ。

 春が訪れたら再びあの遺跡に行こう。ロビンさんの吹いた笛も気になるし彼女に会えるかも知れない。