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ひよっこ達のゴブ退治
コロム [ 2002/04/21 4:41:48 ]
 オランから東に半日ぐらい行った所にある村で、ゴブリンが畑を荒らしてるの。
その村は冒険者を雇ったんだけど、彼らの一人は退治の途中で大けがをおってしまって、仕事をキャンセルした。
で、代わりに雇われた冒険者がわたし達というわけ。
ゴブリンの数は残り6匹くらいまで減らしたっていうから、あっという間に終わるんじゃないかな。

メンバーは、頼りない見習い神官のセレネド。
ゴブリンを憎む歴戦の老ドワーフ、アラック。
自称戦う知識人、リーダーのアルファーンズ。
そして紅一点、かわいいコロムちゃんで〜す。

メンバーに連絡して準備を整える。
皮鎧の点検・・・ホントはプレートアーマーが欲しかったけど、お金が足りなかった。
埃にまみれた戦斧を雑巾で綺麗にして、はいでき上がり♪
必要な物をリュックに詰めて、念のために保存食を入れてお菓子をつめつめ。
はい、準備完了♪
 
畏怖
アルファーンズ [ 2002/04/21 15:43:24 ]
 マイリー神殿の墓地の奥、一本の折れた剣が突きたてられた簡素な墓の前。
銀に輝く刃に俺の顔が移りこむ。我ながら暗く沈んだ顔だ。
・・・ゴブリンか。嫌な思い出がよぎる。
ゴブリンの爪にかかり、飛び散る鮮血。血の赤い色。
最期の笑顔が頭から離れない。ゴブリンの卑下た唸り声も耳から離れない。
・・・俺はゴブリンが怖い。食人鬼よりも吸血鬼よりも。
もしかしたら、前に姿を拝んだことのある壷の悪魔よりも怖いかもしれない。
《メリルアネス》と銘を掘り込んだ剣に手を触れる。
「・・・俺は護ってくれとはいわねーぜ。これが護ってもらった結果だからな・・・次は見ていてくれるだけでいい。・・・行ってくるからな、メリル」
 
準備
セレネド [ 2002/04/21 18:47:09 ]
 コロムさんからゴブリン退治の連絡がありましたので、取り合えずお師匠様に報告をして冒険に必要だと思われるものを準備することにしました。

まず羊皮紙と筆記用具に、お師匠様に無理言って譲ってもらった辞典と、先輩がくれたお古のマント、実家から持ってきたロープと手鏡それに火口箱っと。
え〜っと、それから水袋は持ってた方が良いですね。・・・こんなところで良いかな?

いよいよ初めての冒険です、しかも退治依頼なので戦闘は必至。
・・・危ない、危ない、武器の事をすっかり忘れてました、昔取った杵柄でなんとか扱えるスリングを用意してっと。
ああ、僕も父さんや兄さんみたいに熊も狩れるような腕だったら良かったんですが、こんなことならもっと身体を鍛えておくんでした・・・。
悔やんでいてもしかた有りませんね、兎も角足手まといにだけはならない様に注意して行きましょう。
 
若木と老木
アラック [ 2002/04/22 13:02:02 ]
 いつものように酒場に顔を出すと、店員がわしへの伝言を伝えた。ゴブリン退治の話だ。
ふむ、六匹か。少ないな。この程度ならあ奴らだけでもなんとかなるかの?
若い三人の姿を思い出して苦笑する。少年と少女の初々しさは見るからに微笑ましい。それに比べればもう一人の青年は随分と場慣れした風ではあったが。
6匹前後なら、おそらく自分が居なくとも何とかなるのだろう。しかし予想だにせぬ出来事が起こるものまた冒険なのだ。とりわけ相手が忌々しくも狡猾なゴブリンどもでは。
「こりゃとんだ子守りになりそうだの」
盛大な溜息を一つ。
英雄タウラス曰く、若木は雨に打たれ風に吹かれてこそ伸びるもの。だがあの若者を襲うのが不運という名の暴風でないと誰が言いきれるだろう?…かつての自分がそうであったように。
ふと振り返ると店員が心配そうに見ていた。急に黙り込んだわしを見て、伝言に何か無作法があったかと思ったらしい。

「すまんが火酒を2〜3本、旅用の缶に詰めて貰えるかの。…なにかと気苦労の多い旅になりそうなんでな。」
 
ピクニック
コロム [ 2002/04/25 21:42:11 ]
 空は青々と輝き、金色の花畑が広がる。かわいらしい野ウサギが若草色の草原をぴょこぴょこと走り回っている。

ぽかぽか陽気に心がうかれ、スキップしたりくるくるまわる。
あははは、わたしを捕まえてご覧なさい♪ってな感じだけど、そんなことをしたら変な娘だって思われちゃうじゃない。ここは話題を変えて、しのぎましょう。
「誰か面白い話し知らない?ただ歩いてるだけじゃつまらないから、順番にお話ししながら行きましょ♪無い場合は自己紹介でも良いわよ。で、誰からする?」
 
いきなりダークでいこう
アルファーンズ [ 2002/04/25 22:25:05 ]
 照りつける春の日差しが妙に暑い。ローブの下の鎖帷子に汗がにじむ。
そしてコロムのこのテンション。
青い空、金色の花畑・・・は良いんだが・・・。
面白い話って、何でこんなに軽いノリなんだ?
ま、そっちのほうが気分もまぎれるってもんだけど。
「じゃ、俺がひとつプチ伝承・・・つーか昔話みたいな奴だけどしてやろーじゃねーか」
俺は咳払いをして話し始める。

昔昔、ある地方を苦しめるゴブリンたちがいました。
それを束ねるのは一匹のゴブリンロード。ロードは数多くの手下を使い、その一帯を荒らしまわりました。
幾度となく英雄志望の冒険者がロードを倒そうと挑みましたが、限りないほどの手下にはばまれ、そしてロードと対峙する前にやられてしまいます。
しかし、ロードの支配も長くは続きませんでした。あるとき現れた手馴れの槍使いと斧使いがロードを滅せようと獅子奮迅の活躍をしたのです。
瀕死に追い込まれたロード。ですが、狡猾なロードにはある秘策が・・・

「秘策が・・・・・・・・はぁ」
長い沈黙の後、ため息ひとつ。
「あぁ?続き?・・・やっぱこの話やめ、中止、次の人にタッチ」
なんでゴブリン退治の前に、結局手慣れまで道連れに死ぬゴブリンの話せにゃなんねーんだ・・・余計にダークな気分だ。
俺は銀の長槍と円形楯をぐったりと引きずるように、抗議の声を聞き流して列の後ろから歩きだした。
 
役立たずな知識
セレネド [ 2002/04/26 18:19:54 ]
 ゴブリンロードの秘策がどんなものだったのか気になるところですが他の皆さんもそれ以上追求しようとはしませんし、それ以上聞いてはいけないような気がしたので僕も黙ってる事にしました。
「じゃあ次、あなたの番よ。」
「ええっ!?」
一寸の沈黙の後、突然コロムさんに話を振られて慌てましたが、何となく気まずくなった空気を払拭するチャンスですので何か話しませんといけませんね。
「え〜と、それでは『アレクラスト大陸における各地方言語の差異及び分布に関した研究仮説』を・・・」
そんなの面倒なのじゃなく他の話にしろですって?
「では『落下により発生する高度差別衝撃力の関係についての・・・」
これも駄目ですか?
「じゃあ、『信仰において・・・」
え、却下?
普通の話はないのかって?
「え〜っと、え〜っと、…すいません他に思いつきません。」
とほほ、今度からは詩話なども読んでおいた方が良さそうです。
 
塩辛い話
コロム [ 2002/04/28 6:28:29 ]
 まったく二人とも全然話になって無いじゃないの。そんなんじゃせっかく蓄えた知識が泣くわよ。
お話がなんたるか、わたしがお手本を見せて上げるからよ〜く聞きなさいね。
え〜っと♪まずは『アレクラスト大陸におけるかくちほうげんごのイサオヨビブンプニカンシタケンキュウカセツ』から。
・・・はいそこ、そんな顔しない。冗談よ、わたしがそんな小難しいこと分かるわけ無いじゃない。
じゃあ気を取り直して、『コロムちゃんの花街マル秘情報♪〜コレであなたも夜の帝王☆〜』ってリーダー!速攻で却下しないでよ。
じゃあ、『リーダーの女装癖とそのケについて』熱く語り合いましょうか♪ってそれもダメなの。
もぉ〜しょうがないなぁ。それじゃあ、少し休憩しましょ。
わたしビスケット作ってきたからみんなで食べよ。

(一同ビスケットを口にほおばる)
ブホッ!!・・・ごめん、砂糖と塩間違えちゃった。テヘっ♪
 
あの日、太陽は静かに儂等を照らしていた
アラック [ 2002/04/30 11:54:08 ]
 儂等は一生の大半を暗闇の中で過ごすが、別に太陽の光を嫌ったりはせん。じゃがこう強い日差しの下を歩くのは、どうにも居心地が悪くていかん。儂は恨めし気に太陽を見上げると、腰に提げた携帯用缶から火酒を煽った。
「じゃあ今度アラックの番ね♪」
弾けるような声に振り返る。隣に今回の同行者である人間の娘(名前はなんじゃったろうか?)が居た。余計に気が滅入る。一体、この娘には"緊張感"というものが無いんじゃろうか?(確か”コラム”じゃったか?)
唐突に話を止めて最後尾に引っ込んでしまった青年を恨みの視線で睨むが、奴は肩を竦めて儂から視線を外しよった。
「わしの話なんぞ聞いても面白くはあるまいに。」娘から不満の声が挙がるが黙殺する「儂はアラック。見ての通りのドワーフ族じゃ。儂が初めて斧を持ったのは随分と昔の話じゃ。そう、丁度お前さん達と同じくらいの時分だったかの。事情は随分と違うが、やはりゴブリンどもが相手じゃった。」
そう、そう言えばあの日もこんな良い天気だった。うららかな太陽の下、儂等は殺し合った。濃密な血の匂いと土煙、口の中に広がる鉄の味、戦士達の怒号と断末魔の叫び。その光景は今でも昨日のように思いだすことが出来る。
急に胸が苦しくなって、儂は空を仰いだ。
「…?」
視界の隅に何か映るものがあった。丘二つ向こうから空へと伸びる一筋の…あれは煙じゃろうか?
儂は戦斧を持ちなおすと、同行者達を振り返った。

「マイリーの名に掛けて、お喋りの時間はお仕舞いのようだの。」
 
立ち上る煙
アルファーンズ [ 2002/04/30 17:04:36 ]
 チッ、なんだかんだでのんびりしてたけど、やっとあちらさんのお出ましか?
「行くぜ」
槍と楯を構えなおし、煙の方へ走り出す。
煙・・・村人が火を使って応戦してるのか?
まさかシャーマンがいるなんてことはねーだろーな・・・。
シャーマンも希少種、魔法を使えるとなるとこれまた厄介だ。
確か例のロードの話でも、シャーマンにはいろいろと手を焼いたって部分が・・・・・・ええぃ、やめやめ、見てもしないうちに嫌な想像するのは駄目だ、ネガティブにいってどーする!
「おらおらおらーっ、愛と勇気の冒険者アルファーンズ様一行のごとーちゃくだぜー!」
ゴブリンへの畏怖を断ち切るよう、無理矢理テンションをあげた叫び声を伴い、俺たちは未だ煙立ち上る村の畑へと躍り出た。
 
予想外の襲撃
コロム [ 2002/05/05 5:59:04 ]
 人々の叫び声と剣を打ち合う音が、ゆるんだ気持ちを引き締める。
畑の隅の農作業小屋は火に包まれ、もうもうと煙を吐き出している。
農道の脇に人が倒れていた。でも、わたしが行ったところで状況は変わらない。
「セレネド、あの人お願い!」
倒れている人のことをセレネドに伝え、指し示す。
そして、止まることなく走り続け、村の状況を見て『あれ?』っと首を傾げた。
そこにはゴブリンの姿はなく、あちらこちらで村人同士が熱心に剣の稽古をしていた。
な〜んだ、剣の練習か・・・あ、切られた。
あ、倒れた。・・・あれ?起きあがらない。
本物?!って事は片方は野盗かなにかなの。
状況が分からずあたふたしていると、村中に笛の音が鳴り響き野盗らしき人たちは帰っていった。
 
混乱
セレネド [ 2002/05/07 14:43:35 ]
 男の人が目の前に血まみれで倒れている。
木の焦げるにおいと共に血の鉄っぽいにおいが鼻につく。
ここまで走ってきたからという理由とは別に足が震えてくる。
いや、震えているのは足だけではない、手も、身体も、全身が震えている。
戦いがあることはわかっていたのに、そうなれば誰かが傷つくのは当然のことなのに・・・。
前に狩猟に付いて行った時に経験したものとは違う。
狩りと戦闘の違い、はっきりとは何が違うのか解らないけど確かに何かが違う。
目の前が真っ白になる、やけに思考がまとまらない。
僕は恐怖を感じている?僕は・・・

・・・!! 誰かに声をかけられ我に帰る。
そうだ、今は呆けている場合じゃない。
頭を軽く振って思考を落ち着けてから急いで応急処置を始める。
幸い見た目より傷は浅く内臓も傷ついた様子も無い、止血をしっかりしておけばすぐにどうこうなる怪我じゃない。
手当てを終え、改めて現状を把握しようと周りを見回した時笛の音が聞こえてきた。
どうやら戦闘が終ったらしい、僕は次の怪我人を手当てすべく倒れている人達へと駆け寄って行った。
 
嵐去って
アルファーンズ [ 2002/05/09 21:27:41 ]
 ・・・状況をつかめないまま、賊は逃げ帰った。
俺は応急手当なんてろくすっぽ出来ないから、そのへんは出来る奴に任せて軽傷で済んでいた村の戦士に近寄る。
「おい、これはどーゆー・・・」
俺が言葉をかけるなり、震える手で剣を構える村の戦士。
・・・マテぃ。
「マテコラ。俺はさっきもいったとーり、愛と正義の冒険者ご一行だと言っただろ。それに俺がそんな野党連中みたいな凶悪なツラに見えるか」
俺の顔を見て、ほっとして剣を下ろして一言。
「・・・なんだ、ガキか」
「ガキってゆーな!!」
間髪いれず俺の突込みが炸裂した。
仮にも村を救いにきた奴にその台詞はねーだろ。
「話にならねー。村長を呼べっ、俺たちはゴブリン退治って話でここまで来たのに、これはどーゆーことは説明してもらおうっ!」
無意味なほどの態度のでかい俺の台詞に、村娘があわてて村長を連れてきた。
さて、どーゆーことか順を追って聞かせてくれよ。
 
怪しい男
アラック [ 2002/05/16 16:55:18 ]
 ふん、なんとも面妖なコトになってきおった。
ゴブリン退治じゃった筈の雲行きがどうにも怪しい。大方食い詰めた野盗か何かが村を襲った、といった処なんじゃろうが。
その野盗どもも去り、既に戦場の張り詰めた空気は霧散しとる。
儂は首を巡らせ、村を見渡した。丘向うから見た煙はどうやら畑に火が放たれたんじゃな。少々燻っとるがもう鎮火されておる。あの程度なら今年の収穫に影響はあるまいて。
一体どういう事態になっとるのかが気になるところじゃが…。ふむ、向うでアル(なんとか)が村の住人となにやら話しとる。詳しい事情の方は良く口の回る若造に任せておけば何とかするじゃろ。
残りの二人は…村人の治療をしとるようだの。あれなら儂の手は必要あるまいて。
適当な木陰をを見つけると、地面に座り込む。腰から火酒の入った袋を外して少量を口に含んだ。強烈な刺激が喉を焼くが、これがいい。
ようやく一息つけたわい。
…それにしても、先刻のセレの坊主は駄目じゃ。戦場で一々竦んどったら命が幾らあっても足らん。後で一言云ってやらんといかんな。
ふと見やると、村の中央からしかめ面の男が何人かの若者を伴って此方に歩いてくるのが見えた。ふむ中々良い形の髭をしとる。しかし惜しむらくは少々短いな。しかも油の塗りすぎじゃ。やたらと立派な(あれは悪趣味じゃ)服装からすれば、あ奴が集落の長、といったところなんじゃろうが…しかし…

『おおぉ冒険者諸君!』

男の大声が広場に響き渡る。男は胸を張ると三文役者よろしく、酷く大げさな身振りでアルに一礼した。
ブラキの赤鼻に賭けて!なんなんじゃあれは?
 
野盗とゴブリン
コロム [ 2002/05/16 22:35:21 ]
 一礼した村長は物語を語るように現在の状況を説明してくれた。
退屈はしなかったが話が長かったので、重要なところを要約するとポイントは3つ。
一つ目は、この村を襲った盗賊は、蛇の街道付近で猛威を振るっている仮面野盗団で、最近ではこの辺にまで活動範囲を広げているらしい。
仮面をつけたデブの魔術師が首領で、その首には三千ガメルの賞金がかけられている。
二つ目は、その野盗団に村長の家の家宝が持って行かれてしまったとのことだ。
先先代の村長が貴族のお偉いさんにもらった銀製のコップだって言ってた。
三つ目は、コップを取り戻したら二千ガメルと言うことだった。

リーダー、甘い言葉に惑わされちゃダメよ。
野盗団に返り討ちなんて、わたしイヤだからね。
野盗団は他の冒険者に任せて、わたし達は最初の予定通りゴブリン退治だけをやりましょう。
 
史上最馬鹿の葛藤
アルファーンズ [ 2002/05/17 0:25:56 ]
 ほうほう、噂の仮面野党団の賞金はそんなにハネ上がってたのか・・・これはオイシイ話だな。
しかもコップも取り返せばさらに2000か、美味しすぎるぜっ。
「よーし、ゴブも野党もまとめて・・・」
「リーダー、甘い話に誘われちゃ駄目よ、ゴブリンだけね」
・・・。
なにっ、お前こんなおいしい話を逃すってゆー・・・ごほんごほん。
お前、俺は愛と正義の冒険者として、他人の家に勝手に押し入りあろうことか家宝まで持ち去った悪しき野党をまとめてぶっ倒してやろうという真心で言っているんだぞ、人助けだ、人助け!

「・・・野党いっぱい居たら勝ち目ないじゃない」

・・・・・・ぐあ!
くっ、危険を冒して大金(+人助け)か、安全に少しばかりの金。
どっちを選べばいいんだ、ラーダっ!
もちろん、俺は神の声も聞こえないし、むしろはそんな問いはチャ・ザに聞け。
 
危うきには近寄らず
セレネド [ 2002/05/22 22:51:29 ]
 一通り怪我人の手当ての手伝いを終えて皆の集まっている所に駆け寄っていくと、何やらアルファーンズさんが悩んでるみたいです。

成り行きを聞いた僕はコロムさんと一緒に盗賊団退治に反対しました。
「たった4人で盗賊団を退治するなんて無茶ですよ、しかも相手には魔術師もいるそうじゃないですか。」
確かにそれだけの報酬があればかなりの書物を手に入れられますし、いくら銀製とは言え2000もの価値が付くコップという物に興味も惹かれますが所詮コップはコップです、命には代えられません。
「ね、盗賊団は諦めましょう。数もわからない敵に向って行くのは無謀ですよ。ゴブリンと違って相手の実力も把握してませんし。」
 
断念
アルファーンズ [ 2002/05/24 22:18:04 ]
 ・・・チッ、しゃーねーか・・・。
冷静に考えれば、セレネドのゆーとーり、野盗連中の規模も分からなけりゃ実力も分からない。
加えて、こっちは4人、しかもマトモに戦えるのは3人。“癒し”も無しだ。
もし戦えば、結果は子供にも分かる。
残念無念だが、ここは断るほか道は無さそーだ。

「・・・ということだ、村長。俺たちには戦力が欠け過ぎている。俺も人助け(+金儲け)が出来なくて非常に残念だが、今回は俺たち、ゴブリンだけを退治していく。街に戻ったら、腕利きの連中にこっち来るように言っとくから、それで勘弁してくれ」

マジで残念そーな顔だっただろう、俺は。
しかし、横ではほっと胸をなでおろすコロムとセレネド。
・・・ちきしょう、こーなったらさっさとゴブリンを殲滅に行くぞ!
村長から、ゴブリンたちの巣穴を聞きだして、俺たちはいざそこへと向かうことに。
・・・・・・今回ばかりは、何もありませんよーに!頼むぞラーダ!(適当な祈りのポーズ・滅)
 
作戦
コロム [ 2002/05/26 5:04:08 ]
 「で、今回はどういう作戦で行くの?」
知識人が二人も居るんだからすごい作戦の1つも出てくるでしょ。
セレちゃんなんかある?せっきょてきに発言しないと出番無いわよ。
はい、リーダーはちょっと待っててね、あなたの発言は重要な位置にあるんだからもうちょっと待ってね♪
アラックさん、豊富な経験から何か良い作戦はありませんか?
え、わたしの作戦?無いからこうして聞いてるんじゃないの。
だってわたしって、かよわい乙女なんですもの♪
『かよわい乙女は戦斧なんて持ってない』
だれ?今変な事言ったのは、怒らないから正直に名乗り出ましょうね☆
 
経験からの学習
セレネド [ 2002/05/28 2:03:39 ]
 あう、コロムさんのあの声色は危険です。昔何度か僕が姉さんに簀巻きにされる直前に聞いたものとソックリです。
こういう時は兎に角話を流して話題を変えるものです。

「その、作戦はですね。えっと、巣穴の場所も相手の数もわかっていますから偵察でそれらを確認した後に奇襲で良いと思いますよ。
できれば見張りをこっそり片付けた後、煙で燻り出して混乱しているところを襲いたいですが、そう上手くは行かないでしょうから。
取り合えず細かい作戦を立てるのは偵察後、相手を確認してからでないと机上の空論にしかならないと思います。」

・・・ふう、何とか話題を作戦のことに持っていけました。あと出来るのは神に祈る事のみです。
 
突貫作戦零式
アルファーンズ [ 2002/06/01 9:34:50 ]
 「ふっ、何を言っているんだ、可愛いコロムちゃん?(にっこ〜)」
ふぅ、ヤバイヤバイ。迂闊なことはゆーもんじゃねーな。
とにかく、後回しなんて無粋なこといわずに俺にもしゃべらせろよ。リーダーなんてタダの肩書きなんだから、別に俺の作戦が気に入らなければ却下してもいいんだし。

セレネドの作戦は、面子と状況によっちゃいい物だ。
けどな、俺たちの中に十二分に偵察できるよーな奴はいるか?
まぁ、アラックのおっちゃんが確か野伏せの技術があったはずだけど、今はガチガチの板金鎧だろ。
邪魔になるからってそれを脱いで偵察なんかしたら、いざ戦いの時に鎧の装備が間に合わないって考えるのがフツーかな。いくら頑丈なドワーフでも、鎧ナシの戦闘ってのは避けたいからな。
そりゃ、偵察後、鎧を着る時間ってのを作ればいいんだけど、偵察が上手く成功するって保障は何処にもねーしな。
どーせ奇襲かけるなら、成功する可能性は無いかもしれねーけど、まず俺が見張りに巧みなゴブリン語で声をかけてやる。
どーやればゴブリンの気を引けるかなんてわかんねーけど、とにかく気を逸らすことが出来れば、後はコロムとアラックで一点突破、見張りをやっつければ万事OKだ。
あとは、怒涛のよーに巣穴に突貫して、各個撃破。ゴブリンの数が5,6匹ならこの名づけて「突貫作戦零式」でも十分だろ。

で、どーよこの作戦はっ!?
 
遅滞戦術
コロム [ 2002/06/06 18:37:07 ]
 良いと思うけどさ、気を引けなかった時点で乱戦決定じゃないの。
そうなったら作戦もなにも意味無いじゃない。
あ、そうだ、もし、リーダーの作戦が失敗したら罠に誘い込みましょう。
罠にかかって混乱してる所を叩けば、簡単に倒せるでしょ♪
こういう作戦の事を『痴態戦術』って言うのよね。
なんだかエッチぽい名前だったんで覚えてたのよ。
でもなんで痴態なのかしらね?
 
決行
アルファーンズ [ 2002/07/06 2:42:28 ]
 そりゃあ、気を引けなくて失敗すれば、それはバカみたいな行動・・・つまり痴態を演じてしまうからじゃねーか。
ともかく、作戦名はちょっち気にくわねーけど、しゃーない。それでいこう。
ちゃんと援護しやがれよ。

そしてゴブリンの巣穴。予定通り、見張りが一匹、退屈そうに突っ立っている。どこで手に入れたか、手には小剣まで持っている。
コロムたちは、罠は万全だという。アラックのおっちゃんの自信作だそうだ。
それを確認して俺は出来るだけ物音を立てないように、這って近くの茂みまで移動する。
よし、じゃあ早速・・・。
・・・そーいや、ゴブリンの気を引くにはどんなことを言えば良いのか全然わかんねぇ。
ここはやっぱり「助けてくれ」とかか?いや、助けるために仲間を呼ばれても困るよな。
じゃあ「暇なんだろ、こっそり飯でも食うか」的なことをゴブリン語で可能な限り訳し語りかけるか?微妙だな。
・・・ゴブリン語はわかっても、心情やらまでわかってたまるか!
こうなったら痴態でも何でもさらしてやる。
俺がやられて一番ムカつき、飛び掛っていくだろう言葉。
思いっきりゴブリンへの怒りやら憎しみやらの感情をこめて、口汚くゴブリン語で罵ってやった。
つまりは、悪口。
こんなことでいいのか、俺っ!あとは罠の効果を信じて運任せだな・・・5,6匹程度なら無理すりゃなんとかなるだろうし。
悪口を叫ぶと同時に、俺は身を潜め槍と楯を構えた。
 
人質
コロム [ 2002/07/07 5:58:04 ]
 挑発に乗った見張りのゴブリンをリーダーの槍が襲う。
それを合図にわたしとアラックさんが飛び出していき、仲間を呼ばれる前に見張りのゴブリンを倒す事が出来た。
洞穴の入り口にとり付き中の様子をうかがうと数匹のゴブリンが眠っている。
その中の一匹が起き上がり、眠そうな目をこすりながら外に向って歩いてきた。
入り口の所でわたしとアラックさんの戦斧を受け、眠そうなゴブリンは人生を終えた。
そのまま勢いに乗って洞穴に突入する。セレネドだけは外で待機している。
騒ぎに気がついて起きようとするゴブリンを踏みつけ、そして頭をカチ割る。
2匹目に移ろうとした時、他のゴブリンよりもでかいゴブリンに、後ろから首を絞められ羽交い締めにされた。
首の締め付けは苦しいが、死ぬほど苦しいと言うわけではない。
どうやらわたしは人質になってしまったらしい。
唯一の救いといえば、残りのゴブリンがリーダーとアラックさんの迅速な行動のおかげで、わたしの後ろの一匹だけになってると言う事かな。
 
交渉?
アルファーンズ [ 2002/07/08 21:44:09 ]
 俺はゴブリンの胸を貫通させた槍を引き抜き、血で曇った銀の穂先から血糊を払う。
後ろを振り返ると、コロムがでかいゴブリン・・・多分ホブゴブリンにつかまっていた。
くそっ・・・油断した。
さすがに人質を取られていては、こちらも手の出しようが無い。
「くそっ・・・『そいつを放せ。何が望みだ』」
俺は槍と楯をほうり捨て、ゴブリン語でたずねる。
仲間を殺されたゴブリンに、何が望みだと問うのも場違いのような気がするが、生憎と俺が知っているゴブリン語で交渉用に使える言葉はそれしかなかった。
俺は後ろからそろそろとスリングを手に近づいてくるセレネドを察すられないように、慎重に交渉・・・のようなことをはじめた。
 
不意打ち
セレネド [ 2002/07/09 1:06:09 ]
 早鐘の様に響く鼓動を無理矢理押さえつけながら、僕はゆっくりとスリングを回し始めました。
今までは全く気付きもしなかったスリングが風を切る音が、今は随分大きく聞こえる気がします。
幸いにもゴブリンはアルファーンズさんに向って何事か喚き散らしてる為、こちらの事に全く気付いた様子はありません。
狙いを付けつつゆっくりと距離を縮めていき・・・
当って!
スリングから十分な勢いを得た石が飛んでいくのと、気配に気付いたのかゴブリンがこちらを振り向くのが同時でした。
 
災い転じて・・・
コロム [ 2002/07/11 1:45:22 ]
 そのゴブリンがスリングの攻撃から身を守るためにとった行動は、わたしを楯として使うと言うものだった。
不意に体が浮き上がり、迫り来る弾丸の直撃をお腹に受けた。
込み上げる情熱・・・誰かがそんな事を言っていたのを思い出した。
わたしを楯として使ったがために、ゴブリンはバランスを崩していた。
その隙を見逃さなかったアラックさんが、わたしを捕まえているゴブリンの腕に強烈な一撃を叩き込んだ。
わたしは解放され地面に倒れ込んだ。
そして、自分の無事をアピールするかのように、胃の中の物を全て吐き出した。
 
忌まわしき記憶
アルファーンズ [ 2002/07/11 21:47:10 ]
 ドクン・・・ッ。
コロムが楯にされた瞬間、心臓の鼓動がやけに大きく聞こえた。
目が見開かれる。
脳裏をよぎる、忌まわしき記憶。
赤い色。真白い服を染め上げた赤。大地にしみこんでいく赤。
急速に命の炎の色を奪っていく。一瞬だけ苦痛に歪み、それからは笑顔で。最後の最後まで笑顔で。ただ一言、ごめんねとつぶやく口元。
俺の脳裏を瞬時に駆け巡ったビジョン。メリルを失った瞬間。
「うあ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!!」
俺は声にならない絶叫を上げ、槍をつかんだ。
そして、コロムを開放し、アラックに痛めつけられた腕を抑える妖魔に襲い掛かる。
死ね死ね死ね死ね死ねっ!
俺はもう仲間を失いたくは無い・・・俺の仲間を殺した妖魔めっ・・・殺すッ!殺す殺す殺す殺す殺す殺すッッ!!
自分はすでに、ゴブリンにとっての仲間を殺している。その時点で言えた台詞でないのだが、爆発した感情はすでに抑えきれるものではなかった。
所詮は妖魔、所詮は下等な生物、所詮は卑しく邪悪な生物。
俺の感情はヒューリーに取り付かれたかのように荒れ狂い、すでに事切れた妖魔の体を滅多刺しにしていた。
我に返ったときには、アラックに羽交い絞めにされ、荒い息をついたセレネドに槍を取り上げられていた。
「・・・ッ!」
何かを叫ぼうとして、コロムの体が目に入る。・・・そうだ、今は仲間内でもめている場合じゃない。
吐瀉物に血が混じっているが幸い、息はあった。だが内臓にダメージがきているかもしれない。急いで俺はコロムを担ぎ上げる。
「・・・わりぃ・・・でも、今のことを咎めるなら後にしてくれ。ともかく、運ぶぞっ」
そして、村へ戻る道を駆け出した。
 
ユラギ
セレネド [ 2002/07/12 21:16:34 ]
 ラーダ様、どうか応えて下さい!
どうか力を貸して下さい、コロムさんを助けられる力を、僕の過ちを償える力を!!

ぐったりとしているコロムさんを背負ったアルファーンズさんの後に続き、村に向っている間僕はラーダ神に呼びかけ続けました。

何故、何故僕の呼びかけに応えてくれないのです!
何がいけないのです、何がっ!!
仲間を救うための力も貸してくれないのですか?

・・・ナンノタメニ・・・アナタハイルノダ・・・
・・・ナンノタメノ・・・シンコウナノダ・・・

!!
ほんの一瞬、心の奥底に微かに浮かんだ思い
とても恐ろしい思い
僕はなんてことを考えているんだ・・・
僕は・・・

僕は村に着くまでに何とか僕の中で生まれた黒いものを心の奥底に封じ込めた・・・
 
診察結果
コロム [ 2002/07/18 4:19:45 ]
 しばらくの間お腹の痛みに苦しんだが、その痛みも徐々にひき始めている。
村につく前に痛みはほとんど無くなったけど、背中の上は楽珍だから村につくまで黙っている事にした。


いつのまにか寝てしまったみたいで、村につくとリーダーとセレネドが大騒ぎをして、もうだいじょうぶだと言う機会を逃してしまった。
村のお医者さんがきて、診察の為に私の服を切ろうとしている。
「ちょっとまってよ!」
わたしが突然目を覚ましたので周りにいた人達は驚いていた。

診察の結果、お腹に青あざができただけでとくに異常はないと言う事が分かった。
 
黄昏
アルファーンズ [ 2002/07/20 1:51:58 ]
 日が傾き、景色も黄昏色に染まる頃、オランの門を4人の影が通り抜けた。
勿論、俺たち4人だ。
俺の腰にはずっしりとした重み。報酬の詰まった皮袋だ。
あの後、村長と村の男数人を連れてゴブリンの全滅を証明し、ようやく長いようで短かった妖魔退治も幕を下ろしたのであった。
「で、今から打ち上げでもやんない?」
すでに元気を取り戻したコロムが明るくそういう。まったく、あれほど心配した俺がバカみてーだ。
「ほっほ、いいのぉ。ワシは賛成じゃ」
アラックも大きな声で笑い、同意する。
「ええ、いいですね。初仕事の後の冷えた飲み物はさぞ美味しいでしょうね」
セレネドも乗り気のようだ。
「・・・あ、わりぃ。俺は辞退しとく。報酬の分け前は、セレネドにでもわたしといてくれ。神殿にでも取りに行くから」
俺は皮袋をコロムに押し付け、もう一度詫びてから通りを駆け出した。
向かう先は、マイリー神殿の共同墓地だった。

・・・メリル、今回は無事に帰ってきたぜ。
今日はぐっすり眠れそうだな・・・。
 
うたげ
コロム [ 2002/08/25 9:47:29 ]
 いくつかのアクシデントに遭遇したけど、結果よければすべてよし。
反省する点は色々あるけど、ま、いっか♪
「今夜は楽しみましょう♪」
アルファーンズを見送った後、わたしはアラックとセレネドの手を引いて走る。
ずっしりとした重みの割に、たいした額が入っていない皮袋を持ってわたし達3人は夜の酒場に繰り出した。
 
(無題)
管理代行 [ 2004/11/27 4:19:56 ]
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