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ケイナの谷へ
あらすじ [ 2002/04/08 3:35:27 ]
 冬も終わり、冒険者たちが遺跡へと動き出す頃。
レックス東部にある、ケイナの谷と呼ばれる遺跡へと出発する人間たちがいた。

戦士シタールが持ち込んだその話に乗ったのは、シタールを含めて7人。
シタール、ライカ、カレン、ラス、フォスター、ロビン、ルギー。

入り口付近や、浅い層は荒らされているものの、まだ誰も最深部へと到達したパーティはいないという。
一説には、地下10層まであるとも言われている「ケイナの谷」。
さて、今回はどこまで……?
 
微妙な人間関係
ラス [ 2002/04/12 2:19:58 ]
 シタールに誘われた遺跡、ケイナの谷。
カレンの仕事の都合で1ヶ月ほど遅れたが、ようやく出発。
遅れた分、いろいろと資料も集められたし、体が鈍ってたのも稽古で解消できたし、結果オーライ。

……と、思いきや。出発の遅れとは全然関係のないところで何やら問題が進行中らしく。
最初、シタールに言われた時は、さほど気にならなかった。
が、そうと思って見てみると……確かに気になる。
ルギーとフォスターが……何だか微妙な…(汗)

ルギーを捕まえて話を聞いてみると、どうやら魔術師が苦手らしい。
確かに、フォスターだけじゃなくてライカともあまり話してない様子だったよな。
魔術師嫌いの理由も聞いてみる。渋るかと思ったが、案外あっさりと話した。
その理由とやらを聞いて…聞かなきゃよかったと後悔した。
自分の身内から自分じゃない奴の名前で呼ばれるなんてことは…そんな話を聞いちまえば、俺は口出しできなくなる。
フォスターやライカとぎくしゃくしてるのを見ても、そういう事情なら仕方ねえかと思っちまう。
20年以上も前のことを今更、思い出しちまうから、俺はあいつらには口を出せない。

……とは言え、やっぱり妙な雰囲気なんだよなーと思うから、別の手段でどうにかしようかと。
そう思って、周りを見ると、シタールはライカを気遣ってるし。
ルギーとフォスターは…アレだし。カレンは……前の仕事の疲れが残ってるのか、普段に輪を掛けて無口だし。
ということで、この雰囲気に気づいているのかいないのか、普段通りのロビンを相手に、いつも通りのやりとりをすることに。
ロビンもやっぱり気づいてたのか、いつも以上にノッてくる。
……俺たちって意外と苦労性かもな…(謎親近感)

そうすると……今度は、カレンが俺とロビンの仲まで気にし始めやがった。
いや…ちょっと待て。俺とロビンはいつも通りだろ。っつーか、いつも通り過ぎるだろ。
ルギー達の雰囲気を気遣ってるせいで、神経過敏なのか……いや、待て。だからって、俺に絡むなっ!
 
起死回生の打開策?
シタール [ 2002/04/12 22:50:03 ]
 ルギーとフォスターの相性が良くないと感じたのは、二月程前ぐれえか。

カレン抜きで顔見せをした時に、フォスターがルギーの杯にワインをつごうとした時にそれを妙な態度で拒んだのである。
その時は「もう飲みたくねえのか?」って位しか感じなかったのだが、その時に気付いていればそれなりの対処は出来たかもしれねえ。

フォスターに先に聞いてみると「自分の昔を見ているようで突っかかってしまう。」とのこと。
まあ、これはわからんでもないがそれにしては大げさになってないか?

なーんか、ラスが事情を知ってるようだが話したがらねえ・・・。
それは奥が根深いというか心の傷に関する事って証拠だな。
それなりにつき合いも長くなってきてるのでそう言う事もなんとなくだけど分かってきた。
なんか、カレンともそれでぎくしゃくしてるようだし・・・ここはいっちょ俺が動くとするか。

んで、ルギーと話したんだが・・・「魔術師が苦手。」これがフォスターを避ける理由らしい。
そう言われっとライカとも喋ってなかったよな・・・女が苦手だけかとおもってだが・・・それが原因ってワケか・・・。

スッゲー先行き不安だな・・・おい。
こんな状態で、遺跡潜るなんて俺は嫌だぜ。

なぜなら、穴熊は利害関係の一致だけで遺跡に潜るがが、その場限りとは言え「信用」を置けない人間とは潜らないのが鉄則だ。
そして、今のルギーはライカとフォスターを信用出来てねぇ。
こんな状態で潜っていい結果が産めると思えなしな・・・むう・・・
かといってルギーを抜くのも・・・どうよ?(悩)

ちょっとした、情報不足で遺跡潜るまでに3日程の間が出来たつっても、現状でちょっとした話し合いでどうになるとは思えねえしな・・・

・・・3人で徹底的に交流して貰うか・・・それしかねえ・・・うん。

・・・と言うわけでロビン。今日から俺とお前が相部屋だ。
あっちの部屋でルギーとフォスターとライカで生活して貰う事にする。
あちらへの干渉は極力避けろ。・・・いいな?
 
同室生活
ルギー [ 2002/04/13 11:09:46 ]
 『魔術師じゃなくて「一個人」としての二人を見てみろ』
そうシタールに言われて、出発が延期したこの三日間、フォスターとライカと同じ部屋で過ごすことになった。
昔から『魔術師』は苦手だった、兄貴を思い出すから、兄貴が死んだ事実を受け止められなくて、狂った母親を思い出すから。
しかしここまで『魔術師嫌い』が酷くなったのは、兄貴の死因の真実を聞いてからだと思う。
一人の魔術師の身勝手な思いのために………………。

しかし、だからといって魔術師全部がそういう奴ばっかって訳でもねぇ、それはわかってるつもりなんだが、どうしてもギクシャクしてしまう。
だからこれは確かに良い機会だ、今後『魔術師』に対してもその先入観を打破するきっかけにもなるだろう。しかし、実際同室になって思う。

いざこの二人を目の前にして、一体何を話せと?

シタールとライカはどうやって出会ったとか、……どっかの噂好きのおばさんじゃあるまいし。
芸術神の信仰話、………いや寝る、絶対寝る、寝ちまったら打開どころか更に険悪になるだけだろが。
カレンとラスって組んでどれぐらいなのか、……んなもん本人達に聞けって感じだな。
ラスとロビンっていつもああなのか、……今人の事言える立場じゃないです、はい。
自分の話しでも……、聞かれもしねぇのに自分から話すのって、なんか、アホじゃねぇ?

あまりに口を聞いていなかったのと、陰険漫才だったために、いざ普通に話しようとすると会話内容が思い浮かばねぇ。
しかもどちらかと言うと、単体で話すより、同室なのだから二人に共通する話題のほうがイイに決まってる。
共通、遺跡とか………………………………『魔術師』とか………

『魔術師として』の話はあまりに聞きたくない、こいつらが選んだ道を否定するようで悪いが、聞いてて俺が穏やかでいられる自身がない。
そうだな、遺跡だ、遺跡の話、これから潜るんだし、経験者達にいろいろノウハウ聞いて、せめて知識で経験不足を少しでも補えるように。
そういやバシリクスとか随分と物騒な単語が出てきてたし。

苦手だからって、自分から話しかけようとしねぇのも問題なんだよな、たまにはこっちから話しかけよう。

そう思ってライカのほうを見る、………ご機嫌斜めっぽい。
いや、いきなりこんな事になったんだし、機嫌損ねるのも無理ねぇ話だよな……つーか、怖くて話しかけれねぇです。
だったらと思ってフォスターの方を見る、………………なんだ?やけに、なんと言うか、爽やかな笑顔を浮かべてらっしゃるが……
いっそライカのように、不機嫌そうな顔されたほうが、まだ想像がつきやすい………。

…………フォスター、俺さ、おまえのその笑顔が凄く怖ぇよ…………
 
同室生活・2
ライカ [ 2002/04/13 19:13:16 ]
 「ルギーとフォスターの関係修繕のためなんだ。今は理由を俺の口から言う事が出来ねぇ」
「解決後にはちゃんと全てを事情話すから、何も聞かずに頼む」

 買い物を終えて宿に帰るなり、自室にはシタールがいて、んで、フォスターとルギー(すでに呼び捨て)の部屋に移れといわれた。
 もちろん、思いっきり問い詰めたけど、上の台詞を吐くばかり。とりあえず無性に腹が立ったので、

「わかったわよ。三日間一緒にいればいいんでしょ。それまで聞かないわよ、ええ何も!」

 と怒鳴って、ついでに杖で一撃してから部屋のドアを蹴り開けた。
 しょうがないじゃない、杖と買い物袋で両手ふさがってるんだから。


 ……シタールはたぶん本気でルギーとフォスターの仲を心配してるんだとは思う。
 馬鹿がつくくらい義理人情に厚いやつだし。
 実際あの二人がなんだかぎくしゃくしてるというかむしろ険悪というか、そういう感じはしてたし。
 だから、二人を同室にして…と彼なりに考えたのだ、と思えないこともない。
 だけどなんであたしまで一緒じゃないといけないのよもう!(謎切れ)
 あの馬鹿は義理人情には厚いけど、デリカシーとか気遣いとかそういう言葉には無縁だわね。
 ……しばらく口きいてやらないから。

 ……そこでちょっと気がついたんだけど、ルギーってわたしにも話しかけてきたことないのよね。
 最初は無愛想だなぁとか、無口だなぁ、程度に思ってたし、そういうのはカレンで慣れてるんだけど。
 …いくら無口でも、カレンはしゃべるものね。必要なこととか、そうでないこともたまーに。
 …………なるほど。つまりはそーゆーことね。


 んで、しばらく一緒の部屋にいて、買ってきたものの整理とか荷物の整頓とかしてたんだけど。
 部屋が妙に静か。静かすぎ。
 聞こえるのがわたしの荷物の音だけって…。
 …………………………。

「……そこの二人。下に下りなさい。食事に行くわよ。…うるさいわね、行くったら行くのよ!」

 …怒鳴ってから、「逆効果になりませんように」とちょびっとだけ後悔したけど。
 おなかすいたのは事実だし、このまま部屋でずーっと三人黙ってるわけにも行かないものね。
 
仲裁役?
A.カレン [ 2002/04/13 23:26:56 ]
 ちょっと気持ちに余裕がなかったらしい。ぴりぴりしてラスに絡んだ。
仲間内が少しくらいギクシャクしてたって、普段はそれほど気にしないんだが。
……疲れかな?

次の日に、情報収集と気分転換にパダの街中を歩き回る。
小さなチャザの教会があった。
…………寄る。

気分を落ちつけて、宿に戻ってくると、ちょうどライカがフォスターとルギーを引き連れて部屋から出てくるところだった。……機嫌が悪いらしい。ルギーはなんだかおどおどしてて、フォスターはすこーし笑みを浮かべていた。
…………何があったかわからない。
いや、それより、何故ライカがこの二人と同じ部屋から出てきたんだろう?
シタールと一緒じゃなかったか?

とりあえず、部屋に戻って、事情の説明をラスに請う。
……ああ、なるほど。フォスターとルギーの人間関係改善ね。
それに何故ライカが? と訊くと、ラスは黙った。
黙る理由はなんだ?
言いにくいことなのか……。
しばし考え、思い当たる理由を言ってみる。

「もしかして、ライカが仲裁役?」
 
干渉役
ロビン [ 2002/04/15 1:54:03 ]
 ふむ。隊列はこんなカンジか。よし、斥候は俺に任せろ!殿は任せたぞ、シタール。
ところで、なんで急に部屋割り変わったんだ?


ふむう、そういうわけか。そこまで事態は切羽詰っていたとは・・・。
よし!折角の機会だし、ここは俺が「馬鹿野郎!こっちは命かかってんだ!そんな私情は捨てちまえ!」とか熱く恰好よく決めてくるか!(早速干渉)
いや待てよ。
「なあ、俺とラスを観てみろよ。いくらウマの合わない奴がいたとしても、一度組んだからには信頼を崩すような真似だけはしちゃいけねえ」とか話の分かる大人っぽく決めた方がいいかな?
なあシタール、どっちが・・・ってコラ!離せ!なにをする!!
 
遺跡出発前夜。そして翌朝。
ラス [ 2002/04/18 2:30:00 ]
 3日間、情報収集のためとは言え、時間をおいたことで好転したことが、とりあえずひとつ。
カレンがいろいろと落ち着いたらしく、いつも通りのあいつに戻ったことだ。
もう落ち着いたというなら、俺からは何も言うことはない。

「あいつらもこれくらいあっさりしてりゃいいのに」と、カレンが呟いた。
あいつら…ルギーたち3人のことだな。
全くその通りなんだが…ルギーの気持ちはわからなくもない。

フォスターはおまえの兄貴でもないし、兄貴が死ぬ原因になった魔術師でもない、とか。
ライカはおまえを兄貴の名前で呼び続けた母親じゃない、とか。
全ての魔術師を恨みつくせば、兄貴が生き返るわけでもないし、母親が治るわけでもないとか。

そういう説教はなんだか正論過ぎて…。
そんなことは百も承知なんだと言われちまいそうだよな。
……っつーか、説教する前に手を出しそうだよな、俺だと。
口出し出来ないとか何とか言ってたけど…もう出発って段になってもあの状態なら…口か手か、どっちかは出ちまいそうだ。いや、どっちも出るかもだけど。

そんなことを思いながら夜は更けて。

そして翌朝。朝メシにと部屋を出た俺とカレンを見て、シタールが少し首を傾げてた。
「こいつら、ぎくしゃくしてなかったか?」と、あからさまにその顔に書いてある。
…ま、こんなもんだよ、俺たちは。
口には出さずに、シタールの肩を軽く叩く。奴もそれで了解したらしい。…通じやすくて何よりだ(笑)

さてと…あいつら3人のほうは、どうなったかな。
 
当事者 〜少し時間は遡り〜
フォスター・G [ 2002/04/19 5:39:30 ]
 部屋でも沈黙。食事時も沈黙。出先から帰れば、軽い嫌味をちくりちくり。
同室になってからの、僕とルギーさんとの交流は、概ねこの文章で表せるものでした。

・・・いけない。はっきりいって、いけません。

ルギーさんは下位古代語も読解できるなど、結構な学識をお持ちのようですし、吟遊詩人としてヴェーナー神も信仰されておられます。
その辺りを会話の糸口として、何とか突破口を開いて行こうと試みては見るものの、
僕の口をつくのは、沈黙と似合いもしない嫌味ばかり。
反対に自己嫌悪に陥りそうですね、これでは。

「フォスター、何と言うか、今の貴方って・・・似合わないわよね、何だか」
そうこうしている内、ライカさんからこんな言葉をかけられました。
え? と鸚鵡返しに私に、
「だって、前の貴方って分かりやすかったじゃない。今の貴方は分かりにくいのよ」
と、率直な意見を述べてくれました。

確かにそうでした。
妹辺りが見たら爆笑するぐらい、今の僕は僕らしくない。
ラスさん風に言うなら、キャラが違うという事でしょうか。
歴史は人の行動の結果、生まれ出るもの。ならば、自分の意志で運命を決めていかねば、ヴェーナー神の使徒としても、一個の冒険者としても失格です。

そして、遺跡へ向けての情報収集もある程度終わった夜。
僕が持ち込んできた羊皮紙の束を見て、ルギーさんは目を丸くしました。

「・・・なんだそれ?」
「学院からや神殿から集めてきた、今回の遺跡に少しでも関係しそうな資料です」
「・・・まさか、それ全部読むとか?」
「勿論です(きっぱり)。遺跡へ潜る以上、万全というものはありませんからね」
「さすがは頭脳派。字を読んでれば幸せって訳か」
間髪居れず嫌味が飛んできますが、気にしません。

この資料、勿論、念を入れた情報収集の為でもありますが、
それ以上に、遺跡に対する知識を少しでも頭に入れておいて欲しい。
そう思い、寓話や詩歌に関するものを多く仕入れてきました。
この類なら、ルギーさんにも親しみ易く読んで貰えるでしょうし。

これも嫌味と取られるかもしれませんが、もう細かい事は気にしません。
自分の出来る事から、少しずつやっていくのみです。

――その夜、意外と話が弾みました。
 
資料集
ルギー [ 2002/04/19 18:22:01 ]
 フォスターが持ってきた大量の資料を見て、絶句。
読みものをする事はけして嫌いではないが、これはその範囲を超えてるだろ。
「なんでしたらルギーさんもどうですか?」
つい口から出てしまった嫌味の言葉を受け流され、帰って来たのはこの返事。
遠慮したいが、しかし、ここで断るのも、また嫌味の飛びあいになりそうだし、せっかくだし、一つぐらいは。
つーことで、フォスターがまだ手をつけていないのを山から引っ張り出してみてみる。

…………って、これ…………詩話?
なんかよく見てみると、微妙に俺が好きそうなジャンルが……(目が輝きだす)
あ?あ、読む読む、それも見る(すっかりはまっている)

そういや兄貴も、実家に帰ってくる際こうやって詩話とかもって帰ってきては俺に見せてたっけなぁ………


「ねぇ、あんたたち、いつのまに仲良くなったの?」

シタールと出掛けていたライカが帰って来て、そう突っ込んでくるまで、もう普通に話していること自体にも、俺は気がついていなかった。

で、フォスター、おまえなんで笑ってるの?


 
前夜
ライカ [ 2002/04/21 4:06:27 ]
  必要な荷物を念入りに調べて、とりあえず足りないものを買いに出かける。

「あの…ライカさん。まだ怒ってます?」
 怒ってなかったら荷物持ちなんかさせない。


 で、部屋に戻ると、卓には、遺跡の資料らしい羊皮紙の束。
 んでもって、ごくふつーに話してるフォスターとルギー。

「…あんたたち、いつの間に仲良くなったわけ」
 荷物を整頓して、そう尋ねるまで話に夢中。

 …いや、いいことなのよね。いいことなんだけど。
 ……無駄に気を回したわたしって何?
 よくみたらフォスター笑ってるし。いや、この笑みはきっと別の意味なんだろうけど。


 正直な話、腹が立った。わたしがいないほうが話が進むんじゃないのよ、と。
 …まぁ、八つ当たりだけど。
 腹立ち紛れに、ぱし、と卓の上の山から羊皮紙の束の一つを奪い取る。
 本の書写、詩歌の断片、寓話…ふぅん、資料集めには気を使ってるみたいじゃない。
 おそらく、これなら興味を引くと思ったわけね。

 …………。(←読んでいる)
 …あ、そっち見終わったなら見せて。わたしそっちまだ見てない。


 …………気がついたら、腹を立てたのも忘れて没頭。
 何よ、ずっと黙ってたから今までわからなかったけど、意外と面白い奴等じゃない。
 すべてが解決したとは思わないけど、まぁ一応いい方向には向かった…かしら。


 まだ話が盛り上がってる二人に、「明日があるから」と言い置いて寝台にもぐりこむ。
 明日はいよいよ出発。


「…あんたたち、うるっさいわね! いい加減寝なさいよ!」
 
とりあえず出発。そして石蜥蜴対策。
ラス [ 2002/04/29 1:53:35 ]
 階段を下りて、宿の食堂へ向かう、俺とカレン、ロビン、シタール。
俺たちの目に映ったのは、妙に意気投合して、羊皮紙を交換しつつ読みふけるフォスター、ライカ、そしてルギー。

………………なるほど。
「俺の熱い説得が伝わったんだな」と頷くロビンは放置して、とりあえず朝メシ。

準備も済んだ。情報も集まった。そしていつのまにか、「問題」も片づいた。
んじゃ、とっとと潜るとするか。


支度をして、遺跡へ向かう。
…と、やっぱり気になるのは、バジリスクがうろついてるらしいっていう噂。
そしてその噂はどうやらマジらしいとの裏付けもとれた。どうせならガセだっていう裏付けが欲しかったけど。
バジリスクがうろついてる区域を迂回すれば、通らざるを得ないのがボーン・リバー。
そうなると今度は、バジリスクの代わりに骸骨戦士がうろついてるとか何とか。………うぜぇ。

バジリスクはどうやら小型種らしいという情報はあるが…小型種がケイナの谷近辺をうろついてるとなれば、外にいないからと言って安心はできない。
バジリスクがのそのそと谷の中に潜り込んで、あげくに中で鉢合わせ…なんて言ったら逃げる場所もねえ。

迂回するルートに、“コリエルの石棺”という遺跡があったことをフォスターが調べていた。
あった、と言うのは、そこはすでに荒らし尽くされた遺跡だからだ。
石化の魔獣創造をメインに研究してたコリエルってぇ魔術師の館だったらしい。
そこでは、石化能力を持った魔獣を閉じこめる鏡の実験室があったとか。
ケイナ近辺をうろついてるのが、そこから逃げた奴なのかどうかは知らない。
知らないが、実験室の壁に使われてた鏡なら、石化の能力もどうにか対応できるのかもしれないと。

……どうせ迂回はしなきゃならねえ。それならついでだ。
何の策もなく突っ切るよりはマシだろうと、やや南寄りに…“コリエルの石棺”の近くを通ることに。
ヒビの入った鏡の中で、出来るだけ大きなカケラを探す。
……ま、出会わなきゃそれに越したことはねえんだけどな。
 
鏡よカガミ、かがみさん
ロビン [ 2002/05/07 2:41:49 ]
 “コリエルの石棺”近くで手頃な鏡を探す。粉々に砕けた鏡を踏みしめるとジャリジャリと音がする。ちょっと楽しい。しかしこれじゃ座って休憩もできねえな。さっさと探しちまおう。

ん、人影?いや、石像・・って、コレ、アレかよ!
一目散で物陰に隠れる俺達。
・・・・。・・・・。・・・・。・・・・よし。この近くにはいないようだ。

あ、この石像さん鏡持ってるぞ。
慌てて構えようとしたのだろう。その表情は驚きと困惑に満ちている。
同じような事を考えたやつは他にもいたってことか。これ以上探しても無さそうだし、この鏡を借りることにしよう。
 
ケイナの谷〜入り口近辺〜
A.カレン [ 2002/05/07 22:37:02 ]
 警戒して、鏡まで手に入れて進んできたが、俺達はあっけないほど簡単にケイナの谷を視界におさめることになった。
「……バジリスクは?」
「遭わなかったな」
「住処を変えたんじゃねーの?」
「運がよかっただけでしょ」
「鏡……」
「帰りに使うかもしれないですよ」
「それよか、ここだよな。目的地は」
輪になって地図を見ながら、位置を確認することしばし……。
間違いなくここがケイナの谷だ。
ということで、早速近辺の捜索にはいる。


…………
足先に違和感を感じた。
床っつーか、地面が脆くなっている部分がある。危険な部分を地図に書きこみつつ、迂回しながら安全な場所を確認していく。
……背後が賑やかだ。
ラスとロビンが何か言い合っているらしい。
っていうか、そこ、脆くなってる場所じゃ……。
声をかけるまもなく、ラスとロビンは地面に姿を消した。二人を助けようと、とっさに手を差し伸べたシタールも一緒に。
離れたところで、羊皮紙片手に議論を交わしていたライカ、フォスター、ルギーが、血相を変えて駆け寄ってくる。
崩れた地面の下を覗いて見ると、3人がうめきながら転がっていた。

……いや、3人の他に、そこには何かいるらしい。
気配がする。
一階層目を調べ上げる前に2階層目に落っこちた3人に迫るモノ。
……あれはなんだ?
 
異形の物
シタール [ 2002/05/09 16:40:25 ]
 落ちた2階層には鶏冠のついた大きな蜥蜴がいやがった。…バジリスクだ。
フォスターが言っていた最悪の予想が見事に的中しやがった。

「…や。やあ。」と思わず言いそうになる。
いや、ホント人間って、こう言う瞬間に弱えな…まじで。
弱いつっても、このまま放心していたらこっちがやられちまう。
「やられる前にやる。」先手必勝あるのみよ。

それに話に聞いていたよりもずっと小さいし、攻撃どころか動きもしてこねえ……うん?
………なんか、こいつの鱗って妙に金属っぽいつやがねえ?
それに目が虚ろだし………。

「おい。こいつ…生き物じゃねえぞ。…魔法生物っぽいぜ。」
 
イメージトレーニング
ラス [ 2002/05/10 1:32:19 ]
 「もしもバジリスクに出会ったら、闇の精霊を使って気絶させるほうが早道かもしれませんね。ラスさん、闇の精霊さんとの相性は?」
出発前に、バジリスクのことをいろいろと調べて、最終的にフォスターはそう言った。

もしも出会ったら…の後を、頭ん中で何度もシミュレートする。
咄嗟に動けなきゃ話にならねえし。
武器で斬りつけりゃ、その血には毒がある。ってことはやっぱり魔法か。
……会ったらシェイド会ったらシェイド会ったらシェイド……(ぶつぶつ)←子供のお使い状態


遺跡に着いて、なんだここの足元は随分と脆いな…と、気づいた瞬間には落ちていた。
これは誰に八つ当たりしようかやっぱりロビンかと、そう思いながら体勢を立て直した次の瞬間には、目の前にあるシタールの背中に緊張が走る。
舌打ちをして、シタールとロビンが剣の柄に手をかける。
それより一瞬早く、俺は詠唱を始めていた。
よし。イメージトレーニングの成果!

シェイドへの呼びかけが終わる頃。妙なことに気が付いた。………生き物の“気配”がしない?
「魔法生物っぽいぜ?」
シタールの呟きも同時に届く。
ああ、言われてみれば。正も負もひっくるめて、生命の力そのものを感じない。

ん〜……ひょっとして…ガーゴイルと同じパターンか?
ほら、何もしなければ石像のままで、攻撃仕掛けたら、仮の命が宿って攻撃してくるとか…そういうの。
あ〜…なるほど。…うん、了解。
ところでさ。さっきの、シェイドへの詠唱……とっくに終わってんだけど。

「……わりぃ。攻撃しちまった…かも」
 
はなればなれ
ロビン [ 2002/05/16 0:44:53 ]
 へっ、バジだろうが魔法生物だろうがあっちは小っこいのが一匹。こっちは三人、鏡さん付きだ。フクロにしてさっさと引っ張り上げてもらおうぜ。

俺とシタールが武器を抜こうとした瞬間、ラスの先制攻撃がヤツに命中した!流石ラスだ!手だけは早ええ!
ヤツの眼に赤い光が灯る。
「お目覚めかよ。だが、すぐにオネンネだ。」
そう言って、ヤツに近づこうとしたとき、ヤツの背後の闇が赤色の点に埋め尽くされた。
もしかして、これ全部キミのお友達?
冗談じゃねえぞ!これじゃあ引っ張り上げてもらうのは俺達の死体だ!よし、後ろに向かって前進だ!ラス!ピカピカダマ出せ!
 
………はなればなれ?
ラス [ 2002/05/23 1:04:28 ]
 ………落ち着け、俺。がんばれ、俺。

あの馬鹿(注:ロビン)がピカピカダマとかマックロクロスケとかモコモコイワとか言い出すのはいつものことじゃねえか。
例え、ここに落ちる原因になった言い争いのもともそれで、あの馬鹿ちっとも学習機能ついてねぇとか思っても。
例え、「2人とも早く行けっ! ここは俺に任せろっ! ………うぷぷっ(笑) 今のって、こないだ芝居小屋にかかってた英雄モノの台詞みたいじゃねえ? な、シタール、おまえは『馬鹿野郎! おまえを置いていけるかぁっ!』って言う役な」なんて、緊張感あるんだかないんだか…いやきっとないんだろうと思われるようなことをしていても。
とりあえずそれに対しては「わかった、さんきゅー。骨は拾わないぜ」と答えたら何だか怒り始めたけど。

……よし、落ち着いてるぞ、俺。


さて…逃げる(ロビン「逃げるんじゃねぇ! 戦略的撤退だ! せめて転進と言え!)のはいいとしても。
えーと…ここの位置関係って…。そうだ、1層目から3層目までつながってる、狭い地層の割れ目が近くにあったな。
「ライカ! Bの割れ目で合流だ!」
…っと、シタールに先越されたか。同じこと考えてたらしい。

ピカピ………じゃねえ!(爆) ウィスプを先導させてとりあえず走る。
ここらあたりには、何の罠も仕掛けもないことは、事前情報で確認済みだし。
幅1mくらいの溝を跳び越えて……と、追ってこないな。よし。<バジもどきたち

そんでもって、無事合流……………って、あれ?
………なぁ? フォスターとルギーは?
 
Open the Door
A.カレン [ 2002/05/28 3:21:15 ]
 フォスターとルギー?
閉じ込められた……んだと思う。とりあえず、こっち来いよ。

つーことで、二人とはぐれた現場。
ぱっと見じゃ、よくわかんないけど、ここらへんに扉があるんだな。どんなふうに閉じ込められたんだかわかんねぇけど。俺、見てなかったから。おおかた、よりかかった拍子に……こう、回転扉みたいに、ぐるっといっちゃったんじゃないかと。
んで、その後は、押そうが引こうがびくともしない。
でも、扉を開く鍵はあるんだ。
ここと、あそこね。(指差し)
その穴ン中にあるレバーを二人で同時に引くと……たぶん開くんじゃないか?
「じゃ、なんでライカとオマエで開けなかったんだよ?」と、ラス。
「中を見りゃわかるだろ」と、俺。
もちろん、ライカには頼んださ。けど、無理強いはできなかったんだ。そのレバーのある穴の中は、いい具合に虫どもが巣くってるから……。

「じゃ、どっちかのレバーを、誰か頼むわ」
皮手袋をはめつつ、ラス、ロビン、シタール、3人の顔を順に見ていく。
……もちろん、虫どもを燃やしてくれてもいいんだけどね。
悠長にやってて、フォスターとルギーに万一のことがあったらヤだからな。だいたい、さっきからやつらの声が聞こえねぇんだ。
 
一方、その頃。
フォスター・G [ 2002/05/29 11:20:25 ]
 「だいたい、お前がみょうちきりんな所調べるから悪いんだろーがっ!」
「偶発的な事まで僕の責任にして口論を延ばさないで下さいっ!!」

ほの暗い遺跡の中、あいも変らず口論を続ける僕とルギーさんの姿。
とりあえず口論を続けながら、頭の隅で、この事態へ陥った理由を考える。

そう、あれはラスさん達と合流しようと移動している途中に、
僕とルギーさんはふとしたきっかけで、また険悪な雰囲気になってしまって。
で、隊列を外れたルギーさんを引き戻そうとした時、
隠れていた回転扉に二人とも見事に嵌まってしまい・・・
結果、カレンさん達とあっさりとはぐれてしまったわけで。

僕たちが嵌まった扉の向こうは、移動用のシュートらしきもの。
二人纏めて傾斜したスライダーを滑り、気がつけば資料にも見当たらない場所へ辿り着いてしまった訳で。
シュートの角度や滑っていた時間を考慮すれば、第三層か四層辺りと推定出来ますかねえ(呆然)。

「・・・・おいこらっ、無視してんじゃねーっつの!」
「あああっ、少し黙っていてください! 少しは状況を整理して――」

・・・ぴたり。

唐突に響いてきた微かな振動音が、暴発しかけていた僕達の動きをぴたりと止める。
動く物体なのか、或いは何らかの装置なのか。
音源は遠いのか、それとも近付いて来るのか。
詳細な情報は分析できないものの、とりあえず二人の口論は収まりました。

「・・・・第一案。正体を確かめに行く」
「・・・・動かずカレンさんたちを待つ、という二案もありますね」
「・・・・んじゃ、逃げる・・・もとい安全な場所と戻る通路を捜しに行くのが第三の案だな」
「・・・・では、第四の案が、それ以外と言う訳で」
 
暗闇の開戦
A.カレン [ 2002/06/04 2:15:29 ]
 スロープかよ。道理でふたりの声が聞こえないはずだ。
ロープをおろし、ロビンを伴って下におりることにする。
「『あかり』があったほうがいいわよ」
そう言ってライカが聖印に魔法をかけてくれた。
……ふん。こうやって暗闇で光ってると、いつもはそっけない聖印も結構いいカンジだ。

降りていくにつれ、生き物の気配が強くなる。
フォスターとルギーは動かずにいたようだ。……つーか、動けずにいたのか?
「何か聞こえるんです」
そう訴えるふたり。
……たしかにね。気配はふたりのもの以外にもあったってことか。
音の正体を確かめるかどうか? ……そうだなぁ……。

周りを見れば骨の山で足場が悪い。見たところ明りを取るような設備もない。そして急勾配のスロープ。他に出口はない、ということかもしれない。ここで行動するのは危ない。ことが起これば圧倒的に不利。そしてこの聖印。この音の正体が生物だとしたら、向こうにはこっちが丸見えだ。

…よし。昇れ。
なんだよ……? そうだよ。逃げるんだよ。早く行け。
………………(ずずずず…)
知識の人であるフォスターには、この勾配を昇るのは至難の技だったか? 落ちてる場合じゃないんだがな。
「カレンさん。なんか来たっすよ」
…っち。
「……なんか、でかいっすよぉ」
間に合わなかったか……。仕方ない。
現れたのは、いかにも硬そうなでかい百足。いつから住み付いているかは知らないが、こんな所じゃたぶん相当腹が減るだろうな。俺達は格好の餌ってところか。
腹ぁくくれ、ロビン、ルギー。フォスター、援護を頼む。


(内心)
ロビンの腕が上がっているのは疑いようのない事実だが、こんな硬そうなヤツ相手じゃ、シタールの斧のほうが効果ありだろうな。
アイツをおいてきたのはまずかったか…?
っけ。今更だ。
上は上で、安全とは限らないんだぜ。
癒し手がいるだけ、まだ心強いってもんさ。
 
『上』の3人
ラス [ 2002/06/05 0:54:50 ]
 2つのレバーを同時に引くタイミング…ってのが、あそこまで精密だとは思わなかったぜ。
昔はストーンサーバントか何かにやらせてたんだろうな。命令さえ間違わなければ、あれなら正確に動く。
それでも空振りが2度で済んだのはまぁまぁってとこか。

とりあえず、資料によると、浅い層…5層目くらいまでは荒らされてんだろ?
それならここらでうろうろしてないで、とっととあいつら引っ張り上げて6層目あたりまで行っちまおうぜ。
なんなら、床に“トンネル”掘ろうか?(笑) 一番の近道だぜ?

「ところで、ここ…ゴミ捨て場かしらね」

聞こえたのはライカの声。
確かに、スロープの先には凝った仕掛けもなさそうで…ってことは、不要になったものをここから処分してたか…。

「……………いや、ペットの餌やり場だったかもしれねぇぞ」

シタールが呟いた瞬間、実は俺も同じことを考えた。
何故って、下から悲鳴らしきものが聞こえたから。
援護に行くか、それともウィスプを飛ばして様子を探るか…と、さっきから出したままだったウィスプを動かし始めた時。

一瞬。
ただの錯覚かと思った。次の瞬間には、自分が貧血でも起こしたかと思った。
事態を正確に認識したのは三瞬目だったと思う。…いや、「正確」じゃない。ただ、認識しただけだ。
床が傾いてる、と。

「そう言えば、フォスターたちの声が聞こえなくなった頃、何かの作動音がしたようにも思うわね…」

シタールに支えられつつ、それでも冷静な声でライカが呟く。
どこまで傾くのかは知らない。資料には、こんな“ゴミ捨て場”なんかなかった。
ってことは、こんな仕掛けも資料にはなかった。

「こっちと……下と、どっちが安全だったと思うよ?」

うんざりと…それでも笑う余裕はまだあるらしい。苦笑してシタールが聞いてくる。
さてね。とりあえずパニクるビギナーがいないだけマシだと思おうぜ?(笑)

傾斜がまだ緩やかなうちに保身だけはしとくか。ロープで体縛ろうぜ。
つかまる場所は…っと、幸い、開けたままにしてあった“ゴミ捨て場”への戸口に掴まれそうだ。
あとは、別の仕掛けが出てこないことを願うとしよう(苦笑)
消極的だってしょうがねえじゃん、あいつらがまだ昇ってきてねえんだしさ。
 
吊された男女
シタール [ 2002/06/05 23:30:52 ]
 傾むきは、更に進んでいった。

止まった時に気付いたが、底になってる部分にスロープがあっった。そうやらこれで下に落とす仕掛けらしい。

でもよ。それならもうちょい傾けねえとごみは落ちねえと思うんだが?
だって、さすがにロープ解けねえけど、十分通路に出れるぜ?

「きちんと仕掛けが作動してないって可能性が強いわね。」
つう事は、こいつはからくり仕掛けって事か。

よっしゃ、上手くいってるうちに奴らが帰ってくれば・・・。

「お客さんみてえだな。」
ああ。そのようで(笑)
てっきりゴミかと思ったら・・こう言う事か。
凝ってるなぁ・・・魔法生物の一種か。下に落ちてたら完全に不意打ち喰らってたな。

はん。こうじゃねえと楽しかねえよな。
・・・最高だ(にやり)

とりあえず、ここは俺が時間を稼ぐからその間に二人は通路まで行け。
あっちなら足場も安定してるし魔法も使えるだろうしよ。

おっしゃぁ!いくぜ!!

(斧を振りかざし、突っ込む)
 
百足戦
ロビン [ 2002/06/06 18:32:20 ]
 「気をつけてください!毒を持ってるはずです」
フォスターが叫ぶ。確かにあんなデカイ百足に噛まれた日には、パンパンに腫れて動けなくなるかもしれん。
「しかし所詮昆虫!カレンさん、これは俺達の仕事です。フォスターを引っ張り上げててください。」
「解かった」
「百足は昆虫ではないです。昆虫と言うのは」
「うるせえ!さっさと登れって!ルギー!フォーメーションBだ!打ち合わせ通りやれよ!」
「よし、挟み撃ちだな!」
「フォーメーションBと言え!」
「へいへい」

行くぞ・・・3、2、1、0!
まわり込んだルギーが百足に斬りかかる!百足の牙がルギーの方を向いた!今だ!
「でやぁあぁぁあ!ロビンアターーック!!」
やったぜ!ハデに体液をブチまけて真っ二つだ!
「ふ、どうよ?今の俺の技」
「俺には思いきり体重をのせて跳び込んだ、ただの大上段斬りにみえたけど。それと技の名前は叫ばなくてもいいと思うんだが・・・」
「あー、はいはい解かった解かった。お前のアシストがなければ今の技は不発だったかも」
「いやもういい。俺が悪かった!」

よし、さっさとここからおさらばだ。ん?上でもやってるのか?シタールの嬉しそうな叫びが聞こえてくるぞ!野郎!抜け駆けしやがって!
 
5層目到着。
ラス [ 2002/06/09 23:55:17 ]
 「スロープの下から聞こえてきたのがフォーメーションB。そしてさっき、シタールと合流した直後に叫んでたのがフォーメーションC。………ちなみにAってどんなのだ?」
 とりあえず思い浮かんだ質問を、となりにいた馬鹿(注:ロビン)に聞いてみる。
「ふっ! これは戦士である俺たちにしか理解しえない、最高のコンビネーション技だっ! その最高峰に立つAとは! つまりは、それぞれの能力の限界において、正々堂々と正面から立ちはだかり! 更には機に臨みて変に応じつつも相手の隙を瞬時に読み解いてそこへ個人技の粋を究めた渾身の一撃を叩き込む! これこそが究極のフォーメーションAっ!」
「………ひらたく言えば『当たって砕けろ』ってやつだ」
 翻訳してくれたルギーが何だか疲れてみえるのは、初めての遺跡で緊張しているからか、それとも…。……うん。ま、いっか。

「おい、準備できたぞ」
 打ち込んだ楔とそれに結びつけたロープを確かめつつ、カレンが言う。
 ここは、結構、大規模に地崩れがあった場所らしく、ここから真っ直ぐに第5層の床まで縦穴が続いてる。
 ロープで2層分を下りきれば、そこは5層め、というわけだ。
 浅い層は荒らし尽くされてるらしいから、4層目までは無視して構わないだろうというのは、出発前から決まってはいた。
 ただ、それでもさっきのスロープや妙な仕掛けのような、資料にないものも隠れてたりはする。

 そして5層目。
 順調に通路を進んだ先に、立ちはだかる壁。ランタンの光はあそこまでは届かないから、真っ黒な影としか見えないけど。とりあえず、通路の先は見えない。ってぇことはやっぱり壁か。
「おい、あんなとこに壁なんかあったっけ? たしかこのあたりまでは地図あったよな?」
 シタールがカレンに聞いている。カレンが無言で首を振る。
 そりゃそうだ。確かに地図には壁はなかった。っていうか……壁に見えるけど壁じゃねえもんな、当たり前だよな。
「なんでそんなうんざりした顔してんのよ。疲れるには早いわよ」
 だって、ライカ。……………あの壁、生きてんだよ。うんざりもするじゃねえか。
「イミテーターとか、そういう意味ですか?」
 ああ、違う違う。だって、魔法生物なら俺は“見え”ねえじゃん。そうじゃなくて、マジで生きてんだよ。生き物なんだ、あれ(溜息)
 
邪魔者
ルギー [ 2002/06/10 0:19:03 ]
 生きてるって…(溜息)
あぁ、確かにかすかに動いてる。
地図にも載ってなかったわけだ、思いっきり通路塞いでるどでかい、邪魔者ってことか。
しかも先に進む脇道はねぇから、退いてもらわないと俺達は先には進めねぇ。

「よし、ルギー、折角ラスに説明した所だ、フォーメーションAをこいつ相手に見せつけてやるぞ!」

いや、今度はシタールとやってくれ(逃)
しかし、いまんところこっちに気がついてねぇのか、どうなのかは知らねぇが、こっちに襲ってくる気配はねぇみたいだな。

どーする?ロビンの言うとおり先手打つか?それとも様子見るか?
それか、もう少し近づいて良く見てみるか?ここからだと暗いのと距離があるせいで良く見えねぇしな。
 
調べてみないことには
ライカ [ 2002/06/16 21:29:50 ]
 「とりあえず、近づいて様子見ないことには結論でねぇだろ」
「…で? 誰が調べるっていうのよ」


 …まあ、誰が調べるか、というのは、ほとんど決まってるようなものだけれど。
 もし襲い掛かってくるような生き物だったら困るし。
 と、いうわけで。ラスとカレンが壁(?)を相手に悪戦苦闘している間、残りは後ろで考える。
 …もちろん、いつでも動けるように注意しながら。


「推測その1。太りすぎて動けなくなった岩長虫」
「…本当に岩長虫だったら、こちらの明かり見た瞬間に暴れると思うんですけど」
「じゃあ、その2。巨大ナメクジってのは?」
「いくらなんでも大きすぎるわよ」
「その3…新種?」
「疑問文で質問しないで下さいよ」

 それにしても、ほんとに何なのかしらね。新種ではないとしたら、突然変異種か…。
 いろいろ疑問は浮かぶ。ここでこうして道を塞ぐ理由があるのかしら。何か食べなくても生きていけるのかしら。それに………
 …いろいろ考えていると、壁もどきがなにかぱっくり口(の様なもの)を開けたように見えた。

「危ない!」
 叫んだのは、ほぼ全員、同時にだった。
 
調べた結果
ラス [ 2002/06/21 0:11:51 ]
 ………いや。危なくねえ…よな?>カレン


生き物の気配は、俺に“見えて”いた。けど、誰も、攻撃の意志は感じていない。
ってぇことで、通路を塞ぐ“なんか生き物っぽいヤツ”を調べに…ついでに、他に通路になり得るような場所はないかを調べに、俺とカレンが進んでいったわけだけど。

ライカに魔法をかけてもらっていた、カレンの聖印はまだ光っている。
それが作る光の輪が、“通路を塞ぐもの”の端っこに届く。

「……………蜘蛛だな」
「……………生き物だってのは嘘じゃなかったろ?」

そう。何故か、大きめの蜘蛛がびっしりと……………ん?

「おい、この蜘蛛…“何”に、びっしりくっついてんだ?」
「知るかよ。巣じゃねえの?」
「いや、確か、この種類の蜘蛛は巣を作らないはずなんだけど…」

首を傾げつつ、光る聖印を持ち上げて上のほうを照らそうとするカレン。
その光に怯えたように、蜘蛛たちがごそごそと移動した。
そこで後ろから『危ない』の合唱。
……ああ、なるほどな。暗いところから見てたら、蜘蛛が移動して出来た隙間が化けモンの口みたいに見えたかもな。

「ああ、大丈夫大丈夫。蜘蛛だよ、ただの」

振り返って、後ろにいた5人にそう言った。

「なんだよ! また昆虫かよ!」
「いえ、ロビンさん。蜘蛛も昆虫ではないです。昆虫と言うのは」
「うるせぇぞ、フォスター! ルギー、シタール、今度こそフォーメーションAを!」

さて、蜘蛛なら燃やすか潰すか……と、向き直ろうとした瞬間。
背中のほうに、奇妙な気配を感じた。背中の…というのは、この場合、さっきまで真っ正面に見ていた“蜘蛛の壁”。
カレンが掲げる聖印の光に、ごそごそと逃げ出した蜘蛛。
そこから現れたのは………なんだろう。魔法生物? しかも巨大。
ああ…なるほど。通路を塞いでいたこの魔法生物に蜘蛛がびっしりくっついてたわけか。
蜘蛛の、生き物としての気配なら見えるけど、魔法生物は生きてないから……ああ、してやられた(溜息)。

とりあえず、警戒して抜いたままだった剣を構える。この間合いじゃ、呪文唱える暇はない。
同じように剣を構えながら、カレンの目が、俺に下がれと言ってる。
………下がる暇がありゃぁな(苦笑)
ま、いいさ。専業じゃなくたって剣くらい使える。そうじゃなきゃ、このダガーだって宝の持ち腐れってヤツだろ(笑)
 
イミテーターズ
A.カレン [ 2002/06/23 23:37:41 ]
 ラスは引く気がないらしい。つーか、引くヒマがない。俺もね……。
なし崩しに壁もどきとの戦闘が始まってしまった。
これに似たようなのを見たことがある。そんときは扉だったけど。
……イヤな記憶があるんだよな……。
あれ? でも、コイツ変じゃないか? 妙に弱い…。弱過ぎる。なんで俺やラスの一撃やニ撃でくたばるんだ? おかしいぞ。
…ああ、戦士たちも拍子抜けしてる。フォーメーションAは見そこねたな。


通路は更に続いている。わき道も隠し通路もないらしい。
が、しばらく進むと、また壁が立ちはだかった。
「…行き止まりか?」
「調べてみるか…」
再び俺とラスとで壁に近づくと……それはさっき倒した壁と同じモノだった。これも、俺とラスとで倒したのだが、さっきよりもてこずった。
「カレン……油断しただろ」
「オマエこそ」


その後、同じような壁は3枚続いた。それも、奥に進むごとに強くなっていく…ようだ。すでにラスに代わってロビンを前に出しているからいいんだけど。
それにしても、いったい何枚あるんだ……。さすがにこうまで続くと、いい加減うんざりするな。
そう思ったところに、6枚目の壁が見えた。
……どうするよ……。どうするったって、進まなきゃ道はないんだけど、このままいけば、この壁は、たぶんとんでもなく強くなるんじゃないか? それこそ今まで温存している魔法も総動員しなけりゃならないほど…。
それとも、ここまでするからには、この奥には何かあるってか?
何かってなんだ?
財宝? いいもの?
そう期待させておいて、見たこともないモンスター? トラップ?
あるいは両方?

いや、迷うことじゃないんだよな。他に通路がないんだから。
進むのみだろう。
とりあえず、あの6枚目を戦士たちにぶち抜いてもらおうか。
 
突破
ルギー [ 2002/07/02 7:11:31 ]
 さすがに何枚も何枚もイミテーターが続くと嫌になる………。
6枚目と7枚目を撃破した後に待っていたのはまた扉……なんだけど……。
開いてる………。
「イミテーターじゃねぇのか?」
「ぱっと見は違うみたいだが……中に入ったら扉が閉まるって罠だったら嫌だよなー」
冗談風に言ったが、ありそうで笑えねぇ。
「よし、ルギー、おまえに先陣を任せる、行って見ろ!」
「よし、じゃねぇ!試したいならロビン、おまえが行ってこい!」
言い合いしているうちにラスたちが調査にとりかかる。
ラスたちが調べる限り、罠らしいものはないとの事。
とりあえず先に進む。

暫く歩いたら、広場のような所にでた、向こう側には先に進む道が見える。
「地図を見る限り、この先になにかある見たいですね」
とは、地図を持っているフォスターの弁。
あのイミテーター7枚破りがただの道楽には思えないんだが…まぁ、素人の俺のカンなんざあてにもならねーしなぁ。

…とりあえず疲れた、少し休みたい……。
 
休息。そして・・・
シタール [ 2002/07/08 14:20:25 ]
 「とりあえず少し休まねえか?」
広場から出ようとするときに、ラスが突然言いだした。

何を突然と思ったが、よく見るとルギーの様子がおかしい。
確かに壁野郎の7枚破りは、きつかったが・・・でも、それとは違う・・・。

そういや、6枚目であれの体液を前進にかぶってたし。臭いで気持ち悪くなったか・・・そんなことを思った瞬間にルギーがふらりと倒れた。

おい!おい!!しっかりしろ!!

フォスター!!ちょっと来てくれ!!
 
七枚破りの意味と、新たなる障害?
フォスター [ 2002/07/16 21:13:42 ]
 ふう……なんとか間に合いましたね。
ルギーさんの解毒はこれで大丈夫です。顔色も戻ってきましたし。
おかげで僕の魔力も殆ど空ですが…。

しかし、このイミテーター七連戦、途中から何か引っ掛かるものは感じていたのですが、
まさかイミテーターの中に、体液が遅効性の毒と化すものが含まれていたとは、迂闊でした。
人間の慣れと盲点を突いた単純ですが、恐ろしい仕掛けですね…。
シタールさん、ロビンさん、イミテーターの体液を浴びた所はよく拭きましたか?
いまの僕の魔力では、もしお二人まで倒れられたら、アウトです。

こんな念のいった仕掛けがある事からして、おそらくこの先は重要な部分に繋がっているはずですが、
このまま強行するのは厳しいですね。一旦安全な場所まで……はっ。
この毒、遅効性ですが死に到るまでの効果はなかった。
と、いう事は。

「こんな性根の曲がったトラップを仕掛ける相手ですもの。念のいった『とどめ』が来る可能性があるわ。急いでここから離れましょう」

そうですね、ライカさん。……少しだけ、遅かったみたいですが。

――そして、僕たちは広場の向かい側の道を睨み、それぞれの武器を構えた。
……残り魔力は癒しを一度か二度・・といったところか。
 
敵の正体
ラス [ 2002/07/18 0:14:05 ]
 「急いでここから離れましょう」
と。
ライカのその言葉が終わるか終わらないかのうちに、真横に奇妙な気配を感じた。

ルギーの治療を始める時点で、カレンと俺とで、ざっと近辺は調べていたはずだ。
罠や仕掛けの存在はない。少なくとも、俺には…そして、カレンにもそれは見つけられてなかった。
だから、罠じゃない。そして生き物でもない。そんな気配は感じてなかった。

耳元で空気を鋭く薙ぐ音。純粋な攻撃の意志の塊みたいなもの。

咄嗟に、持ってたダガーで受け止めてなきゃ、首と胴が泣き別れだったかもしれない。
……あー。ヤバかった(汗)
っつーか、壁まで飛ばされちまってんだから、安心できるわけもないんだけどな。
持ってたダガーがミスリルじゃなきゃ、飛ばされる間もなく叩き折られてたのかもしれないが。

どうやら、見る限り……「剣」だ。
何かが剣を持っているんじゃない、剣そのものが宙に浮いてる。………魔剣? しかも、攻撃してくるぜ、あれ。

ロビンとシタールが武器を構えて前に出る。
意識が戻ったばかりのルギーを引きずって、ライカとフォスターが後ろに下がる。
敵はどうやら、サイズから言えばグレートソード、と言ったところか。
そして、その周りに白く輝く光。

………イヤな予感がした。それを確かめようと、光の精霊を飛ばしてみる。
ああ……やっぱりだ。剣の周りの白い光が、俺が呼び出した精霊をいとも容易くかき消しやがった。
ライカ、あいつには魔法効かねえぞ。
そう言ったら、軽く唇を噛んで、ライカも杖をおろした。……とすると、俺たちには何も出来ないってコトになる。

「相手が魔剣なら、傷つかないんじゃないか? おまえが持ってるミスリルくらいしか…」

カレンが呟く。……そりゃそうだな。けど、俺のも魔剣だからって………サイズが違い過ぎるぜ?(汗)

「とりあえずやってみるしかねえだろ! いくぜ、シタール! フォーメーションDを今こそっ!」

ぎぃんっ!と、いい音がした。ただ弾かれただけの音じゃない。
ロビンの剣には魔法はかかってないはず。魔法を無効化するのがあの白い光なら、魔力付与だって意味はねえんだし。
…ってことは……イケるってことか。普通の剣で。
ただし、相手のサイズを考えれば、俺もカレンも手出しは難しい。短剣じゃどうやっても打ち負ける。
俺たちの剣の使い方は、相手の急所を狙う。「剣」の急所って…………どこだよ(滅)

目の前のこれさえ倒せば、広場の先には装飾のある「いかにもな」扉がある。それは辺りを調べた時に確認済み。
ちょい悔しいが……ここはまかせたぜ、戦士たち。
 
決死の覚悟で
ロビン [ 2002/07/27 1:49:59 ]
 つ、つええ〜・・・・。なんだ、この剣は!俺とルギーの二人がかりでやっと互角か・・・・。こうなればアレで一気に決める!
「ルギー!シタール!アレをやる!サポートしろ!」
「うるせえ!」とルギーさん。
「それどころじゃねえ!」とシタールさん。
でもやるもんね!
「あああーーーーッ!!ロビンアタックッ!!」
ガギィィィンッ!
そんな・・・・叩き折れたのは俺の剣のほうだ!前のロビンアタックと七枚破りが効いていたのか!
武器を失い、じわじわりと追いこまれていく俺達。
「畜生!止まってればあんな剣、俺の斧で叩き折ってやるのによ!」
シタールが悔しそうに叫ぶ。そうだ、剣を折られて役に立たない俺が役に立つ方法。
「お、おし!俺が止めてやる!来やがれ!このヘナ剣野郎!」
「お前!その構えは!?」
「死ぬ気かっ!」
うおおお!!真剣白刃取りぃぃぃ!
魔法の力で加速した大剣が物凄い勢い突っ込んでくる!
・・・・!やっぱ無理!(マトリックス避け)
そしてとても大きな金属音が広場に響いた。



「一時はどうなるかと思ったが・・・・」
「ああ、なんとかなったな」
あのあと、うしろを向いたら大剣が壁に深く突き刺さってぷるぷる震えてました。勿論シタールが叩き折りました。
「いや全く計算通りだったぜ」
「先に進むか」
「そうだな」
もう誰もつっこまなくなってきた。
 
休息
A.カレン [ 2002/07/28 4:05:29 ]
 「休憩をいれよう」
先に進もうとする仲間たちを呼びとめる。
ロビンの剣が折れ、そして顔色はよくなってきたとはいえ、ルギーは相当疲れてきている。このまま突き進むのは危険かもしれない。

連戦の疲れを癒すと同時に、これからの方針を相談する。
「予備はあるっすよ。来る前にスカイアーさんが持たせてくれたっす」
そう言って、ロビンはショートソードを取り出した。
「でも、これじゃ、今までのような技は難しいっすけど……大丈夫。これにも特有の技が!」
熱い薀蓄を聞きながら、陣形変えをした。変えたと言っても、ロビンに殿を務めてもらうだけだが。

次の目標は前方にある、装飾の施された扉。
先行して罠をしらべたが……恐ろしいことに、何も見つけられない。しつこくしらべても、結果は同じ。背筋が寒くなった。こうやってしらべて、罠はないと判断して死んでしまった師匠……あの時のようにならなければいいんだが……。
何かいやな予感を抱きつつも、仲間に感じたままを報告。
「気にしすぎじゃねーの?」
…そうだといいんだけど…。どうにも胸騒ぎが収まらない。

入る前に、もう1回しらべないと……。
とりあえず、今は休もう。
 
休憩タイム中
ルギー [ 2002/07/28 11:38:47 ]
 カレンの一言で、再度休憩、体は軽くなってきたが、まだいまいち意識が朦朧としてるから、俺にはありがたい申し出だった。

ついでに、ロビンの剣が折れた事によりの隊列変更、俺が前の方に出で、ロビンが後ろに引っ込む事になっただけだが。
「さっきまで毒くらってふらふらしてた奴、前出して大丈夫なのかよ?」
とロビン。
「剣が折れちまって、予備武器しかねぇお前を、前に出すわけにいかねぇだろ」
とは、ラスとシタール。
ライカとフォスターは、地図を見つつ話し中、カレンは少し休んだ後……やっぱりまだ気になっているらしく、あの装飾を施された扉を調べなおしている。

「そうだ、いいかシタール、ルギー、おれの武器が折れちまって、予備武器使う事になったから、いくつかのフォーメーションの時の行動の仕方が少し変わってくる、説明するからよーく聞いておけ!」

…………………………よーく聞かなくては駄目ですか?(滅)

「いいか、まずこの武器特有の技を出すための特別フォーメーションから説明する。まず…(以下薀蓄が続く)」

「そろそろ行きませんか?」
「そうね、また何かくるかもしれないし」
「おう……、ルギー体はもう大丈夫か?」
「あぁ、だいぶいい」
「カレン、調べるの俺手伝うぜ」
「頼む」

「って!聞いてんのかよ!」

あ……悪い、途中から聞いてねぇや。やり方のところは聞いたから、なんとかなるだろ。
 
扉の罠
ラス [ 2002/07/29 0:23:10 ]
  装飾のある扉。鍵は、と聞くと鍵は開けられるらしい。そして、鍵そのものに連動している罠はない、と。
 それでもやっぱり気にかかるというカレンと一緒に俺も調べる。
 壁と扉の継ぎ目、床との継ぎ目、天井との継ぎ目、鍵穴から探れる範囲の状況、扉の表面、枠、取っ手、蝶番、手触り、音、反響、匂い(←待て)………。
 ……………駄目だ(溜息)
 そりゃそうだよな。カレンがここまで探って見つけられないものが俺に見つけられるわけもない。

 ……どうする、行くか?
「見付からないが……油断は出来ない」と、カレン。
 俺も同感だな。俺にも見つけられなかった。が、全くないとは言い切れない。
 ……ただし、ここで見つからないなら、ここで解除も出来ない。
 ってことは、部屋の中に何かの仕掛けがあるとしたら、部屋の中からしか解除出来ないってことになる。

「行くか、ひくか」
 カレンがシタールに問いかける。そしてシタールが首をひねりつつ答えようとした瞬間。

ご…ぅん…!

「おい!? 何の音だ?」
「…非常に申し上げにくいんですが…先ほどの壁7枚破り…みなさん、随分と激しく…ああ、いえ、どちらかというと相手の大きさが問題かとは思うんですがね。ここのところ、地盤が緩んでいたこともあって…通路の一部が崩れた音と思われますが…」
 ロビンに問われて答えるフォスターの声もどことなく虚ろ。

「帰り道ナシかよ」
 はい、ルギー君、正解(←遠い目) 行くしかなくなったってワケだな。
「よっしゃ、腹ぁくくろうぜ!」
 シタールが斧を構える。ひょっとしたら何かの罠や仕掛けが無いとも限らない。そして部屋の中に妙なヤツがいないとも限らない。めいっぱい、警戒していこう。

 そして、扉を開ける。何事もなく扉は開いた。中の様子を探りつつ足を踏み入れる。
 順序は、カレン、ルギー、シタール、ライカ、フォスター、俺、そしてロビン。
「おい、ロビン。扉は閉めるなよ。万一の時に…」
 振り向いて、言いかけた。が、遅かった。扉が、それ自体の重さで自動的に閉じようとしている。
「ロビン、支えろ!」
「無茶言うな! クソ重てぇぞ、この扉!」

 ………………あ。閉じちまった。

 と同時に、天井でかすかな作動音。
「…離れろっ!」
 カレンが叫ぶのは聞こえてた。それより前に、俺自身も気づいてた。けど、間に合わない。
 天井から何かが降ってきた。咄嗟に身を屈めて頭を庇う。隣でロビンとフォスターも同じことをしていた。
 首筋や手の甲に、何か細かい針のようなものが刺さる感触。そして、そこから徐々に痺れていく感覚…?
「ヤバイ、ど……っ!」
 毒だ、と叫ぼうとした。が、そこから先が言葉にならない。思わず、ロビンやフォスターと見つめ合う。
 ────声が…出ない?(汗)

「………ストーン・タンね」
 シタールに庇われて無事だったらしいライカが呟く。…………………はい。知ってます、それ(滅)
 ロビンが静かになるのはいいが…俺とフォスター、どうすんだよっ!?(←身振り手振り) 
 
安全な場所探し
ライカ [ 2002/07/29 23:41:40 ]
 「…無事な人手を挙げて」
 ふむ。シタールとカレンと、ルギーね。これだけ残ったのなら、上等と言うべきかしら。それとも、これだけってどういうことよ、って突っ込むべきかしら。
「…どうする?」
「どうするって…」
「毒の効果が消えるまでどこか安全なところで休んで、それから退路を見つけて撤退。解毒できない以上はそれしかないだろう」
「効果が消えるまで…って、丸一日はかかるわよ」
「それに、ここは安全とはいえないと思うし…調べてみるか」

 扉はきっちりと閉まっている。シタールとロビンが二人がかりで開けようとしてもびくともしないし、開けたところで戻る道がないなら無駄な体力を使うことになる、ということで扉を開けることはさっさとあきらめた。
 そしてこの部屋は…何もない。あるのは奥に、ぽつんと地味な扉だけ。

「あの扉に罠はない。…少なくとも、見つからなかった」
「どうする。ここで休むか?」
「丸一日も? こんな汚い部屋で?」
「どこでも対してかわらな…ん、どうしたラス」
 シタールが言いかけた言葉を止めてラスを見た。天井を指しながら、ラスが踊って…もとい何かを伝えようとしてる。

 きりきり…きりきり…きり。

「…なんか妙な音がするよな」
「……ということは、ここにいたら危ない、ってことじゃねぇか?」
「仕掛けが動いてるのかもしれないな。とりあえずここを出て、安全そうなところを探そう」


 扉の外には通路が続いていた。…あそこまで陰険なものが続いてるから、きっとこの道も安全ということはないわよね。進むしかないわけか…ほんっとに陰険だわ。
 日ごろうるさいのが黙ったから、ずいぶん静かになった。十分に注意しながら、ゆっくりと進む。通路はあまり広くないけれど、だからこそ何か罠があったら怖い。決めたとおりの隊列だと、後ろに沈黙集団がそろうことになるので、シタールとロビンの配列を入れ替えたんだけど……。

(ばたばた、ばたばた)←必死に身振りで会話をしようとしているロビン
「…どこの踊り?」

 ……先はまだまだ続きそうね。
 
絶望
シタール [ 2002/08/01 2:22:57 ]
 休む場所を求めて歩きながらも俺なりに現状を分析してみるか・・・

俺やカレン、ライカは特に問題なし。
・・・ルギーは、解毒はしたものの本調子とは言えねえ。

・・・ロビンは、黙ってるのは良いとして、長剣を失って前衛には立てない。

・・・ラス。毒の影響で舌がうごかねぇ・・・いざって時のラスの戦乙女の槍は俺等の切り札だってのに・・・。ここがかなりいたい。
・・・フォスター。同じく舌が動かない。つまりは・・・癒しの奇跡が起こせない。

おいおい・・・最悪じゃんかよ。
舌の麻痺は約一日程度で抜けるって言っても・・・今、襲われでもしたら・・・

(何かの気配を感じ、斧か構えながら振り変える)

・・・何か居やがるな・・・。

おい!みんな!気をつけ・・・

ライカあぶねえ!!
(ライカに向かって体当たり)

その直後に腹に痛さと熱さを感じたが・・・すぐに目の前は暗くなりやがった・・・

死ぬのか・・・俺・・・。
つっても・・・惚れた女を守って死ぬんだ・・・まあ、犬死にじゃねえよな・・・

(大きな杭のような物が腹に刺さった状態で床にひれ伏す。)
 
奇跡は起こるか?
A.カレン [ 2002/08/05 1:53:01 ]
 「シタールっ!」
悲鳴にも似たライカの叫び声が響いた。
全員が一瞬凍りついた。

最初に動いたのはロビンだった。続いてラスとルギーが、シタールとライカを守るように動く。
敵がいるのだ。
自分も剣を抜き、駆け出そうとした時。
フォスターに腕を掴まれた。
訴えるような目を向けている。
『魔法が使えません』
そう言っている。
いちばん恐れていた状況だ。
どうする?
シタールかフォスター。どちらかを治さなければならない。
フォスターを治せば、シタールだけでなく、ラスの解毒もできる。が、治せなかった時は、シタールの命はないかもしれない。
シタールの傷を癒せば、戦線復帰。しかし、そこまでだ。
…………………………………………
………………………
いや……そこまでなものかっ。

『偉大なる我が神チャザよ、慈悲の心もて奇跡の力を与え給え。この者を癒し給え』
体の中を流れていく神の力は、相変わらず衝撃が大きい。多少の脱力感はあったが、シタールの傷は塞がったようだ。前線には出られるだろう。
蒼白なライカの顔に、ほんの少し赤みがさした。

よし、次。
俺たちの本当の癒し手に、その力を発揮してもらわなくてはならない。
『偉大なる我が神チャザよ…………』
 
魔法
ラス [ 2002/08/19 2:09:00 ]
  あの瞬間、背筋に冷たいものが走った。
<> 冒険者と名乗って、曲がりなりにも15年以上は経っている。死ぬ目を見たのも1度や2度じゃない。
<> それでも、今度こそヤバイかなと思いかけた。状況を考えればシタールの戦力が最後の要だった。そのシタールが倒れた以上は…。
<> 思わず、血が滲むほど唇を噛みしめる。
<> ……ちきしょう! 俺に魔法使わせろっ!!
<>
<> ダガーを構えて前に出る。ロビンとルギーの横に並ぶ。
<> シタールのことはカレンに任せた。フォスターのことも。ライカのことも。
<> だからとりあえずは、そっちまで敵の攻撃が及ばないように。
<>
<> 見ると、シタールの腹を貫いた杭は仕掛けの一部だったらしい。部屋に入り込んで、中央の床におそらくは重さを感知する何らかの仕掛けがあった。そして重さを感知すると、それを排除するために罠が作動する。壁から杭が飛び出すのは、おそらく“獲物”の動きを封じるため。そして、杭が飛び出すと同時に、更に奥にある檻が開く。
<> 檻の中には……ちっ! ヘルハウンドかよ。
<> てめぇは腹減ってんだろうが、やすやすと食われてやる義理はねえ。
<> ちくしょう、これっくらいの奴相手なら、いつもなら魔法で……っ!
<>
<> ロビンやルギーと共に、黒犬からの何度目かの攻撃をかわす。それなりの仕返しはするが…ロビンは、控えの武器だ。威力が足りない。そしてルギーはまだ体力が回復していないのか、避けるだけで精一杯。俺の攻撃も、当たるものの浅い傷しかつけられない。
<>
<>「ラス、下がれ」
<> 腕をひかれた。振り向くとカレン。
<> ……何言ってやがる。今、俺が退いたらそっちが大変だろうが。奇跡使った後で青い顔してるくせに。
<> 俺の視線でそれを感じ取ったんだろう。カレンが首を振った。
<>「そうじゃない。フォスターを解毒した。……今の俺じゃ、おまえまでは解毒できない。だから、フォスターに解毒してもらってくれ。そうしたら……」
<> そうしたら……魔法が使える。
<> けど、下がる暇が……。
<>
<> 一度体勢を立て直そうとした瞬間、詠唱が響き渡った。……ライカの声だった。
<>「万物の根源たるマナよ、光の矢となりて走りなさい!
<> 俺のすぐ目の前にあった犬の鼻先に、ライカの魔法が走る。犬がひるんだ隙に、俺は後ろに下がった。
<> 場所をカレンに譲って、フォスターのもとまで走る。ライカがそこにいた。
<>「……出来る限りのことはするわ。だから早くフォスターに解毒してもらいなさい!」
<> 一度おろした杖をもう一度振り上げて詠唱の準備に入りながらライカが叫ぶ。薄暗い部屋の中で見てさえはっきりと分かるほどに、その顔色は蒼白だ。声も指も震えている。本当なら、シタールの傍で見ていてやりたいんだろうに。
<>
<> フォスターが呪文を詠唱する。その横でシタールが、蒼白を通り越して土色になりかけている顔をあげた。
<>「……俺もやるぜ。寝てなんかいられるか」
<> 起こし掛けた体を、抑え込む。
<>「寝言口走ってんじゃねえ、クソ馬鹿野郎が。てめぇが言ったんだろ、俺の魔法が切り札だってな。……切り札見せてやるから見物してやがれ」
<> ──舌は動くようになっていた。さんきゅー、フォスター!
<> さてと…あとはもう1人、無理してる馬鹿を……。
<>「カレン! 下がれ! 魔法の邪魔だっ!!」
<> そして俺は、戦乙女への呼びかけを始めた。
 
軌跡
ルギー [ 2002/09/05 2:42:13 ]
 ヘルハウンドとの攻防を繰り返している時、ラスの声が聞こえた。
戦闘に夢中になってる間に、どうやら解毒をしてもらったようだ。
何を言ってるかなんてわからなかったが、声が聞こえた後、一閃の軌跡が見えた。
多分、戦乙女の槍だろう。
瞬間、視界が光で遮られ、それがおさまった後、ヘルハウンドの動きが止まったかと思うと、低い唸り声を上げつつ、奴は倒れこんだ。
また擱きあがるんじゃないかと思い、暫くはロビンと二人、剣を構えたままだったが、その気配は全くない。
やったのかと思ったら、何と無く疲労感が出てきて、俺は自分のすぐ近くの壁に寄りかかって息を抜いたが、すぐさま身を起こした。
思い出したからだ。
「シタールはっ!?」
振り向いてみるとそこには、青い顔したカレンとシタール。
顔色は悪いものの、とりあえず一命は取りとめたらしい。
安堵の溜息を漏らした後、ふと気がつくと、ロビンが後ろで必死に踊って…もとい、何かを訴えている。
なんかまたっ!……(あたりを見回す)って訳でもなさそうだ……じゃぁ…あ(ぽん)
「なぁ」
「あ?」
「もしかしたらなんだが、(ロビンを指差し)解毒、して欲しいんじゃないか?」
こくこくと頷くロビン、どうやら正解のようだ。
「いや…俺はもう無理…」
青い顔をしたまま壁に寄りかかって答えるカレン。
「フォスターは…」
「ボクも、後一回が限度ですね」
だとしたら、ここぞって時の為にとっておきたいよな…
「おい、ロビン」
「(ラスのほうに振りかえるロビン)」
「諦めろ、そのうち消えるから」

…よし、解決(あっさり)
 
寝息
ラス [ 2002/09/26 2:20:28 ]
 とりあえず、ざっと見回してみる。
カレン、フォスター、ルギー…肩で息してる。
シタール、ヤバげ。ライカと俺は無事。ロビン………静か。……よし。

とりあえずおまえら、動くな。カレン、おまえも(びし)
ヘルハウンドの死体が真ん中にあって、さっきシタールの腹を貫いた仕掛けは、もう動く気配はない。
ヘルハウンドが出てきた檻も、どうやら他の気配はなし。
周囲を出来るだけ丹念に調べる。
ヘルハウンドが出てきた檻の脇に、奥に繋がるらしい扉があるが、これはとりあえず保留。
その扉と、この部屋に入ってきた時の扉とを、ライカに“施錠”してもらう。

と、いうことで……やっと休憩タイムだ。
おまえら、さっさと寝ろ(有無を言わさず)>シタール、フォスター、カレン
そっちも。俺たちはあとからまとめて休むから、先に休んどけ。後から交代してもらう>ロビン、ルギー

そしてライカと俺、半妖精2人でしばし見張り。

「ラス、あとどのくらい魔法使える?」
「ランタンぶち壊してもよけりゃ、火蜥蜴なら5〜6匹は。おまえは?」
「“光の矢”で2回くらいってとこかしら。ランタンの予備はあるんでしょ?」
「精霊使いのエチケットだからな」

言いながら、それでも2人とも、武器を手近に。今のところ、厄介な気配はなさそうだが。
ランタン1つの頼りない灯り。5人分の寝息が聞こえてくる。
しばらくして、ライカが突然聞いてきた。

「……ねぇ。変なこと聞いていい? わたし、“お母さん”になれると思う?」
「………………何で俺に聞くんだよ」
「返事がわかってるくせに聞いてくるんじゃないわよ」
「……………」
「シタールからどうせ聞いてるんでしょ。何年か先には……2人の子供が欲しいなって…」
「聞いてるよ」
「……で? どう思う?」
「返事がわかってるくせに聞いてくるなよ」
「……………」
「……………」
「だから、なんであんたはそうやって!」
「違うよ! 俺が言ってんのは!」

2人でほぼ同時に声をあげてから、ほぼ同時にそれぞれの口を抑える。

『……しーっ! 声が大きい!』

寝てる5人を振り返る。寝息と寝返りの音。

「……誰も起きてないみたいね。よかった」

そうだな、と答えたけど。寝息の数が足りないことに俺は気づいてた。
 
苦渋の決断
シタール [ 2002/10/13 1:28:54 ]
 遺跡に入っておそらく4日目の朝。
現状は最悪と言っていい状態だ。

昨夜からの疲労は、抜けきっているとは言い難い・・・特に俺自信。
傷の方は完全に塞がったが・・・血が流れすぎて、ただ立ち上がるだけでもめまいと冷たい汗が出る。

それにロビンの奴は、剣を折っちまってる・・・。

まだ奥はあるが・・・これ以上進むとなると俺は足手まといになる。
その結果で自分が死ぬのは良い。だが、他の奴らが死ぬってのはゴメンだ。
・・・となると・・・これしかねえ・・・。

「・・・ここで撤退だ。これ以上はリスクがでかすぎる。」
 
帰り道
ラス [ 2002/11/28 1:35:10 ]
 おっけー。賛成ー(手をあげる)<ここで撤退
<>けど。ひとつ問題があるよな。うん、ひとつだけ。いや、ホントに些細なことだけど。
<>
<>──出口って?
<>
<>返ってきたのは6人分の沈黙。俺のも入れれば、7人分の。
<>
<>「おまえ、ちょこちょこっとそこらに穴あけろよ。そしたら帰れるだろ」
<>
<>ロビン。珍しくいいことを言う。確かに、“トンネル”の魔法で道を造ることは可能。
<>ただし、天井までどうやって昇る?
<>
<>そこらの壁に穴あけたって、横には行けても、上には行けねぇだろ。俺たちの帰り道は上。
<>だとしたら、やっぱ出口探すしかないんじゃねえの?
<>それとも、さっき崩れたとこ……ほら、この部屋に入る前の通路、穴あけっか?
<>
<>ま、そろそろ限界かなってのも確かだけど。いや、俺はまだ余裕あっけどさ。さっき寝たし。
<>とは言え、戦士が揃ってヤバイんじゃ、先に進めるわけもねぇ。
<>しょうがない。さっき犬(ヘルハウンド)が出てきた檻をどうにかして、天井までの道すじを作って、天井に穴を……(見上げる)
<>
<>……………………あ?
<>…………(汗)
<>
<>「…どうした?」
<>
<>聞いてきたのは…カレンか。ああ、いや、うん。………あの……な。なんて言うか。
<>ノーム、いねぇ(汗)<>
 
脱出1
A.カレン [ 2003/01/15 3:06:48 ]
 「やっぱ来た道、戻るのが一番安全なのかな?」

だろうな。
一応、敵を倒してきたんだし。
それに、ここは登れそうもない。
今、俺達の眼前には奈落がある。
通路の突き当りの扉を開けたら、そこには階段ではなく縦穴があったのだ。
魔法装置の一部か、純粋に通路なんだろうと予想した。
しかし、それだけ。
どう予想しても、俺達には使えない。(降りるだけなら簡単だろうが)
そして出した結論が、「来た道を戻る」なのだ。


戻っている途中、ロビンが思い出したように、駆け出した。
「これこれ。俺、気になってたんす」
ロビンが拾い上げたもの。それは、俺達を襲ってきた剣。
「折れてんじゃん」
「いいんだよ。こいつが動いたちゃ、持って帰れないじゃねーか。この宝石」
……なるほど。
剣の柄には、毒々しいほど宝石がちりばめられていた。
これを見過ごしていたなんて、よっぽど余裕がなかったんだな。逆に忘れないでいたロビンは、豪胆だと言えるのかもしれない。


「心配なことがひとつあるのよね…」
ライカがぽつりと呟く。
それはたぶん、ライカだけじゃなかっただろう。
「出口のこと、ですね?」
「…そう…」
そうだった。
俺たちは普通に2階層目に降りたわけじゃない。床が抜けたのだ。そしてそこには、得体の知れないモンスターがいた。あの場所を通るのは危険かもしれない。ライカはそれを気にかけている。
 
脱出2
A.カレン [ 2003/01/15 3:09:11 ]
 「2人とも、気ぃ付けろよ」
「そっちこそ」
2階層目に戻った後、俺とラスは先行偵察にでた。
出口までの最短且つ安全なルート探しのためだ。
しかし、やはりそう簡単にはいかない。ここは遺跡だ。遺跡には番人がいるものと思っていい。
「何がいると思う?」
「そりゃぁ……件のバジリスクか、メデューサだろう」
「やばいよな。鏡、持ってきてるけど…」
進むにつれて、石像が増える。それは、進めば何らかのモンスターに遭遇する可能性が確実に高くなっているということだ。
「大丈夫。出たら…一発で倒してやる」
相手が複数ってことも考えろとは言えなかった。


「本当に安全なのかよ」
「大丈夫だって。番人はもう倒されてたんだからよ」
出口の手前でラスが見つけたもの。それは、人間のものとは明らかに違う骨の一部。頭部に当たる部分が欠落していた。
番人は倒されている。
その言葉に一同がほっとした。
しかし、緩んだ空気は一瞬で緊張に変わることになる。
背後から何かがはいずる音。これは……?
「………………」
「………走れ。出口まで走れ。後ろは見るな」
「てめぇ、ラス。ひとりでいいカッコする気かよっ!」
「馬っ鹿野郎! 俺だって無駄撃ちしたくねーんだよっ! 行くぞ」
俺達は一目散に駆け出し、ケイナからの脱出を果たした。
切れ切れの呼吸で見上げた空は、雲ひとつなかった。
爽快な青さだ。
まだまだゆっくり休むことはできないが、外に出た開放感からか、肩から力が抜けた。……ただの疲れかもしれないが……。

「念の為だ。扉に魔法の鍵かけてくれ」
「そうですね。出てこないとも限りませんからね」
「だめよ。あなたは癒し手でいてくれなくちゃ。私がやるわ」
「後に来た奴らの手間が増えるんじゃないっすか?」
「そんなことどうだっていいだろ。俺らの命のほうがだいじだ」
「……やっぱいたな。2匹目の番人」
「おまえさ……そういうことは黙ってないで言えって」
 
結末。
シタール [ 2003/01/24 23:45:44 ]
 −曙光と落日の街道上にて−

ケイナからの脱出から一月。傷も完璧に癒えた。

その間に、遺跡から持ち帰った物を売却し一人頭・・・失敗した割にはそれなりに手元に残ったが・・・それ以上に後悔が残った。

侮っていたわけではない。万全を期して望んだつもりだった。
ただ。今思えば、エギナの別邸を攻略したという慢心が自分の中にあったんだと思う。

それに、俺の中に残った思いは・・・ラス、カレン、フォスターとの力量差。
後ろから追い付いてきたロビンの剣の腕。そしてそれへの焦り。

それ以上に・・・あいつ等の力に頼りきっているてめえ自信の甘さ。
あいつ等に負けれねえ・・・対等にいなくちゃいけねえ・・・そう痛切に感じた。

此奴等の中で、俺が俺であるために、強くならなくちゃ行けない。

そう決意して上を向くと・・・オランの街が遠くに見えた。
 
終了。
− [ 2003/01/25 0:04:42 ]
 『ケイナの谷へ』終了。
(注:チャット上の時間の流れでは、6の月初日あたりに帰還しています)
 
(無題)
管理代行 [ 2004/11/27 4:29:04 ]
 このイベントは既に終了しています。