| ”ナズゥの枯れ遺跡”探索記 |
|---|
|
| あらすじ [ 2002/12/02 22:02:53 ] |
|---|
| | オランの街より南に半日下った所にある小さな村”ナズゥ”。 その小さな村にひっそりと佇む遺跡が一つ、誰が何の目的で造られたものかいまだ定かでないこの遺跡を人は”ナズゥの枯れ遺跡”と呼んでいた。 名の由来は唯一つ、この遺跡には”何もない”からである。 はるか昔に狩り尽くされたのか、それとも最初から何もなかったのか… その理由も忘れ去られて久しく経った頃、この遺跡に再び興味を抱く冒険者達が現れた。
ナズゥの村の近くにて偶然にも”巨石群”を見つけたリグベイル、ミーナ、ロビンの三人は、この”巨石群”と”ナズゥの枯れ遺跡”の関連性に興味を惹かれ再びこの地に赴く事を決意する。 そして彼等の話に同意したアルファーンズ、ノースクリフ、フォルティナートの三人が加わり、計六人となったパーティは”ナズゥの枯れ遺跡”を目指し旅立つ…
”巨石群”は単なる自然の産物か?”ナズゥの枯れ遺跡”は本当に枯れているのか? 胸中にさまざまな思いを秘めた六人の冒険者は、その答えを求めるべくオランを後にするのであった… |
| |
| 出立前夜〜軍鶏の檻亭にて〜 |
|---|
|
| リグベイル [ 2002/12/03 5:23:56 ] |
|---|
| | (”軍鶏の檻亭”の2階にある自室にて明日からの旅支度を整えながら) 旅支度はこれくらいで良いかな?オランから半日とは言え、装備は万全にしておかぬとな…
(旅支度の準備が一段落し、寝台に腰を下ろしながら虚空を見つめる) さて、明日から”ナズゥの枯れ遺跡”に挑む訳だが、まだ不安材料は結構残されたままだな、それを今一度頭の中で整理するのも良いか…
まず1つ目はあの遺跡が本当に”枯れて”いた場合だな…でもこれは、最初からそうであるかも知れないと言うのは覚悟の上だから、もしそうだったとしても分かっていた事と納得出来る。 2つ目は、その遺跡が枯れていなかった場合だな…これは私達には願ってもいない事だからそれは良いのだが、その先がまったく未知の領域となるため、命の危険も出て来る可能性もある、手放しには喜べないだろう、アルも文献の調査に難航している様だったし、やはり10日前後の準備期間は短かったのだろうか? だがそれよりも厄介なのは3つ目だな、もし未発掘の部分が現れた時は”杖”であるフォルティナートがその場でこの探索を降りると言っていた事…これが不安材料の最たるものだな…
確かに駆け出しの冒険者に未発掘の遺跡は、死に直面する確率の方が幾万倍も高いが、それは裏を返せば好機とも取れる、だが、フォルティナートの行動がそれを妨げる原因となった時、私達は如何にすべきか、と言う事だ。
未発掘の遺跡に”杖”の力なくして挑むなど、それこそ死に直面する確率が高くなる様なもの、だが果たして、フォルティナートが先に進むと決断した私達の説得に応じてくれるだろうか?それとも頑なに拒まれるだろうか?もしかしたら、フォルティナートに賛同して引き返す仲間も出てくるかもしれない…
(白に近い銀の髪をクシャとかきむしり、そのまま仰向けに寝そべる) ふぅ…考えるのはここまでにしよう、あの”枯れた遺跡”に何かがあると決まった訳ではないし、それこそ徒労に終わる可能性の方が高いのだ、もし何かを見つける事が出来たなら、その時にまた考えれば良い事さ…… |
| |
| 雨天決行 |
|---|
|
| ミーナ [ 2002/12/03 15:17:12 ] |
|---|
| | 昨日は着いてすぐ遺跡の調査。 ・・・あたしには何してるのかよく分からなかったけど。
そして今日は巨石群の調査! なんだけど・・・
リグさーん。 「ん? どうした、ミーナ」 雨だね。 「ああ、雨だなぁ」
あ、ノースクリフさんがもう一眠りって部屋に戻ろうとしてる。 ロビンさんにいたっては部屋から下りてきてもいないし。 今日は中止・・・ 「そんなわけないだろ! 雨天決行だ、おまえら!」 あ、アルファーンズさんがノースクリフさん相手に暴れてる。
よく見たらフォルティナートさんは雨具の準備もできてるみたいだ。 あ、やっとロビンさんが起きてきた・・・え、準備してたの? ごめん、あたしもすぐ準備してくるから! |
| |
| 雨中行軍 |
|---|
|
| フォルティナート [ 2002/12/03 18:53:19 ] |
|---|
| | 雨の中僕達はオランを出発した。
その中で僕はリグベイルさんに出した条件のことを考えていた。 「未発掘の遺跡が発見された場合は其処で引き返す」 と言う物だ。
確かに未発掘の遺跡は魔術師である僕にとって、いや、冒険者にとってはとても魅力的なものである事は間違いない。 しかし、その様な遺跡に挑む事が出来るのは熟練でかつ、昨日今日組む事になったパーティなどでは無く、長年組んで来たパーティだけだと聞く。
少なくとも僕は熟練者では無いし、パーティ自体も即席の物だ。とてもではないが勝算など見込めない。
しかし………もしも未発掘の遺跡が見つかった時に僕は自分の衝動を押さえられるのだろうか。理屈では解かっていても感情的には………
もっとも、その様な期待は殆んど持てていないことも確かだった。アルファーンズさんと共に僕も文献を調べていたが殆んど何も見つからなかった。
唯一気になるのはとあるパーティがその遺跡に行って帰ってこなかったという話だ。その遺跡に行って帰って来なかった唯一のパーティらしいのだが、相当昔の話らしく、調べる時間は無かった。
そのパーティのことをもう少し詳しく調べられれば或いは………
「何かがこっちに向かってくるぞ!!」
突然のリグベイルさんの叫びに僕の思考は中断させられた。 どうやら雨の中を走って何者かが此方に向かって来ている様だった。
目を凝らして良く見てみる。………ゴブリンだ。
「皆、ゴブリンだ!!」 「どうやら、食料を求めて人里に降りて来たみたいですね………」
アルファーンズさんの言葉に僕が続ける。その言葉を受けてアルファーンズさん、リグベイルさん、ロビンさんが前衛に散開して立った。ノースクリフさんとミーナさんにも緊張が走るのが分かる。どうやら全員戦いが初めてという事は無さそうだった。 連係を確認するための戦闘としては誂え向きかも知れない。
雨の中での暗さが不利になり致命傷を受けるわけには行かない。 僕は小さく知識神に祈ると“明り”の呪文を詠唱すべく集中し始めた。 |
| |
| 雨と光と |
|---|
|
| ノースクリフ [ 2002/12/04 16:01:05 ] |
|---|
| | そんなに怒らなくてもいいじゃないか。僕はただ、温泉は気持ちよかったなって思っただけで… それがだめ? うぅ、思想には自由があると思うんだ…
「何かがこっちに向かってくるぞ!!」
……ゴブリンが? 食料を求めて? いやぁ、冬だねぇ。
……じゃなかった。ほっとくわけには行かないよね。 アルやリグ姉さんの邪魔にならないように後ろに下がって、完全に杖にしてた僕の棒を構えた……一応ね。
フォルティナートさんが何かを低くつぶやくと、雨の日にもかかわらず周りがぱっと明るくなった。
それでむこうもこっちに気づいたらしい。ばらばらと武器を構える。 ひい、ふう……10匹はいない。6,7匹? 僕は後ろで見学してても何とかなりそうだけど……
ま、いいや。できることないし。みんな、がんばってねー。
「てめぇ…」とかつぶやく声が聞こえた気がする。しかも複数。 |
| |
| 誇りと欲望 |
|---|
|
| ゴブリンs [ 2002/12/05 8:13:30 ] |
|---|
| | <よぉ兄弟。あそこに見えるのは人間じゃぁねぇか?> <あぁ、人間だな。> <ひ弱な人間だな。> <殴ると気持ちいぃ声で泣き叫ぶ人間だな。> <旨そうな女もいるな。> <柔らかそうな女もいるな。> <ちょっと待て兄弟。あいつら、武器や鎧をもってるぞ。> <あぁ、持ってるな。> <モロそうな鎧だな。> <それよりも腹減ったぜ、俺は。> <ボウケンシャ、って連中じゃねぇか?> <そいつぁ剣呑だな。> <“北の暗い森”族の連中がボウケンシャに皆殺しにされたってよ。> <連中がか?> <そいつぁ奴らが弱かったからよ。> <俺たちは誰だ? 誇り高き“黒い雪山”族の精鋭だぜ。> <しかもボウケンシャよりも数が多い。> <てめぇに数ができるとは驚きだぜ。> <何だとてめぇっ> <よせよ兄弟。> <人間の村の一つ二つ平らげれる面子なんだぜ、俺たちは。> <そうよ、たった6人の人間に負けるわけがねぇ。> <奴らは今日の昼飯だ。> <そうよ昼飯だ。> <行くぞ兄弟!>
|
| |
| 通訳 |
|---|
|
| アルファーンズ [ 2002/12/05 12:50:03 ] |
|---|
| | (ゴブリンの会話を訳せる範囲で訳して)・・・みてーなこと言ってるぜ、連中。なんだその珍しいモン見るよーなツラは・・・俺がゴブリン語話せておかしいか。知識人をバカにするんじゃねーよ、(一応)学院所属をなめるな。
にして・・・いきなりヤな連中だな。自然と溜息と冷や汗が流れる。 一瞬脳裏をよぎる嫌な記憶。 頭を軽く振ってそれを払拭し、槍と楯を構え、相手を軽く観察。シャーマンやロードは居ない。数は居るが・・・油断しなけりゃどーにでもなる。 「リグは正面頼むぞ。ロビンは左、俺は右だ。魔法使い2人はやばくなったら援護頼む。オイコラノース!てめーも援護くらいしやがれ!」 こっちも連携とゆー点については、問題ありそうだが・・・決着はすぐにつきそうだ。 |
| |
| (村に)到着 |
|---|
|
| フォルティナート [ 2002/12/06 0:23:17 ] |
|---|
| | ゴブリン達は“剣”三人の敵ではなかった。僕の援護など必要無かった様だ。一匹、また一匹と倒されて行き、残りが三匹になった所で二匹は逃げ出し一匹は命乞いらしい物をし始めた。 <> <>「俺の必殺技を出すまでも無かったな」とロビンさん。 <>「だーっ。槍が汚れたじゃねーか。銀製なんだぞ銀製!!」とアルファーンズさん。 <>リグベイルさんは無言で剣に付着した血を拭っていた。 <>ミーナさんはリグベイルさんに盛んに何かを話し掛けている。 <> <>「ところでこの降伏したゴブリンはどうするの?」と言うノースクリフさんの一言でゴブリンを如何するかの話が始まった。 <> <>結局逃がす事になった。慈悲からと言う訳ではなく、皆止めを刺すのを生理的に嫌がったようだ。確かに僕も嫌だ。 <> <>此処で僕の好奇心が働いた。アルファーンズさんに通訳をして貰いながらゴブリンに話を聞くことにした。 <> <>「ふんふん、“黒い雪山”族ですか。あ、今度は何故冒険者を知っていたのか聞いてくれますか?後は………」 <>勿論羊皮紙に書き込む事は忘れない。雨が降っているのが難点だったが小雨になって来ていたので問題は無かった。 <> <>「取り込んでる所なんだけどさフォル………」 <>「何ですか?」←羊皮紙に書き込み中 <>「みんな先に行ってるんだけど」 <>「………え?」←動きを止めて振り返る <> <>「おおーい、置いてくよー!!」遠くからミーナさんの声。 <>「くぉらー。リーダー(仮)の俺を置いてくなー!!」 <>「ま、待ってくださいよ〜」 <>僕達は走り出した。 <> <>数刻後、目的の遺跡の近くに在るナズゥの村が見えてきた。その時には雨は上がっていた。すると突然、 <> <>ぐるるるるるるぅ <> <>と言う獣の呻き声のような物が聞こえてきた。それももの凄く近くからだった。 <>「皆気を付けろ。かなり近いぞ」 <>「今度こそ俺の必殺技の出番か?」 <>「今度はあたしの魔法も見せるわ」 <>「今度も僕は見てるだけね」 <>僕も緊張して杖を握る拳に力が入る。 <> <>「………今のは俺の腹の音だ」 <>………そう言ったのはわなわなと震えるアルファーンズさんだった。 <> <>「そ、そう言えば出発してから何も口にしてなかったな。村に着いたら昼食にしよう」 <>リグベイルさんのナイスフォロー(?)に反対する者は誰もいなく、僕達は眼前に迫った村へと向かった。 |
| |
| 下見 |
|---|
|
| ミーナ [ 2002/12/09 0:22:02 ] |
|---|
| | ここは村に一軒だけあった酒場。 アルファーンズさんはまだご飯の最中。 他の人たちは・・・あ、帰ってきた。
「ただいま、ミーナ」 「目新しい情報はなしですね」
そして作戦会議。
「何かが住み着いてるという話もありません」 「けど、村の周りで妖魔を見たって話が・・・さっきのやつらかな」 「まだ日も高いし、今日中に1度潜るか?」 「えー、さっきゴブリンとやりあったばかりなのに」 「準備してる間に日が暮れるぞ」
むー・・・口を挟めない。 とりあえず場所の確認も兼ねて入り口の下見に行くことが決定。
村を出て、森の小径を辿って出た先は、 木々が生い茂る中でそこだけぽっかりと開いた草原。 四隅の方角に柱の残骸が一本ずつ。
あれ? でも入り口ってどこ? |
| |
| 待ちぼうけ |
|---|
|
| リグベイル [ 2002/12/10 4:55:28 ] |
|---|
| | 馬鹿な…ここに着いて直ぐの時に入り口の場所は確認したはずだ。 その時には、確かに柱で囲まれた四角の中心に”ぽっかり”と入り口が穴を開けていたのに…何故それが跡形もなく消えているのだ?
おいアル、フォルティナート、おまえ達が調べた文献にこう言った記述はなかったのか?
「いや、なかったと思うな…あればこの俺が見逃す訳ないしな」 「残念ながら…記憶にないですね」
ふむ、そうか…さて、どうしたもんか、入り口がなくては入りようがないし…
「…入り口が現れるまで待ってみたら?案外直ぐ出て来るかもよ?」
…………おぃノース(ため息)何をのんきな事言っているんだ、そんな簡単に出て来るものでも……
「それも良いかもな?今のところ、手がかりらしい手がかりないし…」
……………ロビン(さらに深いため息)何を言っているのか分かっているのだろうな?もし出て来なかったら……
「待ってみても良いんじゃないかな?どうせ他にする事ってあんまりないみたいだし…ね、リグさん?」
そうだな、ミーナがそう言うのであれば、待ってみても良いか(あっさり頷き)
「何でミーナのは良くて僕のはダメなんだよ!!?」 「何でミーナのは良くて俺のはダメなんだ!!!?」
……さて、そうと決まれば夜営の準備もせねばな、皆、背袋から必要な物を出してくれ、日が暮れぬ内にテントを張らねばならぬからな…
…っとそれと、夜の火の番はノースとロビンからな、言い出しっぺなんだからそれくらい当たり前だよな?(にやっ)
「だからなんで僕からなんだよ!?」 「だからなんで俺からなんだ!!?」
…じゃまぁ、そう言う事でよろしくな、お二人さん(爽笑) |
| |
| 眠れない夜 |
|---|
|
| ノースクリフ [ 2002/12/10 17:51:41 ] |
|---|
| | 僕は3回めの挑戦をはじめた。なかなか、できそうでうまくいかない。
「……ねぇ、何してるの?」
焚いた火にあたりながらミーナが不思議そうに聞いてくる。
「言いだしっぺはお前も同じだろ!」とかでロビンさんにすぐ交代させられたせいか、不機嫌なようにも見える。
……何って、柱をのぼってるんだ。
「……なんで?」
いや、のぼれるかなって思ったから。つかまるところが無いから難しいんだけど。
「……そう。がんばってね」
うん、ありがとー。
手が届けば……もうちょっとで……良し!
崩れかけた柱の一番上に腰掛けて、気づいたことをミーナに言ってみた。 ……昨日は遺跡の中ばっかり見てたから気づかなかったけど、この柱、何か書いてあるよね?
「えっ? あっ……ほんとだ けど、読めないよー」
……古代語かな? アルやフォルティナートさんなら読めるかもね。 もしかしたら、他の柱にも同じ位置に何か書いてあったのかも。崩れてて分からないけどさ。
「おぉ……なるほど」
ところでさ、ミーナ。
「……何?」
……僕、下りられないかも。 |
| |
| 古代語 |
|---|
|
| アルファーンズ [ 2002/12/13 14:49:44 ] |
|---|
| | 今のうちに寝ておこう、とは思ったものの、何か寝つけねーな。 てことで、暇つぶしに、ぽっかり開いていたという入り口のある柱に囲まれた四角の中心とやらの場所に這い蹲り、ランタンで照らしながら手で探る。しばらく続けた後、ロビンも加わって、雨で出来た水溜りの水をすくって地面に流し続ける。 「なにしてんの?」 「入り口探してる」 「どうやって?」 「地面に入り口あるとすれば、入り口の隙間くらいあるはずだろ。水流せばそこに流れ込むって寸法だ」 「ところでさ、アル」 「うるせーな、てめーもちっとは手伝えよ」 「あっちに古代語があるんだけど」 「早く言えッ!」
ノースの後に続き、古代語が刻まれた柱に近づく。 「ふむふむ・・・掠れてて読みにくいな・・・。『移ろう季は星の巡りと共に』・・・かな。で、こっちの単語は『真夏の蠍』。リドルっぽいけど・・・解いたにしてもその答えをどーするかもわかんねーな」 呟いて、柱の残骸しかない周囲をぐるりと見渡した。 |
| |
| しかして朝 |
|---|
|
| ミーナ [ 2002/12/17 5:03:40 ] |
|---|
| | うー、話し声で目が覚めちゃったよ。 フォルティナートさんと・・・あれ? アルファーンズさん?? もしかして、あれからずっと寝てないのかなぁ・・・?
結局、入り口がぽっかり出てくることもなかったし、 ”知識人”さんが頑張ったけど古代語の意味も分からず終い。 「情報が少なすぎるんだ!」 「今回は彼の言い分が正しいんですよ」
そして、またあたしが蚊帳の外の作戦会議。 むーーーーーーーっ!
「”巨石群”を調べよう。もともと私たちは、あれとこの遺跡の関係に目を付けてここまで来たんだ。何かヒントが見つかるかもしれない」 「だな。どうせ普通に入り口があっても枯れた遺跡でしかなかったんだから、これは良い徴候かも」
”巨石群”行き決定!
「ねえ、アル。寝不足でしょ。足元ふらついてない?」 ・・・大丈夫かな、アルファーンズさ、わっ!! 「おい、ミーナ。気をつけろ」 ごめんね、リグさん。昨日の雨のせいで地面が緩んでたんだよ。 |
| |
| 巨石群 |
|---|
|
| ノースクリフ [ 2002/12/27 23:30:13 ] |
|---|
| | 眠い目をこすりながら(全員というわけじゃないけど)僕たちはまた巨石群まで来ていた。
でも、僕、遺跡のこともよく知らないし、知識があるわけじゃないからみんなの邪魔にならないようにしてるぐらいが精一杯なんだよね。 岩のひとつに腰掛けて、皆が何かと相談してるところをぼーっと見ていると、暇なのが分かったのかリグの姉さんに言われた。
「なんでもいいが、なんでお前は何かにのぼりたがるんだ?」
だって、ねぇ? えぇと、ほら……
「ねぇじゃねぇ。何もしないなら何もしないなりに何かしろ」
寝不足でいらいらしてるのかアルが槍の石突でどん、と地面を叩いて言う。 槍の影が一瞬、こっちに延びてくる。
……1,2,3、……岩は全部で12個。円を描くように並んでる。 ……アル、いま君がいるところって巨石群の真ん中だよね?
「そうだけど? 何が言いたいんだよ」
あのさ、そこにおっきな棒を立てたら日時計になるかなって……あれ、駄目? 面白くなかった? |
| |
| 四大 |
|---|
|
| フォルティナート [ 2003/01/09 17:58:51 ] |
|---|
| | 「日時計になるかなって………」
ノースクリフさんの言葉によるとどうやらこの巨石群は綺麗に円形状になっているようだった。 上から見るとどうやらそれが良く分かるようだ。下からだと石の大きさが疎らな為に不規則に並んでいるように見えていた。
「時計………十二個の石………他に十二と言う数字に関連したものといえば“月”でしょうかね?」 「それビンゴじゃねーか?さっきの柱に書いてあった『移ろう季』とか『真夏の蠍』って、季節とか時の流れとかってのを表してるしよ」 「そう言えば、他にも『強き風吹きすさぶ時』とか『時の流れは水と共に』とか言う言葉もありましたしね」 「ねえねえ、季節って言うんならさっきの四本の柱ってさ、それぞれの柱が春夏秋冬を表してたりしてね。それとも地水火風かな?」
アルファーンズさんとの会話に飛び込んできたミーナさんの一言で僕ははっとなった。 四本の柱がそれぞれの季節………或いは四元素………これと魔術といえば………
「“四大魔術”………」
そう呟くアルファーンズさんの言葉に僕も頷いた。
「四大魔術師でこの辺りに遺跡を持っていた魔術師って言うと、確かギリスタインって奴だったっけ?」 「ええ、そうです。『四大は世界なり』と言う言葉を残した人ですね」
メモ帳を確かめながら僕はアルファーンズさんの言葉に答えた。 確か文献によると遺跡の入り口は“開かれし門”だと言う事だが。どう言う事だ?そもそも門など無いと言うのに。ゲートの事だろうか………
「なぜ四大が世界なのだ?」 「リグも知ってるだろ?世界は平らで四つの角が氷、火、水、風の門で封じられてるっての。一説じゃあ氷=地らしいけどよ。世界の角に地水火風の門があるって考えると何となく『四大は世界』だろ(笑)」 「なるほどな。確か“水の門”だけは開いているんだよな。だから時の流れが有るとか」 「そうらしいなー。水で封じるってなると渦巻きかなんかで封じるのかもな」
………!!開かれし門は“水の門”!!
「み、皆さん柱の所に戻りましょう」 |
| |
| 開けゴマ! |
|---|
|
| ミーナ [ 2003/02/02 21:38:19 ] |
|---|
| | ほら、見て! 開いたよ! あたしの一言で! すごいね、さっきまでなんともないただの地面だったのに!
「この柱に向かって合言葉を唱えるだけか・・・」 「四大魔術師ならではの冗談なのでしょう」
あれ? どうしてあの二人、あんなに疲れた顔してるんだろ?
「開け放しだった玄関を誰かが閉じただけだったんだね」 「じゃあ、中は変わらず”枯れ遺跡”のままか?」 「それはこれから・・・ん? どうした、ミーナ?」
リグさん、どうして合言葉って精霊語だったのかな。 ここって古代王国の魔術師のヒトの遺跡だよね?
「それは、四大魔術も精霊と関わりがあるからでしょう」
あ、フォルティナートさん。 じゃあね、あのね。
「さっきから何を言いたいんだ?」
この入り口を誰が閉じてたのかなって思って。 精霊語なんだよね? 閉じる時の合言葉も。 |
| |
| 閉じた入り口、合言葉は精霊語、これ如何に |
|---|
|
| アルファーンズ [ 2003/02/02 22:18:25 ] |
|---|
| | ミーナの一言。 俺もちょっち不安になっていたことだった。仕掛けであれば、なんかの拍子に作動してしまう――簡単に動いたら、入り口の仕掛けとしてはちょっち不安だが――こともあるだろう。古いし。 だが合言葉となると話は別。 俺たちが下見に来た後。誰かが中に入って、中から閉めた。 俺たちのほかにも冒険者が、という考えも出来るがそんな悠長なことは考えない。
瞬時に頭の中で精霊魔法を使う魔物を検索する。 フェアリーを初めとする小妖精。ダークエルフ、その他諸々。 精霊使い崩れの山賊って可能性もある。まさかこの遺跡の持ち主の四大魔術師がゴーストに、ってことは・・・ないだろうな。 そして後は・・・道中に遭遇したゴブリン。連中の中にも、精霊使いがいる。
何にしろ、枯れた遺跡とは言え、油断は大敵のようだ。 中で生命の精霊の気配感じたら、最優先で報告頼むぞ。リグ、ミーナ。 |
| |
| 遺跡の中へ |
|---|
|
| フォルティナート [ 2003/02/16 19:22:23 ] |
|---|
| | アルファーンズさんがこの入り口を閉じた可能性のありそうな者達を矢継ぎ早に上げていく。 僕はそれを聞きながら自分の考えを口に出した。
「ちょっと良いですか?古代遺跡の入り口を閉じる事ができる、という事は“精霊語を使える”という事だけでは無理だと思います」 「どういう事だ?」 「そうか!確かに古代遺跡に関してある程度の知識が無いと“入り口を閉じる”って事をしない筈だ」
リグベイルさんの問に対しアルファーンズさんが答える。
「そういう事です。つまり、この入り口を閉じた者達は“精霊語を使え、この遺跡の事を少なからず知っている”という事になります。 確かに偶然精霊語によって入り口を閉じてしまったという事もあるかもしれませんがその可能性はほとんどゼロに近いと思います。 ですから、先ほどアルファーンズさんが上げた者達の中でゴブリンや精霊使い崩れの山賊などは除外できると思います。可能性があるとすればダークエルフや別の冒険者、という事になると思いますが………」 「どっちにしても、誰かが先行してるって事には変わりはねーけどな」
僕の言葉に続けたアルファーンズさんの言葉に頷く。
それに加えて、僕には疑問があった。その事を口にしようとした時にロビンさんが言った。
「それにしてもよ。何で入り口を閉じたんだ?」 「何でって………」
皆が顔を見合わせる。
そうなのだ。この遺跡の入り口は元々開きっぱなしだったと聞いた。 わざわざ目立つように閉じたのには何か理由がある筈だ。 例えば入り口を閉じる事によって新しい扉が開くとか………遺跡の中だけでなく外かもしれない……… 或いは“此方に注意を引かせる”とか、か………?
「でもさ、結局は遺跡の中に入らないと何も分からないんじゃないかな?」 「確かにそうだよねー。うー、緊張してきた」 「では行くか。皆、用意は良いな?」
ノースクリフさんとミーナさんの言葉にリグベイルさんが続き、皆がその言葉に頷いた。
いよいよ遺跡の中だ。僕は杖を握りその感触を確かめると知識神に祈りを捧げた。 |
| |
| 進撃 |
|---|
|
| アルファーンズ [ 2003/03/05 21:47:11 ] |
|---|
| | 遺跡内を少し進んだ先で。 「おいっ、作戦Xだ!」 「なんだそれ!」 「同時に切りかかれ!」 「了解!」 謎なネーミングの作戦だと思うが、我ながら順応が早い。 ロビンが右から、俺が左から同時に攻撃をしかける。それぞれの得物は、フォルティナートがかけた《武器強化》の魔法がかかっている。 魔力の軌跡が丁度Xの字を描く。遅れて切りかかるリグ。 それで、魔法生物は崩れ去った。
大きな部屋に配置されていたのは、ストーンサーバント。 どこか妙な感じだ。 「ちょっとアルファーンズさん」 フォルティナートとミーナがしゃがみこんでいる。何か見つけたらしく、俺が近づくと地面に転がる白い物体を指差す。 それは骨だった。 「どう思います?」 「俺も自信は無い」 だが、俺もフォルティナートの検討はつけてある。 おそらくボーンサーバント。詳しくは覚えてないけど、確か複雑な命令もこなせるパペットで、呪文はすでに遺失だったはず。
「つまり、本来置いてあった奴は倒されてて、今のはその代わりに後から来た人が置いたってこと?」 骨を覗き込み、次に石くれに視線を向けるノース。 「ああ、おそらく・・・骨の奴には、『誰かが侵入し、部屋の中まで入ったら紐を引け』とでも命令してあったんだろ。ほれ」 部屋の奥の扉の罠を調べているロビンのすぐ側。天上に繋がった不自然なロープ。大方吊り天井にでもなってるんだろ。 この仕掛けを発動させるのには、石の従者も竜牙兵も向いていない。だから、後から来た奴は石の従者に『侵入者を攻撃しろ』とでも命令しておいたんだろう。竜牙兵じゃなかったのは、竜の牙が無かったか、そこまでの腕が無かったかだ。
「これで闇妖精の可能性は低くなりましたね」 「なぜ?」 リグベイルの疑問。 「闇妖精が古代語魔法を使うなんて、聞いたことねーからな。長寿な連中だし、もしかしたら何らかの形で覚えた奴もいるかもしんねーけど」 闇妖精の可能性が低くなったからといって、油断はまだ出来ない。
「おーい、駄目駄目、魔法で鍵がかかってるらしいよー」 扉からミーナが呼ぶ。フォルティナートは慌ててそちらへ駆けて行った。 この先、鬼が出るか蛇が出るか・・・。まだまだ進軍は続く。 |
| |
| 奥へ奥へ |
|---|
|
| ノースクリフ [ 2003/03/12 2:17:34 ] |
|---|
| | フォルティナートさんが魔法で扉を開く。その先の道はさらに下に続いているみたいだった。
「あのさ、思ったんだけど」 なんだよ、と言う視線が僕に集中する。
「ここって、他の冒険者が潜って、何もなかったから『枯れた』って言われてるんだよね? さっきの何とかって骨は、ずっと前に他の冒険者が倒したんだよね? でも、鍵と石のゴーレムは最近来た魔法使いがやったんだよね?」
僕には質問ばかりしすぎる癖があるかもしれない。皆が僕の聞きたいことを考えてくれるまで、少し待ってみる。
「……で、何が言いたいんだ?」 「うん、つまりさ……魔法で鍵を掛ける余裕があるんなら、もう一つストーンサーバントとかいうのを作った方が倒すにしろ足止めにしろ有効だと思うんだけど」
しばらく、靴の音だけが響く。皆が黙る。
「……別に俺らの邪魔をしたいんじゃないのかな」 「つまり、向こうは別に私たちのことを知らないってこと?」 「かもな。……おっ、扉が見えてきた。ロビン、頼む」 「よし、まかせな」
ロビンさんが扉の前にかがんで耳をそばだてる。 けど、心臓が一回なるかならないかのうちに、僕らに向き直った。 「……聞こえる」
何が? と、誰かが聞く前にどしん、って音が扉の向こうから聞こえた。そう、まるで何か重いものを落としたみたいな。 |
| |
| 邂逅 |
|---|
|
| フォルティナート [ 2003/03/16 15:53:48 ] |
|---|
| | 侵入者を攻撃するように命令された石の従者と“施錠”の魔法がかけられた扉………其処から推測すると恐らく向こうは此方に気付いている。 時間を延ばさなければ“施錠”の魔法は一日しか持続しない。“石の従者”に至っては一時間ほどだ。自分達の後に誰かが来るかもしれないと言う憶測だけでは使う魔法では無い。石の従者ならそのまま引き連れていく方が良いに決まっている。 そのことを口にしようとした時に扉の向こうからのどしん、と言う音。 そして、リグベイルさんが入ってきた扉に向かい誰だ、と叫んだ。
「見つかってしまいましたね………」
そう言って出てきたのは三人組の冒険者だった。装備から判断すると戦士と盗賊そして魔術師だろう。………精霊使いがいない?いや、盗賊か魔術師が兼任しているに違いない。
「なんなんだてめー等は!!」
槍を構えながらアルファーンズさんが叫ぶ。三人組の戦士が魔術師を守るように片手半剣と小楯をかざし前に出てくる。 戦士を制すと魔術師は言った。
「彼等と事を構える気はありませんよ。今の所は。 私達もあなた方と同じ冒険者ですよ。目的が同じかどうかは分かりませんがね………。しかし、今の目的は一緒のはずですよ。その扉の向こうに行きたいのですから。 この方が、罠の解除に失敗してしまいましてねぇ。それで困っていたのですよ」
魔術師は口の端を歪めながら、盗賊風の男を横目でチラリと見る。 ………罠?此処は枯れた遺跡のはずだ。それなのに罠があると言う事はどう言う事だ?罠の種類によっては解除しても再び掛かる事もある。しかし、集めた情報によれば此処最近では罠すら発見された事も無いはずだ………
「だから何だと言うのだ?」
剣の柄に手を添えながらリグベイルさんが睨みつける。同じようにロビンさんも何時でも剣を抜ける体制だ。ミーナさんノースクリフさんも恐らく呪文の詠唱に入れるよう集中しているはずだ。僕も杖を握る手に力を込める。
「先ほども言ったようにあなた方と事を構える気はありませんよ。争う事は好きではありませんから。 取引しませんか?あなた方はこの遺跡について殆んど何も知らないのでは無いですか?こちらの知っている情報を提供しますよ。 そちらはその扉の罠を外してくれるだけで良い。その扉の先に進むためには罠を外さなければ駄目でしょう。今から街に戻り他の盗賊を雇うのも面倒ですからね……… その後に協力して進んでも良い。どうです?悪い条件では無いと思いますが?」
魔術師が再度口を開く。余裕の表情だ。だがそれも頷ける。この遺跡に関しての情報を手に入れられるほどの実力を持っているのだ。言っている事が本当ならばだが。 そして少なくとも古代語魔法の腕は僕よりも優れている。“石の従者”が使えると言う事は“電光”も使える。ひょっとすれば“火球”の魔法も使えるかもしれない。 そのことを考えると手の平がじっとりと汗で滲んできた。戦えば全滅するかもしれない。
「少し時間を下さい。話し合って決めますから」
今にも飛び掛りそうだったアルファーンズさんを制し僕はそう口に出すのが精一杯だった。 |
| |
| 邪魔? |
|---|
|
| ミーナ [ 2003/03/18 3:59:29 ] |
|---|
| | 情報を持ってるのはあの人たち。 先に遺跡に入ったのもあの人たち。 「つまり、僕らは最初から”対等な取引”なんてできないんだよ」 とノースクリフさん。 でも、相手が譲歩してくれたからって、ロビンさんにそんなに価値なんてあるのかなぁ・・・ 「聞こえてるぞ!」
相手は入り口を閉じたり、石の怪物であたしたちの邪魔をした人たち。 きっと宝物を独り占めしたくてそんなことしてたはずだから、 「協力する」 なんて言っても用が済んだら裏切るつもりかも・・・
なーんて心配してたんだけど、同行が決まったのは相手のこんな一言。 「この先に、たぶん財宝はありません」 うっかり忘れてたんだけど、ここは有名な枯れ遺跡だもんね。 もちろん分け前なんてなし。 ロビンさんだけは雇い賃なんて貰ってたけど。
でも、それならどうしてあたしたちの邪魔したの? 「私たちが邪魔されたくなかったからですよ」
邪魔・・・って、何の? |
| |
| 目的 |
|---|
|
| フォルティナート [ 2003/03/23 16:56:41 ] |
|---|
| | 邪魔されたくなかったのは遺跡の正確な地図を書きたかったから。その理由を聞くとポロニウスさん――魔術師の名だ――は答えてくれた。
「調べた所によると、この遺跡は入る時期によって形が変わるようなのです」
遺跡の形が変わる!興味が沸いて来た僕は先を促す。 彼の話によれば、正確には遺跡の形が変わるのではなく、入り口が変わるそうなのだ。地上にあった入り口は同じだが、其処から螺旋階段で真下に下った先にある円形の部屋。その部屋にある“扉の位置が変わる”のだという。 何故その様な作りになっているのか、何が関係して入り口が変わるのか。そのことを調べるために遺跡の地図を書いているのだという。 そして此処に潜るのはこれで二度目だそうだ。前回と形が違うのは明らかだと言う。 枯れた遺跡として有名なため、二回以上潜る人は最近では少ないと聞いた。だから誰も気づかなかったのかもしれない。 そう考えていた僕に気づいたのか、ポロニウスさんが言う。
「地上にあった入り口か、円形の部屋で合言葉を唱えないと常に同じ扉にしか入れませんがね」
しかしそれならば、地上の入り口を閉じなければ僕等は合言葉を唱えず、今回入ってきた扉とは違う扉に入っていたはずだ。それの方が邪魔されずにすんだのでは……… その疑問を口に出すと円形の部屋で合言葉を唱えると地上の入り口が勝手に閉じてしまうと苦笑交じりに答えてくれた。 |
| |
| 安堵の一時 |
|---|
|
| リグベイル [ 2003/03/29 23:57:56 ] |
|---|
| | …形が変わる遺跡とは、また何とも厄介な(苦笑)
…もしかしたら、この枯れた遺跡に公に出来ない財産とかを隠した輩とかもいたかも知れないな?だとしたらさぞ驚いたろうな、しばらくして来てみたら遺跡の中身が変わっていたのだから(笑)
私はそんな事を皆と話しながら、ふと背筋が凍りつく様な事を考えた。
…この遺跡に挑んでいる間に、もしも扉の位置が変わってしまったとしたら?
アルやフォルティナートが話していた”唯一帰ってこなかったパーティ”の事が頭を過ぎる。
…宝物の類がない事で”枯れた”遺跡と言うのは当たっていたが、この遺跡にはそれ以上の秘密が埋もれていた、と言う事になるな。
皆とそんな話をしていたところへ、ノースが何かを思いついた様に口を開いた。
「ねぇ、さっきの巨石にもさ、色々古代文字みたいなのが書き込まれていたけど、それってこの遺跡の中が変わるのと何か関係あるんじゃない?」
「えぇ、その可能性は充分に考えられる事ですね、あの巨石群とこの遺跡の位置関係を考査すれば無関係と言う方が不自然に思えるくらいに」
やや高揚した雰囲気のフォルティナートが、やはり高揚した口調でそう述べた。
「でも、それを知ったところで俺達にはどうする事も出来ないだろ?あの巨石群の膨大な量の古代文字やこのややこしい遺跡の研究に一生を捧げる気はないぜ、知的欲求はくすぐられるけどさ」
アルはそう言うと、残念そうに肩を竦めた。
「そうじゃなくってさ、あの巨石群、ついこの間までは見つかっていなかったんでしょ?って事はさ、その情報ってとっても価値があると思わない?」
ノースがそこまで話したところで私を含めた他の皆はノースが何を言いたいのか理解した。
ノースは、あの巨石群の情報をポロニウスと言う魔術師に提供し、その代価をこの冒険の報酬に変えようと言うのである。
……さすがチャ・ザの神官、こう言う事には聡いな(笑)
「当然(えばり)皆だってただ働きは嫌でしょ?」
ノースはにこやかに笑いながらそう言うと、交渉役は引き受けたと言わんばかりに、その魔術師の方へ近づいて行った。
…何はともあれ上手くすれば報酬も得られそうだし、とりあえず良しとするかな(嘆息)
親しみをこめた笑顔で、その魔術師と交渉しているノースを遠目で見守りながら、私は安堵の嘆息を小さく漏らした。 |
| |
| Ready Go ! |
|---|
|
| ミーナ [ 2003/03/30 16:27:02 ] |
|---|
| | オランに戻ってきて数日。今日は報酬分配の日。なんだけど・・・
「おおおおおお!」 「ああああああ!」
「何してるんですか、あの二人は?」 あ、フォルさんお帰り。 ほら、今回の報酬ってロビンさんだけ手伝いした分だけ多くなってるでしょ? でも、あそこまで行けたのはみんなの力だから、ロビンさんが独り占めするのはずるいって話になって・・・ 「それで、どうして腕相撲なんですか?」
「おらぁ!」 「ぐあっ・・・〜〜〜くそっ! 負けた!」 「甘いわ、アルファーンズ!」
あ、ロビンさんが勝った。
「そうか、私の次の相手はロビンか」 「大丈夫〜? リグは強かったよ〜」 「ちょっと待て、ずるいぞ! 休憩させろ!」 「組み合わせも勝負のうちだ」 「幸運神のお導きだよ」 「なんだよ、それ!」
でね、フォルさん。 上乗せ分はこの腕相撲で勝った人が貰うことになったんだよ。 腕相撲なのは、お酒じゃ勝負がつく前に報酬がなくなっちゃいそうだし・・・
「知識勝負ならロビンなんかに負けねーのに!」
いちおう元々はロビンさんの分だしね。 あ、大丈夫。この二人が最後だけど、フォルさんもこの後、勝った方と勝負できるから。 「・・・じゃあ僕は、せいぜい二人が潰し合ってくれることに期待しましょうか」
「どうした、ロビン。早くしろ」 「やってやらあ。女相手に、ちょうどいいハンデだぜ!」 「優しいんだな、ロビンは。その言葉、後悔するなよ」 「や、やっぱちょっとだけ休ませて欲しいんですけど・・・」 「つべこべ言わない! レディ・・・」 『Go!』 |
| |
| イベント終了表明 |
|---|
|
| -- [ 2003/03/31 2:35:01 ] |
|---|
| | ”ナズゥの枯れ遺跡探索記”これにて終了に御座います。
参加PLの皆様、本当にお疲れ様でした。 |
| |
| (無題) |
|---|
|
| 管理代行 [ 2004/11/27 4:37:04 ] |
|---|
| | このイベントは既に終了しています。 |
| |
|
|---|