| 奏でる音の中で |
|---|
|
| ルギー [ 2005/06/01 20:53:55 ] |
|---|
| | 広げられる紙に書かれている楽譜。
目でなぞり、指で弦を弾く。
いつか人前で奏でるであろう、自分の指が奏でる音の中で
時に何かを思い返すのも、悪くねぇだろ。 |
| |
| 燻ぶる旋律 |
|---|
|
| ルギー [ 2005/06/01 21:04:29 ] |
|---|
| | 少し前に、シタールのケイナへ再度潜りたい、と言われた。([TOPIC 228] 新王国歴517年5の月19日 昼間 参照)<> 俺は少し考えさせて欲しいと渋った、思う所があるからだ………もちろんフォスターの事じゃねぇ、あいつはまぁ……一種の「慣れ」のような物が出てきたから。<> これでほかの魔術師が一緒となったら、3年前と同じようになる自分にも気がついている、頭で解ったって気持ちが………いや、もしかしたら解っている振りをしているだけなのかもしれない。<> フォスターに慣れるのだって、顔を合わせていない間が腐るほどあるにせよ、3年掛かってるんだから。<> だからといって、これが渋る理由かと言われれば、絶対にこれだと言い切れるわけでもないんだ。<> <> <> 悔いはある、たぶん何処かでもう一度行ってけりを付けたい、しかしその気持ちと同居している別の気持ちがある。<> <> <> シタールは自分の大怪我での事を言っていたが、同じ事を俺は言える。<> あの時の緊張と焦りが油断をうみ、俺はまんまとイミテーター7枚破りのトラップである毒を受けた。<> あのあと、魔術師とあまり仕事をしたくないと言う気持ちも混ざって、俺は殆ど「旅の詩人」として西へ東へ流れてた。<> オランにもたまに戻ってきてたけど、1週間もいれば良いほう、すぐに何処かへ流れる日々。<> <> <> 俺はあの時と、何か変わっているだろうか、俺はまた、足手纏いにしかならないんじゃないだろうか?<> <> <> 自分を成長させてくれたと言えるシタールの顔を見つつ、俺は成長したといえない自分に気がついて、素直にあの時の悔いを返上しに行くと言えなかった。<> だけど、再度挑戦しに行きたい気持ちも燻っている。<> <> <> フォスターから写しを貰った”朝焼け”ガーウィスの曲、自分の奏でる音が乱れるのを自分の耳が拾い、思わず舌打ちを打つ。<> <> <> 自分の舌打ちなのに、それですら「優柔不断」と俺を責め立てているような気がした。 |
| |
|
|---|