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経営日誌(兼収集日誌)
フランツ [ 2005/06/14 22:38:27 ]
 店長代理・フランツの趣味(地図収集)と現実(酒場経営)の記録。
 
新人教育?
フランツ [ 2005/06/14 23:34:52 ]
 *日誌を開く*

俺がこの店を引き継いで8ヶ月目になる。
経営は順調だ。
店内に問題はほとんど無し。

*日誌を閉じる*

いつものように経営日誌を書き、その日誌を片付けてから、コレクションの整理をした。
今日は嬉しい知らせがあった。
以前から働きかけていたキャニング卿からの返事を、ハリートが持ってきてくれたのだ。

キャニング卿は俺よりもずっと年季の入った地図コレクターである。
人脈も、そして経済力も、俺とは比べものにならない。
以前ちょっとした集まりで面識を持ち、それ以来、時折便りを交わす仲だ。

この店を引き継いで少しした頃に、一応俺なりに冒険者の仕事に関する伝手を作っておこうかと考えた。
もちろん、この店には今までの信頼もあり、それなりに良い仕事は定期的に入ってくる。
だがそれでも、仕事が少なくなる時期というのもある。
それを伝手でカバー出来れば、と考えたのだ。
そうして思い付いたのが、キャニング卿のことである。

今まで地図を集めるばかりだった卿の手元には、卿が専門とする古地図ばかりではなく、何かを隠した在処を記した地図や、真偽の程は定かではないが遺跡の地図等が眠っているという。
そして、卿はもうかなりの高齢だ。そろそろその地図を解明するほうにまわってもよいのではないかと、先日から働きかけていた。

そう。つまり、卿が持っている地図に従って、(俗な言い方をすれば)宝探しを冒険者に請け負わせてはどうだろう、と。
もちろん、得られたものの分配は、ある程度の報酬を守ってさえもらえれば卿の一存で構わない、と条件をつけて。
ただ、卿は吝嗇家ではないから、財宝が得られればそれを冒険者に分配するのにもやぶさかではないと思ってくれるはずだ。

どうやら色よい返事を得られたようだから、近日中に俺が出向いて地図を受け取ってこようと思う。
……その地図で良い結果が得られれば、卿とより昵懇になり、俺が以前から譲って欲しいと言っている、古代王国ロゥラル期のあの地図を譲って貰えるかもしr(こんここん、がちゃっ!)

「おっさーん! ……何にやにやしてんだよ、気持ちわりぃ」

……なんだ、シタールか。びっくりさせるな。
おまえは昔からそうだ。落ち着きがないというか、がさつというか粗暴というか。

「なんだよ、この経営日誌! 3行しか書いてねぇ! 問題ならいろいろあるだろう! いつまで経ってもすっとこどっこいのバザードのことや、モノになるんだかならねぇんだか微妙に不安なコーデリアのこととかよ!」
「ああ、それはおまえとハリートに任せた」
「だいたいだなぁ。おっさんがバザードを雇った時に、あいつにちゃんと店員のノウハウとか教えたのかよ!?」
「俺が?」
「そう、おっさんが」
「まさか」
「なんでっ!?」

……泣きそうな顔するな、シタール。
あのな、俺はマックスが店長をやっていた頃から確かにここにいる。
が、ずっと厨房だったんでなぁ。あとは盗賊ギルドとのツナギ役が多かった。
だから接客のことなど俺は知らん。

まぁ、バザードには、盗賊ギルドに行くときの注意は叩き込んだし、
俺が懇意にしていたギルド幹部との顔つなぎもしたから、その点は大丈夫だ。案じるな(ぐっ!←決め★)

シタールが天井を見てぶつぶつと言い始めたので、俺は書斎に引き籠もることにした。