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その他の呟き−01
(管理者代行) [ 2005/08/17 23:23:19 ]
 ※誰でも、どのキャラでも書き込める単発宿帳用スレッド※
日記スレを立てるまでもないんだけど、一言書いてみたい時。
前後の流れとは全然関係ないんだけど、一発やってみたい時。
そんな時はここに上げてみてクダサイ。
もちろん、宿帳の練習なんかでもOK。
 
故郷の西より今は東の国へ
ジルダード [ 2005/08/21 23:04:14 ]
  何ゆえ、多くの歳月をかけて、ここまで来たのか。
 冒険者であるからこそ、ここまで流れて来たのか。
 兎も角、俺は考える。

 オランという大陸最大の都市を見てみてみたい。

 それが旅だった理由であったかもしれない。
 わざわざ遠い西の”十人の子供達”の夢見る都リファールから。

 共通語とはいえ、西方の訛りもここでは異様に目立つ。
 ちょっとした違いに、戸惑う事もある。

 もともと、普通の町民出身に過ぎない。
 ちょっとだけ体つきが、普通の子に比べて良かった。
 純粋に将来は街の職人で過ごしていくのだろうとさえ思っていた。
 尤も、ある出来事までは。

 とある組織的な誘拐にあい、多くの知人と別れを強いられた。
 助けられた時、俺は数少ない、無事に生還できた被害者の一握り。
 家族も知人も、頼るべき存在も殆どを失った。
 将来の、普通に暮らす夢さえも、色を失った。
 普通の生活に違和感すら感じた。

 そんな頃の俺を支えてくれたもの。

「ええい!面倒ッ!!」

 俺を助け出してくれた、かのエルフの精霊使い。
 もはや人質として命の危機にあうところへ、壁に大穴を開けて現れた。
 あまりにも唐突過ぎて、俺は驚きで何が起きたのか分からなかった。
 もはや決着の見えた喧騒の洞窟の中で、そこだけが静寂だった。
 それは俺を人質に逃亡を図ろうとした誘拐犯も同じだった。

「とりあえず蹴るッ!!そして捕まえる!!」

 次ぎに起きたのは、誘拐犯が蹴飛ばされ、植物の蔦に絡めとられた。

「小僧、怪我は無いか」

 戦いで汚れた身なりではあったが、エルフは優しく微笑んだ。
 そこで気付いた。
 女性のエルフだった。

 俺が安堵感に涙しそうになると、優しい顔からは考えられない拳骨一発。

「小僧が泣くでない!」

 あまりにも突拍子も無い出現。
 優しい笑顔に拳骨。
 お話しで聞くエルフの肖像とは・・・ちょっと違った。

 その思い出が、どこからか、いつからか、冒険者になる事へと変わった。
 経験した事が何もかもが強烈過ぎてしまったのかもしれない。

 だからなのだろうか。

 一人になったから、泣いても仕方ない。
 一人で生きていくには、自分で頑張っていくしかない。

 エルフから一発の拳骨と共に言われた言葉は、俺の心の原動力となった。
 如何なる困難も、乗り越えられる、心強い言葉。
 二十五になった今、それでも、忘れないまま、俺を支える。



 先日、会った戦士のロビンと精霊使いのラス。 

 交す言葉はアレだが、其の中に含まれる互いへの理解と尊重。
 皮肉も交えて、笑いもある会話。
 羨ましいものだ。

 俺も早くオランで、軽口を叩きつつ、笑い合える冒険者仲間を見つけたい。

 とりあえず、戦士として、何か仕事は無いか、見つけてみようと思う。
 
(無題)
トリストラム [ 2005/08/22 11:01:54 ]
 アルベールの回答は早かった。
あいつなら三日で仕上げて返すだろうと見ていたが、まさしくその通りだった。
内容には一片の狂いもなし。完璧だ。
これと俺の手持ちだけでも金になる。
それ以上を望むなら労働が必要だが、この暑さの中を歩いて回るのは気乗りがしない。
他の連中も当座の金には困ってないだろうし、形にして売り飛ばすかな。
今度の会合は直ぐに宴会に変わりそうだ。

アルベールとのやり取りにはフランツの店を使った。
あそこの従業員は面白い奴が多いので退屈しない。
昨日の晩、接客に出てきた少年との話も、中々に楽しめた。
バザードと言ったか。フランツや俺の後輩に当たる奴だ。
腰の据え方、足捌きなど習い覚えた動作を隠せないところを見ると、まだ日が浅い。
ためしにアルベールが書いた鏡文字を見せたら、反射的に記憶術の所作に入った。
フランツが後ろにいなくてよかったな。
だが真面目な性格は評価するね。器用ではなさそうだが、この先、かなり伸びるんじゃないかと見ている。
俺の目利きは割と当たるからな。
しかし、バザードが魔法の指輪を知らないとは、俺も迂闊だった。
これ見よがしにアピールしたのを、アッサリすかされてしまった。無念だぜ。
よりにもよって結婚指輪に見えるとは。ま、地味だが金無垢だしな。
存分に剣が使えるあり難さは説明してもわからないだろう。しょうがないことだ。
 
戦士にできること
ジルダード [ 2005/08/25 12:46:53 ]
 「よろしく!」

 カーフという盗賊と、本探しと人探しの仕事を請ける事になった。
 駆出しで仲間がいない、仕事が無いと言っていたので、声をかけてみた。
 というのも、カーフがそれを戦士ギグスとあれこれと話していた。

 カーフは店の従業員をしながらの、二足の革靴(?)という状況で忙しい。
 其の中で精一杯頑張っている。
 俺もそれ相応に仕事をしなければと思う。

 とはいえ、俺は戦士であり、荒事以外ではそうそう役に立たない。
 せいぜい、そこら酒場あたりで簡単な情報収集に専念すること程度か。

「は?本? 学院に行けば?」
「誰、この・・・男みたいな女みたいな、ハッキリしない似顔絵。下手糞」
「わひゃひゃひゃ、生まれてこの方、本なんぞ(以下略)」
「なにそれ、おいしいーの?」
「知らん」

 ・・・まぁ、手に入る情報なぞ、たかがしれているんだがネ。

 必要な情報は盗賊ギルド、即ち”巣穴”で、情報屋から手に入れる。
 勿論、それには当然、普通の品物と同じく価値が有るほど高価になる。

 つまり、情報料と言う代価が。

 ある程度の蓄えがあると言う事を先に言うべきだった。
 仕事にはそれなりのお金がかかることを少しばかり失念していたネ。
 はははは・・・がくり。

「ジルダード、ちょっと、ちょっと」
「やぁ、カーフ、どうだネ?」

 カーフが何かを掴んできたようだ。
 さて、様子から察するに色々ありそうだ。

「えーとね」

 うん、うん・・・うん、そうか。
 何だか荒事の予感がしてきたネ。
 俺の真価を発揮する機会が近い・・・と、思う。

 俺の長い相棒にして武器である、斧の手入れを普段より丁寧にせねば。
 
司祭代行
カール [ 2005/09/06 22:56:02 ]
 送られてきた書面を見ながら、思わず溜息が出る。

今日の勤めを終え、今日は日暮れ前には帰れると思った矢先の急な呼び出し。
火急の用件で、且つ厄介な案件だろうとは思っていた。だから内容にはほっとしたが…。

以前、赴任していたノルド村でのトラブルだ。

次の司祭も任期を終え、次の司祭が送られる予定であったが、直前に解任を理由に突然の還俗。
高司祭様の話によれば、「次の人材を選考中。」とのことだがいつまでも前任者を任せておくわけにもいかない。

そこで「しばらくの代行を…。」と話が来た。とは言っても自分自身にではなく、自分に近しい人間にだ。

あの人にこの仕事を任せて良い物だろうか…。

廊下を歩く正確な足音と控えめなノックで現実へと戻される。
こちらの返事の後にすぐ扉が開く…。

「カールさん。何か話があるとか。」
「ええ。カレンさん。ちょっとお願いがあるのですが…。」
 
ある客の呟き
ある客 [ 2005/11/27 21:49:38 ]
  エールが今日も美味い。
 寒い日は体を暖めるにゃこれが一番。
 ついでに”つまみ”に冒険話を盗み聞き。

 聞くだけならタダ。

 だから冒険者の店はやめられない。
 荒くれ者が集うからといっても刺激に溢れるからこそ。

 今日も俺は通う。

 なんたって、飽きないやつらが沢山大勢だからな。
 そこに美味い酒と美味い飯があれば言う事無いだろ?
 
ケーキの約束
ベルギット [ 2006/05/09 22:49:52 ]
 注:#{243}-65「利用」を参照のこと。

気が進まないのは、あたしもラスも同じ。
だけど今回の件は早い解決が望まれているし、他によい方法も思い浮かばない。
乗り気ではないが、躊躇いもしない。
かくして、あたしとラスは一人の女性冒険者を利用する手段を選んだ。
彼女の名はユーニス・クインシー。

ユーニスがオランに入ってから、フランツの店へ向かうまで、あたしはずっと後をつけていた。
「一味」の女と見間違えた男が彼女に声をかける場面が二度あった。一人はけっこう強引な感じで。
普段なら、そんな男の後頭部につぶてでも投げつけてやるところなんだけど、「仕事中」なのでじっと様子見をしていた。
業の深い仕事をしているなー、そう思いながら。

ユーニスが店の中に入ってから、十かぞえて後に続く。
やっと見つけたという感じで彼女に声をかける。
ラスの言うとおり、穏やかで率直な人柄の彼女は、あたしの話をちゃんと聞いてくれたし、受け入れてくれた。
積極的に協力を申し出てくれるのを素っ気無くあしらいながら、心の中でごめんねと一言。
結果、彼女との接触は上首尾に終わった。自分で褒めたいくらいに。

フランツの店からさほど離れていない居酒屋で、ラスと落ち合った。
これから先はラスがユーニスのそばにいる。もちろん、彼女に気づかれないように。
「片が付いたら、事情を話すか。それくらいの誠意は見せないとな」
あたしは、ああ、そうだ。おいしいケーキをおごるって約束したんだっけ。
ま、でも先に何もかもすっかり話してからかな。
すっきりしない気持ちのまま、あのケーキを口にするのは勿体無いことだから。
 
仕事の帰りより夜は場末の酒場へ
ジルダード [ 2006/07/07 17:44:17 ]
 「俺も”遺産”って言うから、金銀財宝とはいかずとも金になるようなもの・・・そう思っていたんだよね」
「ま、確かに”遺産”ではあるネ。・・・ま、金色だし」

 はは・・・と苦笑いする若者。
 彼はある老人の残した”遺産”を他の誰よりも先に手に入れた。
 だが、手に入れただけでは金にもならない厄介な”遺産”だった。

 ここはオラン国内に点在する農村の一つ。
 小さな畑と小さな家。
 俺はそこでちょっとした用心棒として雇われた。
 
「黄金色の財宝にするには、まだまだ時間がかかりそうだ」
「皮肉な”遺産”だネ」
「だが、うまくやっていければ、そのうち本物の黄金になるさ」
「・・・じゃ、そろそろ狙われそう?」
「そう、だね。”遺産”の正体を知って諦めたと思ったけど・・・」
「諦めきれないヤツがいるってことか・・・災難だネ」
「”遺産”への執着よりも、俺個人に対する恨みになってはいるだろうね・・・今はまだ手出しはしないだろうけど」
「確証は?」
「無い。ただ、奴なら実りの時期を狙うだろう」
「しかもさぁ収穫しようって時に?」
「だろうね。人が喜んでいるところを一気にどん底に叩き落そうとすると思う。畑を襲わせて徹底的に荒らし、最後は愕然とする俺を笑いながら・・・」
「じゃ、其の時も雇ってもらえそうかネ?」
「・・・襲われるのがほぼ確実で?」
「手段は何にせよ”遺産”を手にしたのはキミだ。それを今頃になって文句を言ってくるような輩・・・俺としては気に食わないんでネ」
「それだけで?」
「後は収穫した麦でつくる美味いパンをたらふく食ってみたいしネ」
「はは・・・うん、考えておくよ」
「じゃ、其の時は知人でも誘って、お手伝い兼用心棒で雇われてあげますヨ」

 ・・・

 場末の酒場。
 そこの名はそう呼ばれる。
 大げさな名も無く、小さく、そして安く酒が飲める所。

 寡黙かつ恐そうな店のマスターが無愛想な顔で出迎える。
 彼に今回の用心棒の話を紹介してもらったのだ。
 報告がてら酒を飲みに来たわけではあるが・・・

 そこには珍しく他の客がいた。

 彼女の名はマコ。
 半妖精である。

 互いに他の客がいることを驚きつつも言葉お酒を交わす。
 そんな彼女から仕事の手伝いを引き受けてみた。
 奇妙なる芸術家が造り出す謎の彫像への挑戦(?)らしい。
 不気味なる故に力押しなどでも一筋縄ではいかないほどの仕事だとか。
 それに力を貸して欲しいとのこと。

 些か謎は好きではある。
 たまにはそういことで仕事をやってみるのも面白いかもしれない。

 ・・・

 さーて、どうなるか、ネ。