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日々のあれこれ
カーフ [ 2005/08/20 0:13:59 ]
 冒険者の店で働き始めて一週間。
だいぶん仕事にも慣れてきて、知った顔も増えたし、少し余裕も出てきた気がする。
今日も巣穴での訓練の後、街をぶらぶらしてからお店に出勤。
着いて早々、店内の掃除を頼まれた。自分は二階を掃除するから、お前は店内の掃除をしろとのこと。
よし、さっさと終わらせて二階の手伝いに行こう!
手際よく掃いたり拭いたり並べたりしていたら、立てかけていた箒が倒れて、伝言板の角に当たった。
そういえば、あたし伝言板をゆっくりと見たことなかったな。

・・・・・・・・・・・・・ふ〜ん。
ロッド競技?聞いたことないけど、羽飾り?手がしびれる?どんなものか気になるな。
シェフのお勧めもいろんな料理出してるんだ。"カゾフ海老トマトソース炒め"だって・・・美味しそう・・・。
そういえば、今日まだ夕飯食べてないからお腹すいた。夜の賄いなんだろう?
店員募集・・・これは知ってる。
探し人求む、まだ見つかってないみたいだなぁ。脚本?劇作家もこの店に来るんだ。へえ〜。

思わず伝言板に見入っていたら、背後からおもいっきり頭を叩かれた。
振り返ると怖い顔と遭遇。
え!もしかして二階の掃除終わった?違う?雑巾を取りに着た・・・あ、そうですか。
はい・・・どーぞ、これ使ってください。
う〜・・・ゴメンなさい。もうサボらないから許してくださ〜い。

覚書:背後には気をつける
 
仕事
カーフ [ 2005/08/24 2:41:51 ]
 仕事でジルダードって体格のいい戦士と組むことになった。
酒場で「新人だから一緒に仕事組んでくれる人なんていなーい」なんて管巻いていたら、声をかけてくれたのがジルダード。

やってみようと言われた仕事の内容は、盗まれたという書物とそれを盗んだ盗人探し。
そう、この広いオランでたった一人と一冊の本を探す。
なんか途方もない話に聞こえる・・・でも、これも仕事。
取り合えず、あたしの分担は情報収集。
でもよく考えたら戦士が必要になるのって、盗賊を捕らえるときだけ?
それまでもしかしてあたし一人で頑張るの?
うひぃ。まあ、やると言ったからにはできるところまで頑張ろう。

まずはギルドに行って、色々聞いてみようかな。情報屋を当たってみてもいいし。
 
仕事(二日目)
カーフ [ 2005/08/24 2:52:26 ]
 「情報はタダじゃないぜ?」
巣穴であった情報屋は、にやりと横柄な態度のまま笑った。
なんかヤな感じっ!
情報っていくら?時価ってやつなのかな?
服のポケットを探って、有り金全部出してみた。
手のひらに乗った銀貨は・・・・・・・・・・・・・・・・39ガメル。
「一昨日きやがれ、ボォォケッ!」
わっ、ひどっ!
ツバキを飛ばしながら罵倒された。

うう、いきなり手詰まりですか・・・。

覚書:情報屋は性格悪い
 
仕事(四日目)
カーフ [ 2005/09/01 1:03:33 ]
 ジルダードと別れて巣穴に帰ると、あたしの担当教官だった、グランという名の通称「髭」に声をかけられた。
「お前、仕事を請けてるんだってな」
あ、そういえばまだ髭には言ってなかったけ。

仕事の内容について話し出すと、髭は表情を変えずに(いつもの気難しそうに眉間に皺を寄せた顔だ)最後まで聞き、あたしの目を真っ直ぐ見た。
「お前、死ぬぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
その言葉が、体の中にずしんと来た。
確かに、あたしみたいな新人が受けるような仕事じゃないかもしれないけれど・・・。
どう答えていいか分からず、ズボンの腿のあたりで、何度も手を拭っていると。
「俺がお前ならその仕事は降りる」
そう言うと、面倒なことに関わるのはゴメンだとばかりに、あたしを置いて、さっさと部屋を出て行ってしまった。

<もうちょい調べてからでも遅くないだろ>というラス先輩。
<死ぬと>言った髭。
お世話になった二人の人が違うことを言う。

膝を抱えて、ぐるぐる考えていたら、思わぬ人が明かりをもたらした。
先輩盗賊が、ルカについての情報をくれたのだ。
その人は、この世界に飛び込んでから直ぐに親しくなった盗賊で、一度、梁の上で棒でお互いを叩き、落しあうという素敵な訓練も付けてくれた素敵な先輩だ。
悩んでいたら、進展が転がり込んできた。これって仕事を諦めるなって、ガネードのお導きなのかも。
まあ、もちろん情報はタダでくれた訳ではないけれど・・・。
盗賊の社会って世知辛い・・・。
また別の話になるから、何を引き換えにしたかは置いておいて、
その情報というのが、
『ルカって盗賊は確かにギルドにはいない。
けれど、とある貴族に本を盗んでくれと、依頼されていた盗賊がいた』というのだ。
「まあ、その盗賊=ルカかどうかは知らねぇ。
『たかだか一冊の本を盗むのに、田舎まで行かないといけない』とボヤいていた。
そいつは優男で見てくれがいいもんだから、狐を得意としているらしい。(「優男」これは依頼主の話と一致する)」
だそうだ。

ん?それってあの、半妖精の学院の人が言っていた通りだし。
さすが、頭のいい人は読みが深いなぁ。
でもそれが本当だとすると、既に本は盗賊から貴族に渡っているんじゃないかな?・・・取り戻すのは無理、かな?
まあその盗賊ってのに、コンタクトを取ってみるだけ取ってみようかな。